【～懐かしのあの愛車時代を振り返る～／1989年カーミュージック編】メディアの主役はCDに、Winkやプリンセス プリンセスなど注目のヒットチューンも

オーディオ写真提供：カーグッズマガジン

カセットテープ唯我独尊だった音楽メディアですが、80年代中盤以降は目まぐるしいほどに世代交代が起こっていきます。歌詞カードやジャケットなど、物体としての音楽メディアの「終わりの始まり」でした。

車内の音楽ソースがカセットテープからCDへと急速に移行していったのが80年代前半でした。車載CDプレーヤーを初めて世に出したパイオニアでしたが初期のモデルはまだ1枚掛け。音質は向上し曲のスキップも便利になりましたが、盤の入れ替えにはカセット同様ひと手間かかるのが難点でした。そこで次の一手としてリリースされたのが6連奏CDマガジンを備えたプレーヤーユニット、カロッツェリア『CDX-M100』でした。ただ時は市販カーナビ誕生直前だったため、カーAVの最高峰の座に就いたのは短い期間になりました。

1989年にオリコン初登場いきなり1位を記録したのがWinkの『淋しい熱帯魚』でした。無表情のふたりがおっとりとシンクロするという、とても覚えやすい振り付けもまたヒットの要因でした。この作品までは洋楽のカバー曲で勝負していたWinkでしたが、これが初のオリジナル曲でした。こんどは逆にアーティストにカバーされる側になりました。ちなみにこのジャケット写真は、2018年4月にデビュー30周年企画で復刻リリースされたEP盤ジャケットです。現在でも、音楽番組で元気な姿を見せてくれたおふたりです。

1989年当時、ガールズロックユニットとして異例のロング＆ミリオンセラーを記録した名曲がプリンセス プリンセスの『Diamonds （ダイアモンド）』でした。じつは下積み時代も長くブレークまで幾度も辛酸をなめた経験もお持ちの彼女たちにとって、かけがえのないヒット曲として永遠の輝きを放っています。2001年には、バンドとしては解散していましたがスズキKeiスポーツのCMソングとしても起用されました。復興支援プロジェクトとして2012年から2016年まで限定的に再結成されたのち、ボーカルの岸谷香さんはソロプロジェクトとしてフェスなどで現在も元気な声を届けています。

ライター：畑澤　清志

[ガズー編集部]