【連載全13話】第4話 トヨペット・クラウン・・・日本生まれの直6エンジン搭載車


昔に比べて少なくなった6気筒エンジン搭載車。そのなかから“ストレートシックス”と呼ばれる直列6気筒エンジンを積んだモデルを週替わりで紹介します。

トヨペット・クラウン

1962年に登場した2代目クラウン(RS40系)は、フラットデッキスタイルの近代的なボディーに先代から受け継いだ1.9リッター直4 OHVエンジンを搭載。5ナンバーフルサイズ市場では初代の誕生以来トップの座を守り続けていたが、1963年に登場したプリンス・グロリア スーパー6を皮切りにライバル勢に直6エンジン搭載車が増えてきたのに対抗して、1965年のマイナーチェンジの直後に2リッター直6エンジン搭載車(MS40系)を追加設定した。

長いストレート6をおさめるため、わずかに延ばされたノーズに積まれたM型と呼ばれる直6エンジンは、SOHCクロスフローで燃焼室は半球形、シリンダーヘッドはアルミ製でクランクシャフトは7ベアリング支持。同じ直6 SOHCでも、ライバルであるグロリアのG7型やクラウンとほぼ同時期にセドリックに加えられたL20型より高級なスペックを有していた。

チューンは2種あり、標準のM型に対してM-B型と称する高速型はSUツインキャブを備えて1988ccから最高出力125PS/5800rpm、最大トルク16.5kgf・m/3800rpm(いずれもグロス値)を発生。後者を積んだクラウンS(写真)はクラス初となるスポーツセダンで、前輪ディスクブレーキ、室内には大径のタコメーターを含む円形4連メーターやバケット風リクライニングシート、シートベルトなどを備え、やはり標準の4段フロアMTを介してのパフォーマンスは最高速度165km/h、0-400m 19.3秒だった。

この時点では直6搭載グレードはデラックスとSのみだったが、翌1966年にはスタンダードやマスターラインと呼ばれていた4ナンバーのバンやピックアップまでシリーズ全車で選択可能となる。そして1967年には2度目のフルモデルチェンジを受けた3代目が登場、ラインナップは直6エンジン搭載のMS50系が中心となった。

[GAZOO編集部]

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