【お台場旧車天国2018 愛車紹介】18才の若者を魅了する軽自動車ベースのRV、スバル・ドミンゴの持つポテンシャル

知り合いが乗っていた2代目レオーネの角目4灯フォルムが好きだったことから、スバルの旧車にどっぷりハマるようになっていたという押野さん。インターネットやカタログを見て昔のスバル車についての知識を広めていったところ、同じように角目4灯かつ異色な成り立ちを持つドミンゴを知り、高校生になるころには最初のクルマとして手に入れたいという気持ちが強くなっていったという。

ドミンゴが登場した歴史はRV車ブームのさなかにあった。『Recreational Vehicle』は休暇・楽しみのための車両というネーミングのジャンル。クルマを移動手段だけではなく、その延長として訪れた場所でクルマといっしょの楽しみ方を演出するためのツールとして使えるようにという設計思想が含まれている。
そのベースに選ばれたのは今でも根強いファンを持つ軽自動車サンバーのワンボックスモデル、サンバートライ。RRレイアウトにリッターエンジンを搭載し、車体もサイズアップすることで5ナンバーながら乗車定員7人乗りワゴンとして登場した。

ドミンゴは現在の基準で言えば一般的なクーペボディよりも小さい全長3425mm、全幅1430mmという限られたスペースに、効率よく3列シートを配置することで高い収容力を確保。ベース車のサンバー譲りのRRレイアウトによる勾配に強い走行性能が評価されたクルマだ。

席数もただ多いというわけではなく、RV車としての使い勝手を想定した様々なギミックが設けられているのも特徴だ。まずは運転席と助手席を180度反転させることができ、3列シートの中央を倒すことでテーブルができて4人がけのボックスシートを備えた団らんスペースへ。
さらに、2列目と3列目をフルフラットにすることで大人2人がゆったりとくつろげるベッドスペースにもなる。細かいところでは3列目のシートをフラットに倒せるようにトランクのドアにくぼみが作られているなど、限られた空間にいかに付加価値をプラスできるかという凝った設計が盛り込まれている。

押野さんのような旧車好きにとっては、このように現行車種ではなかなか得ることのできないクルマの面白さや、一風変わったギミックを設計に盛り込む必要が生まれたメーカーの考え、歴史背景まで含めて魅力のひとつなのだという。
その魅力に魅せられ、押野さんは免許を取得する以前の時点で、スバル旧車オーナーの知り合いを通じてあこがれのドミンゴを購入した。それまでためてきたお小遣いと、アルバイトで費用を捻出。いまでは無事自分の所有する愛車となった。オーナーが免許をとってまだ1年も経っていない18才という紛れもない事実を、初心者マークが示している。

外装に多少のキズが目立っているのは購入当時からだが、それを補って有り余るほど魅力的だったというのがグレードだ。押野さんのドミンゴのグレード名は『4WD GXサンルーフサンサンウインドゥ』。ドミンゴにはEF10型(1.0L)、EF12(1.2L)型の2種類のエンジンが設定されており、1.0Lモデルの方はサンバーと同じRR形式。1.2Lは排気量をアップしつつ、フルタイム4WDを採用した上位グレードとなる。

また、RV車として室内の開放感を高めてくれるのが天井に広く設けられたサンルーフと、ルーフの両肩部分に設けられた『サンサンウインドゥ』という窓枠。ドミンゴにはサンルーフのみのグレードも存在するなか、サンサンウインドゥ付きだったというのも決め手だった。
旧車に憧れる若者らしく、手に入れてからのもっぱらの楽しみはヤフオクなどのオークションサイトでの出品チェック。発売当時の新車解説書、純正オプションのアルミホイール、フロアマット、車傾計などのパーツは愛車購入後にそろえていったもの。特に車傾計は車種不明で出品されていたものをスバル車用とだけ分かった状態で購入。その後確かめたところライトの色がオレンジで、ドミンゴのものだと判明できたという。緑色ならスバルの他車種のものだそうだが、こういった車種別の知識は当時のカタログを見るだけではなく旧車が集まるミーティングで他のクルマを隅々まで見たり、話を聞いたりすることで身についたものだという。

「まだ見つけられていないオプションパーツがあるので、それを手に入れて装着したいと思っています。角目のデザインも大好きだし、カリフォルニアミラーとか、室内にも当時の歴史を感じるRV車としての装備がたくさんあるところもいいところ。その歴史を大事にしつつ、ドミンゴらしさを維持できるようにこれからずっと乗り続けたいと思います」

ここまで話を聞いて押野さんからは、ただ移動手段として乗って走るだけではなく、それ以上ともいえるほどにドミンゴというクルマそのものへの愛着が感じられてきた。
軽自動車ベースという限られた車体で、どれだけRV車としての楽しみを追求できるか?という当時のメーカーの熱意が伝わってくるドミンゴと、その魅力を全力で伝えようと解説してくれるオーナーの姿に心底「愛車っていいな」と思わされる取材だった。

(テキスト:長谷川実路 / 写真:堤 晋一)

[ガズー編集部]

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