【連載全11話】第1話 トヨタ・ランドクルーザー・・・“長寿の車名”を持つクルマ

長年親しまれてきた車名は、そのクルマが多くの人に愛されてきた証しでもあります。今回は、途中でブランクを挟んだものも含め、車名が何代にもわたって使われている11車種をピックアップし、週替わりで紹介します。

トヨタ・ランドクルーザー

1950年の朝鮮戦争の勃発(ぼっぱつ)をきっかけに創設された警察予備隊(後に保安隊、陸上自衛隊に発展)からの、「米軍のジープのような小型四輪駆動車をつくってほしい」という要請から急きょ開発され、1951年に登場したトヨタ・ジープBJ型。これがランドクルーザーのルーツである。

トヨタは第2次世界大戦中から、米軍のジープを参考に小型四輪駆動車の開発を行っていたが、その経験を踏まえ、開発期間を短縮するために既存車種の構成部品を流用していた。1t積みの小型トラックSB型から流用したラダーフレームシャシーに搭載されたパワーユニットは、トヨタの処女作であるAA型に使われたA型エンジンと基本設計を同じくする3.4リッター直列6気筒OHVのB型エンジン。当時のトヨタには、このB型と1リッター直列4気筒サイドバルブのS型しか選択肢がなかったのである。

警察予備隊からの要請でつくられたにもかかわらず制式採用とはならなかったことから、ターゲットを警察や消防などの官庁および民間へと変更。1954年にはジープの名称が本家であるウィリス・オーバーランド社の登録商標であることからランドクルーザーに改名した。2024年には、それから70周年を迎えることになる。

翌1955年、初のフルモデルチェンジを迎え20系(写真)となった。ホイールベースの長短やソフトトップ、ハードトップ、ピックアップなどのボディー形式のバリエーションがそろい、エンジンも従来のB型に加えてより強力な3.9リッターのF型をラインナップ。輸出も本格的に始まり、今日へと続くランクルことランドクルーザーの世界制覇への道が、ここに始まったといえる。

[GAZOO編集部]

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