【懐かし自動車ダイアリー】1973年(昭和48年)~クルマで振り返るちょっと懐かしい日本
- トヨタ・パブリカ スターレット
1973年(昭和48年)| 自動車 ~ スポーティーなモデルが相次いで登場
トヨタ・パブリカはエントリークラスの大衆車だったが、4月にスポーティーな上級グレードのパブリカ スターレットが派生モデルとして追加された。2ドアのファストバッククーペで、セリカの弟分のような印象。フルチョイスシステムの簡略版となるフリーチョイスシステムを採用していた。富士グランチャンピオンレースの前座として行われたマイナーツーリングレースではホンダ・シビックと名勝負を繰り返し、走りのイメージが知られるようになる。
2月に三菱が新たに投入したコンパクトモデルのランサーも、スポーティーさをアピールしていた。9月にはラリー仕様のモデルを追加し、実際に参戦したオーストラリアのサザンクロスラリーでは1位から4位を独占。モータースポーツでの活躍が販売成績に好影響を与えた。
トヨタがセリカに追加設定したリフトバックもスポーツイメージを強調したモデルで、若者から大きな支持を得る。ハイパワーが求められた時代で、フランクフルトモーターショーに出展されたBMW 2002ターボやポルシェ930ターボが注目を集めた。
高性能志向に冷水をかけたのが、オイルショックだった。10月に第4次中東戦争が始まったことを受け、OPECが原油価格の引き上げを通告。ガソリン価格は高騰し、スポーツカーには冷ややかな目が向けられる。省エネルギーが求められ、モータースポーツでも自粛の動きが広がった。
1973年(昭和48年)| 世相と文化 ~ オイルショックの不安の中で読まれた『日本沈没』
オイルショックは市民の生活にも甚大な影響をもたらした。石油精製製品はもちろん、製造に石油を必要とする製品の価格が上昇して極端な品不足が発生。トイレットペーパーがなくなるといううわさが流れると、スーパーマーケットに人々が殺到して買い占める騒ぎになった。夜間の照明が消えて街は暗くなり、日曜日にはガソリンスタンドが休業。消費意欲が減退した。
この年の2月には為替取引が変動相場制に移行しており、308円の固定レートから円高が進んで270円台に。輸出には不利となったが、強い円が追い風となって海外旅行ブームが起きた。200万人以上が海を渡っている。
8月に起きた金大中事件は、平和を謳歌(おうか)していた日本に衝撃を与えた。民主派の政治家として知られていた金大中が日本滞在中に襲われ、船で韓国に連行されたのだ。当時の韓国政府は否定していたが、韓国中央情報部(KCIA)が関与していたことが後に明らかになっている。辛くも殺害を逃れた金大中は、1998年に大統領に就任した。
混迷する社会状況を背景に、ベストセラーとなったのが小松左京の『日本沈没』だった。地殻変動により日本列島の大部分が海中に沈むという設定は現実的なものとはいえないが、社会に広がっていた気分とシンクロしていたことがヒットした要因のひとつだとされている。
プレイバック1973年(昭和48年)
- ★アカデミー賞
- 『スティング』
- ★NHK朝ドラ/大河ドラマ
- 『北の家族』/『国盗り物語』
- ★日本レコード大賞
- 『夜空』五木ひろし
- ★日本ダービー馬
- タケホープ
[ガズー編集部]
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