トヨタ・スープラ(JZA80)、DIY好きが高じて整備士になったオーナー
北米市場も意識した存在感たっぷりのルックス、当時の自主規制いっぱいである出力280psを発揮する2JZ-GTEエンジン、国産乗用車に初めて搭載された6速トランスミッションなど、トヨタのフラッグシップスポーツカーとしてふさわしいスペックが与えられたJZA80スープラ。
1993年に発売され、市販車としてはもちろんのこと、ル・マン24時間レースを皮切りにスーパーGT、D1GP、フォーミュラ・ドリフトなど国内外のさまざまなモータースポーツでも活躍。2002年に生産中止となった後も、次期スープラ発売のウワサがささやかれる現在まで多くのファンを虜にしていて、今年のTGRFオーナーズクラブミーティングにも、40台以上の個性的なチューニグカーやカスタムカーが集まった。
そのなかのひとりであるチグタンさんは、漫画の影響を受けてクルマ好きになり、2009年にスープラを購入してクルマいじりを楽しむうちに「もっと正しい知識を学びたい」と整備士になってしまったという驚くべき経歴の持ち主だ。
「中古車サイトに掲載されていた写真のフロントフェイスに一目惚れして購入しました」という愛車は、NAエンジン&ATのSZにターボエンジン&ゲトラグ6MTを換装した車両。購入当初からRIDOX製フロントバンパーが装着されていて、ロングビーチブルー・パール(NSXのプレミアムカラー)にオールペンされたボディカラーも魅力的だった。
そんな愛車で、購入直後はサーキット走行も楽しんでいたチグタンさんだったが、あるとき悲劇が襲う。サーキットでのクラッシュによって、お気に入りだったフロント周りを破損してしまったのだ。
しかしこの修理をキッカケに、お財布と相談しながら少しずつエアロパーツを追加していき、2014年にはRIDOXフルエアロ仕様(ボンネットのみトップシークレット製)にまでたどり着いたという。
時を前後して、さまざまな作業を自分でおこなっているなかで知識不足を感じたチグタンさんは、一念発起して整備士へと転身を果たした。
クルマいじりを楽しむ精神に加えて、習得した整備技術も注ぎ込まれたスープラは、プライベーターの域を超えたチューニング&カスタムが各部に施されている。しかもチグタンさんは、ただイジるだけではなく、その性能や効果をしっかりと実験・検証しているというのも特筆すべき点だ。
たとえば、前置きインタークーラーやオイルクーラーに施した放熱塗装。冷却効率アップをうたう施工済み既製品が流通しはじめたことから「本当に効果があるのか?」と興味を持ち、まずはアルミ缶を使って温度変化を比較してみた。
すると、塗ることによって放熱速度が向上するという実験結果を得られたことから、冷却コアへの施工を決めたそうだ。
その作業も本格的で、エアガンで塗装した後に、170度まで温度を上げたドラム缶のなかで1時間以上加熱する『焼き付け塗装』をおこなったという。
また、ゼロから自作したフロントフェンダー上部のカーボンダクトも、装着前後でフェンダー内の温度変化のスピードを比較し、ブレーキから発生した熱が逃げやすくなっていることを確認済みだ。
「自作パーツなので装着したまま車検をクリアできるか不安だったんですけど、問題なく取得することができてホッとしました」とのこと。
そうそう、車検といえばこのクルマはエアコン関連部品や内装パーツなどを取り外すことによって軽量化をおこない、車検費用を節約しているのもポイント。「1430kgまでダイエットした結果、重量税が1万円くらい安くなりました。車幅のワイド化や4名から2名への乗車定員変更も公認取得済みです」
普段の通勤などにはセカンドカーを所有しているため、スープラに乗るのはイベントやドライブのときだけというが、走行距離はすでに10万km。
「エンジン載せ換え車両なので純正パーツを発注するときに苦労したこともありますが、最近は電子パーツカタログのおかげで部品検索が楽になりました。古い車なので純正部品が出なくなってきているのが不安ですけど、できるだけしっかりとメンテナンスして、長く乗り続けたいです」とチグタンさん。
最近では、不調だった純正タービンを取り外し、プロに依頼してオーバーホールしてもらったうえで、周辺パーツも新品に交換しつつ組み付けるという大作業を、約3ヶ月かけてコツコツと実施したという。
千葉県のカーメイキングレヴューでブーストアップも行っているが「ブースト圧1.0kg/cmで439psと控えめな設定です。もともと十分すぎるパワーがありますし、長く乗ることが最優先ですから」ということだ。
タービン脱着のついでにエンジンルームの自家塗装もおこなったし、オイルにじみが気になってきたミッションのオイルシール交換や、フロントフェンダーダクトの追加など、次なる作業の予定や構想も尽きないようす。
この日の午前中に行われたミーティング参加者限定パレードランでは、普段のメンテナンスの成果を確かめながら、仲間といっしょにランデブー走行を満喫していたのだった。
[ガズー編集部]
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