【連載全10話】第6話 アルファロメオ・147GTA・・・小さなボディーに大きなエンジンを積んだクルマ

エネルギー効率を追求しダウンサイジングが進む自動車業界ですが、過去を振り返れば、小さな車体に不釣り合いなほどの大排気量・高出力エンジンを搭載したクルマもありました。注目すべき名車をピックアップし、週替わりで紹介します。

アルファロメオ・147GTA

1971年に誕生したアルファスッドに始まるコンパクトなアルファ。145/146の後継として2000年に登場し、翌2001年には欧州カー・オブ・ザ・イヤーにも輝いた3ドア/5ドアハッチバックが147である。その3ドアに2002年に追加されたモデルが147GTAだ。

そもそもGTAとは1965年に登場したジュリア スプリントGTAに始まるグレード名で、末尾のAはイタリア語のAlleggerita(軽量化した)の略。ジュリア スプリントGTAは、その名のとおり軽量なアルミ製ボディーに、1気筒あたりツインプラグのスペシャルユニットを積んだ、主としてレースに向けた特別仕立てのハイパフォーマンス版だった。

GTAの名は兄貴分である156の高性能版として147よりもひと足先に復活したが、その156GTAのパワートレインをコンパクトな147に移植したモデルが147GTAである。ルーツであるジュリア系のGTAとは異なりボディーはスチール製のまま。とくに軽量化は施されず、装備も充実していたことによる1390kgという車重は、2リッター直4 DOHCユニットを積んだ147 2.0TSより110kgも重かった。

だが3.2リッターV6 DOHC 24バルブユニットの発生する最高出力250PS、最大トルク30.6kgf・mというパワーにモノをいわせ、6段MTを介しての公称データは0-100km/h加速 6.3秒、最高速度246km/hを記録。この連載の前回で紹介したフォルクスワーゲン・ゴルフR32とほぼ互角のパフォーマンスを発揮した。2004年にはセレスピードと呼ばれるATモード付き2ペダル式のシーケンシャル6段MT仕様が追加設定された。

[GAZOO編集部]

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