【連載全16話】第3話 ロータス・ヨーロッパ…地名が車名になっているクルマ
いったいどんな理由で付けられたのか? 今回は、国内外の地名がそのままモデル名やグレード名になっているクルマ、16車種をピックアップ。週替わりで紹介します。
ロータス・ヨーロッパ
1966年にデビューした、ロータス初の市販ミドシップスポーツ。ヨーロッパという名称は欧州大陸専用モデルとして企画されたためで、シリーズ1(S1)と呼ばれる初期モデルでは、英国車であるにもかかわらず左ハンドル仕様のみだった。基本構造は、エランで実績のある鋼板バックボーンフレームにFRP製ボディーを架装していた。
エンジンは欧州大陸でのメンテナンスを考慮して、ルノー16用の1.5リッター直4 OHVクロスフローユニットを軽くチューンして搭載。ギアボックスもルノー16の4段MTを流用。そのほかフロントサスペンションはトライアンフ・ヘラルド、フロントバンパーはフォード・アングリア、リアバンパーはフォード・コルチナから流用していた。
ロータス・セブンの後継モデルという役目も担っていたため、コストを下げるべくサイドウィンドウははめ殺し、シートも固定式(ステアリングとペダルは調整可能)と装備は極めて簡素。そのぶん車重は610kgほどの軽量に仕上がり、レーシングカー並みのハンドリングを実現していた。1968年にはサイドウィンドウが電動で開閉可能となり、シートも調整式となったシリーズ2に発展。その後は右ハンドル仕様が設定され、エンジンをロータスツインカムに換装するなど、当初のコンセプトとは異なる変更と改良を重ねながら1975年までつくられた。
<編集部追記>
「ヨーロッパ」という名称の由来について、読者の方からご指摘をいただきましたため、英国のロータス・カーズに確認いたしましたので、その回答を追記いたします。
・1960年台初期、ロータスはイギリスのみをメインマーケットとしており、当時「セブン」「エリート」「エラン」といったロードカーを販売していた。
・レースフィールドでの成功を収めた創業者のコーリン・チャップマンは、イギリス以外の世界のマーケットに目を向けて、まずは一番近いヨーロッパでのロードカーの販売を試みた。そのときに製造、発売されたのが、1966年にデビューした「ロータス・ヨーロッパ」。これが欧州で最初に発売されたロータス車となった。
・車名について、当初はヨーロッパのみでの販売が計画されていたため、ヨーロッパとなっている。つづりが「Europ”A”」になっている理由は、ヨーロッパで使用されている言語のほとんどがEuropeの文字をEuropaと記すため。それに合わせてLotus Europaとしている。Europe向けに作った車両にそのままEuropeと名付けるよりも、現地の言葉に合わせた方が良いというのが、当時のロータスの見解だった。
・その後、同車の販売マーケットはアメリカ、日本にも拡大していくこととなった。
[ガズー編集部]
【連載全16話】地名が車名になっているクルマ特集
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