【連載全11話】第5話 日産フェアレディ・・・“長寿の車名”を持つクルマ

長年親しまれてきた車名は、そのクルマが多くの人に愛されてきた証しでもあります。今回は、途中でブランクを挟んだものも含め、車名が何代にもわたって使われている11車種をピックアップし、週替わりで紹介します。

日産フェアレディ

初めてフェアレディ(ただし当時の和文表記は“フェアレデー”)を名乗ったモデルは、1960年に登場したダットサンSPL212。トラック用をベースにしたシャシーにオープン4座ボディーを載せた北米輸出専用車だった。国内で正式にその名を冠したのは、1962年にデビューしたダットサン・フェアレディ1500(写真)。SP310という型式名が示すように初代ブルーバード(310)のそれを強化したシャシーに横向きのサードシートを備えた2+1のオープンボディーを架装。初代セドリック用に小変更を施し最高出力71PSを発生する1.5リッター直列4気筒OHVエンジンを搭載した国産初のスポーツカーだった。

その後はエンジンのパワーアップ、2シーター化、1.6リッターへのエンジン増強などを経て、1967年には最終発展型となるフェアレディ2000(SR311)が登場。2リッター直4 SOHCエンジンは当初のSP310の2倍以上となる145PSにまでパワーアップされ、最高速度205km/h、0-400m加速15.4秒を誇る本格的なスポーツカーへと発展した。

1969年にはテールゲートを備えたロングノーズの2座クローズドクーペへと180度変身を遂げたボディーに2リッター直列6気筒SOHC/DOHCエンジンを積み、ブランドもダットサンから日産へと変わったフェアレディZ(S30)がデビュー。ダットサン240Z(後に260Z、280Z)と名乗った輸出仕様が北米市場を中心に海外で大ヒット、52万台以上も生産されるというスポーツカーとしては異例の成功作となった。

以来“Zカー”の名で親しまれたフェアレディZは代を重ねて進化していったが、1989年に登場した4代目(Z32)が2000年に生産終了して歴史がいったん終幕。約2年の空白期間を経て2002年に5代目(Z33)が再デビューした。2022年に登場した現行モデル(RZ34)は、形式上は2008年以来の6代目(Z34)の改良型ということになるが、メーカーでは「事実上のフルモデルチェンジ」と称している。

[GAZOO編集部]

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