【連載全16話】第13話 日産ブルーバード1800SSSターボ・・・日本生まれの懐かしいスポーツモデル

今回は、一見ごく普通のクルマのようでありながら、優れた走行性能や運転の楽しさで知られたFR(フロントエンジン・リアドライブ)の日本車をピックアップ。1970年代のモデルを中心に16車種を週替わりで紹介します。

日産ブルーバード1800SSSターボ

1979年に登場した6代目ブルーバード(910)では、成功作だった3代目510以降、いささか低迷していたブランドの再興を目指して、510をほうふつさせるスクエアでクリーンなスタイリングが採用された。ラインナップも4代目と5代目に存在した直6エンジン搭載車を廃して、本来の姿に回帰した。イメージキャラクターには当時人気絶頂だった歌手のジュリーこと沢田研二を迎え、掲げたキャッチコピーは“ザ・スーパースター”。日産の看板車種への復権をかけた力作だった。

その910に、翌1980年に追加されたのが1800SSSターボである。日産は前年、セドリック/グロリアに国産初のターボ車を設定していたが、4気筒エンジン+ターボはこれまた国産初で、4ドアセダンまたは2ドアハードトップボディーに搭載された、ギャレット・エアリサーチ製のターボチャージャーを備えた1.8リッターSOHCのZ18ET型ユニットは最高出力135PS、最大トルク20.0kgf・mを発生。そのパワーを受け止めるシャシーは、サスペンションが510以来の前ストラット、後ろセミトレーリングアームの4輪独立懸架、ステアリングは新採用されたラック・ピニオン、ブレーキは4輪ディスク(フロントはベンチレーテッド)だった。

自動車専門誌のテストでは、0-400m加速が17秒ほど、最高速度は180km/h超というクラストップのパフォーマンスを記録。セールスも好調で、ブルーバードがミドル級市場のリーダーの座を取り戻すのに貢献した。なお1983年に登場した次世代のU11型はFFに転換したため、910はブルーバード最後のFRモデルとなった。

[GAZOO編集部]

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