クルマの運転の基本 ~正しいドライビングポジション~
クルマを安心・安全、快適に運転する基本は、正しいドライビングポションをとることからスタートします。
正しいドライビングポジションとは、運転中に常に良い視界が保たれ、クルマと一体感をもってハンドルやペダル操作が行える運転姿勢・位置のことです。
クルマの運転中は、加減速やカーブ走行、路面の凹凸・段差などで体が前後・左右・上下に揺れてしまうため、どうしても運転姿勢・位置を一定に保つことは難しいですね。この体の揺れを極力抑えて、快適に運転するためのドライビングポジションの取り方について、その手順とポイントを解説します。
手順1
お尻とシートに隙間ができないように深く腰掛け、左足をフットレストに置き、右足がアクセル・ブレーキペダルをいっぱいに踏んだ状態で、膝に少し余裕ができるくらいの位置でシートスライドを前後調整しましょう。
(ポイント)
・加減速時の前後方向の揺れに対して、腰と左足でしっかり、身体をシートに固定させましょう!
身体とハンドル、ペダルとの距離感が一定に保たれ、安定した運転ができます。万が一の急ブレーキ時にも、しっかりブレーキペダルが踏む込むことができますね。
・シートに深く腰掛けることで、自然と目の位置が高くなり、見通しの良い視界も確保できます。
・普段はつま先で柔らかくアクセル・ブレーキペダルを操作しましょう。
手順2
背中をシートバックにつけて、ハンドルの最上部に両手を合わせて肘が伸びきらない位置でシートのリクライニングを調整しましょう。
(ポイント)
・カーブ走行などの横方向の力に対して、背中(肩甲骨から腰まで)をぴったりとシートバックにつけて、身体を固定しましょう!
・背筋を伸ばして、顎を少し引くと、自然と目線の先が遠くなり、前方の視界を適切に確保することができます。
・シートのバックレストのリクライニング位置は、ハンドルとの距離感だけでなく、前方の視界もを確認しやすいよう、倒しすぎないようにしましょう!
<ドライビングポジションの悪い例>
浅く座っていて、シートの奥から腰が離れている
ついついソファ感覚で座ってしまう姿勢は、万が一の際に急ブレーキを踏んだとき、身体が後ろに下がってしまい、適切な力でブレーキを踏むことができませんね。
また、視線の位置が低いため、視界が悪くなってしまいます。
【ポイント】シートに深く腰掛けて、腰をしっかりシートの奥に密着させましょう!
肘と膝が伸びすぎている
ハンドルに近づいて運転するとかっこ悪い!と、ハンドルから離れて運転する姿勢は、ハンドル、アクセル、ブレーキから離れすぎて操作がしにくくなります。
万が一の際に急ブレーキがしっかり踏めなかったり、ハンドルは身体を起こさないと操作できないので素早く確実な操作ができませんね。
【ポイント】腕と膝が少し曲がる位置に、シートスライドを前後に調整しましょう!
顔・背中が前のめりになっている
運転に自信がなくて、クルマのすぐ前を見ようと意識する方に多くみられる姿勢です。
ハンドルにしがみつくような姿勢は、近いところしか見えてなく、視界が狭くなってしまいます。また、いざというときに素早いハンドル操作ができません。
【ポイント】ハンドルと適切な距離でシートのリクライニングを調整し、背中を密着させましょう!
【監修・解説者】
ドライビングエキスパート
(トヨタの元テストドライバー)
滝本 良夫(たきもと・よしお)
約40年にわたりトヨタの運転技術指導員として活躍しながら、車両実験部でハイエース、ダイナ、コースターなどの商用車系開発の実験および商品監査に携わる。2014年に定年退社。
ドライビングエキスパート
(トヨタの元テストドライバー)
伊藤 昇(いとう・のぼる)
約40年にわたりトヨタの運転技術指導員として活躍しながら、メガクルーザーやダイナ、ウェブキャブなど特装車両、スープラなどの乗用車の開発実験と、お客様の声を開発現場へ反映する業務に携わる。2015年に定年退社。
【MC】
黒須 さおり(くろす・さおり)
2013年・2015年~2016年GAZOO Lady 自身なりの方法で精一杯クルマ好きを増やしていきたいと、ブログの発信など積極的に活動中。
[ガズー編集部]
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