フィアット500・・・リアエンジン・リアドライブの名車特集

今回ピックアップするのは、いまやすっかり少なくなった「エンジンを一番後ろに積むクルマ」。軽自動車からスポーツカーまで、代表的なリアエンジン・リアドライブのモデルを紹介します。

フィアット500

戦前の傑作小型車である、通称トッポリーノこと初代フィアット500の後継モデルとして1955年に登場したフィアット600。それよりさらに小さく廉価で、これまで自動車に縁のなかった層にも手の届くモデルとして企画されたのが、1957年にデビューしたヌオーバ(新しい)500である。

設計者であるダンテ・ジアコーザが造形も手がけたという、全長3mに満たないモノコックの2ドアボディーは、軽量化と騒音対策から巻き上げ式のキャンバストップを備えていた。600と同様にリアに積まれたエンジンは、479ccの空冷直列2気筒OHVで、初期型の最高出力はわずか13psにすぎなかった。

当初は「あまりにも簡素でアンダーパワー」と評されセールスは芳しくなかったが、改良を加える一方でバリエーションを追加するうちに上向き、1960年代に入るとイタリア中の路地を埋め尽くすほどに普及した。1972年には各部を近代化した上級車種の126がデビューしたが、同年に126用の594ccエンジンを積んだ最終型の500Rが登場。そのまま1975年まで造り続けられ、累計生産台数は約389万台にのぼった。

[ガズー編集部]

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