【連載全10話】第10話 メルセデス・ベンツC63 AMG・・・小さなボディーに大きなエンジンを積んだクルマ
エネルギー効率を追求しダウンサイジングが進む自動車業界ですが、過去を振り返れば、小さな車体に不釣り合いなほどの大排気量・高出力エンジンを搭載したクルマもありました。注目すべき名車をピックアップし、週替わりで紹介します。
メルセデス・ベンツC63 AMG
日本の5ナンバー規格におさまるボディーを持ち、“子ベンツ”の異名をとったメルセデス・ベンツ190シリーズ(W201)をルーツとする、2007年に登場した3代目Cクラス。そのセダン(W204)とワゴン(S204)に設定されたスーパーモデルがC63 AMGである。
全長約4.7m、全幅1.8m弱というボディーの、ベーシックモデルではスーパーチャージャー付き1.8リッター直4 DOHCがおさまるエンジンルームに押し込まれたパワーユニットは、6.2リッターという基本モデルの3倍以上の排気量を持つ自然吸気のV型8気筒DOHC 32バルブ。最高出力457PS、最大トルク61.2kgf・mというデータは、基本的に同じエンジンを積むS63 AMGの525PSよりもデチューンされてはいたが、1.7t強の車重はS63 AMGより300kg以上も軽く、7段ATを介して最高速度250km/h(リミッター作動)、0-100km/h加速4.5秒という、弩(ど)級のパフォーマンスを発揮した。なお、遅れて2011年に登場したCクラスのクーペ(C204)にもC63 AMGは用意された。
C63は、2014年にフルモデルチェンジした4代目Cクラス(205系)にも設定され、パフォーマンスは一層向上したが、パワーユニットは4リッターV8ツインターボにダウンサイズされてしまった。ちなみに5代目となる現行Cクラス(W206)の最強グレードであるAMG C63 S Eパフォーマンスは2リッター直4ターボユニットと電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドの4WDモデルで、システム最高出力680PS、同最大トルク1020N・m(104.0kgf・m)を誇る。
[GAZOO編集部]
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