英国で出会ったレクサス・ISから始まったアルテッツァとのストーリー

  • GAZOO愛車取材会の会場である群馬県 つつじが岡公園で取材したトヨタ・アルテッツァ(GXE10)

    トヨタ・アルテッツァ(GXE10)

普段、何気なく目にしている国産車も、海外で出会うと新鮮に感じることがある。異国の街並みに溶け込み、現地の人が当たり前のように乗っている姿は、なぜか日本で見かけた時の印象よりも魅力的に映るものである。
特にその滞在期間が楽しい記憶に溢れていればなおさらで、帰国後にもそのクルマが記憶に残ることもあるだろう。

そんな海外での出会いと思い出をキッカケに、1999年式のトヨタアルテッツァAS200(GXE10)を手に入れ、2006年から現在まで仕事からプライベートまでフル活用しているのがaki217akiさんだ。

1998年にデビューしたアルテッツァは、FRレイアウトが採用されたスポーツセダン。コンパクトなボディに軽量な4気筒エンジン3S-Gと6速マニュアルミッションを組み合わせたパッケージングは、現在でもドリフト競技を中心としたモータースポーツのベース車などとして使われ、多くのファンも存在している。
しかし、『欧州Dセグメントにも対抗できるモデル』という役割も担っていたため、4気筒エンジンだけではなくプレミアム性を高める6気筒エンジンを搭載したモデルも用意されていた。さらに海外市場では、レクサスブランドから『IS』のモデル名で6気筒搭載車のみが販売されたことから、欧米ではプレミアムカーとしての印象も強い。

aki217akiさんとアルテッツァとの出会いは大学生時代の留学先だったイギリス。現地では『LEXUS・IS』として販売されていたクルマを見かけたのがすべての始まりだった。

「はじめて見たときの印象は『カッコいいクルマだな〜』って、今考えれば一目惚れだったんですよ。そのスタイリングの良さに興味が湧いたのでレンタカーを借りてドライブしてみたのですが、エンジンの音とかがすごく滑らかで、比較的コンパクトなセダンなのに本当に高級車なんだって感動しましたね。帰国してはじめて公道を運転したのが、父が乗っていたソアラ(GZ20)だったんですけれど、同じようなエンジンのフィーリングを感じて、イギリスで乗ったISを思い出しちゃいました。その後、自分のクルマとしてカローラレビンを購入したんですが、やっぱりフィーリングが合わなくて、6気筒エンジンを搭載したアルテッツァを探すようになったんです」

aki217akiさんが最も興味を持ったというアルテツァのスタイリングは、日本カーオブザイヤー受賞のほか欧州でも高い評価を得ていることでも証明されている。特にユーロテールと呼ばれるテールランプデザインは、同世代のアフターマーケットにも大きな影響をもたらしたほどだ。
この特徴的なテールランプはaki217akiさんとっても欠かすことはできず、これまで3回ほど純正品を交換して美しいコンディションをキープ。同様にヘッドライトも2回交換するなど、この世代の泣き所でもある樹脂レンズの黄ばみ対策も完璧にフォローしている。

スタイリングとともにaki217akiさんがこだわるのが1G-FEエンジン。2.0リッターの直列6気筒エンジンは、トヨタを代表するユニットとしてマークⅡ三兄弟やクラウンなどにも搭載された伝統のエンジンだ。
アルテッツァに搭載されるのは、BEAMS VVT-iとなった最高出力が160psまで高められたモデル。軽量な4気筒の3S-GE搭載モデルがスポーツセダンなら、1G-FEを搭載するモデルはグランドツーリングといった具合に、キャラクター分けされているところも特徴といえる。

そんな高級感とスポーツ性を併せ持つグランドツーリングだけに、購入後は家族や友人と各地へのドライブやミーティングへの参加も積極的に楽しんだという。
特に想い出に残っているのは鈴鹿サーキットを走行するイベントへの参加。地元の埼玉県から鈴鹿サーキットまでドライブを楽しみながら、鈴鹿の国際コースまで満喫できたのはこれまでにない経験だったとのこと。他にも愛知県のトヨタ博物館で行なわれたアルテッツァミーティングへの参加など、長距離ドライブでも疲れ知らずだ。現在でも仕事やボランティア活動などで、都内や群馬県内を縦横無尽に走り回っているそうだ。

そんな愛着やこだわりが詰め込まれたアルテッツァながらも、一時期は乗り換えを考えたことが…というのも、5年ほど前に台風の被害で塗装が大きく剥がれてしまい、時を同じくしてナビゲーションユニットまで壊れてしまったため、もう潮時かなと感じていたという。

「もともとアルテッツァに付いていたのは純正カーナビだったんですが、これがCDナビという年代モノで…。購入した段階で最新版(最終版)のソフトに交換したんですが、このナビが壊れてしまい修理も不可能と言われてしまったんです。正直、不自由はありましたがやっぱり純正のままで乗りたいという気持ちで使い続けてきたので、ナビが壊れたことで『さすがにもう乗り換えなければいけないかな?』って気持ちになってしまったんです。ところが、塗装代とカーナビの交換費用を今は亡き父がポンッと出してくれたんですよ。こうなると乗り換えるなんてできなくなっちゃいますよね。だから今は非純正ですが10インチのナビをインストールして、全国どこへでも快適に行けるように進化させました」

このようにオリジナルを大切にしながら乗り続けているaki217akiさんのアルテッツァだが、要所にはTRDのパーツも散りばめられている。
特にマフラーは車体以上に付き合いの長いアイテムだそうで、車両購入を踏み切るために、なんとアルテッツァを探しはじめた段階で先行購入したというのだ。
「日本に帰国して、一度アルテッツァを借りて乗ってみたんですが、なんだか音が今ひとつで、調べてみたら3S-GEも1G-FEも純正では同じマフラーみたいだったんです。これはイギリスで感動したISとは何か違うなって思ったので、まずはTRDのマフラーを購入しました。まだクルマを購入する前だったので、しばらくはマフラーだけが家にあったという状態でしたね(笑)。でもそのおかげで、希望通りの1G-FEを搭載したアルテッツァを見つけた時は、迷うことなく購入に踏み切ることができました」

そのほかにも、改造ではなくあくまでも純正のブラッシュアップとして、シフトノブやフューエルキャップ、スタビライザーやドアスタビライザーなど、各部にTRDパーツを組み込んでいるという。
アルテッツァは2005年に製造が終了しているが、そこが完成形ではなく『現在も進化を続けている』と想定したカスタマイズなのである。そのため、トヨタ直系ブランドのパーツを選ぶということは、aki217akiさんにとって重要な意味を持っているのだ。

というわけで、一部社外パーツは装着しているものの、ほとんどのアイテムは純正オプションとしてラインアップされていたもの。中には超レアパーツも組み合わせていて、他のアルテッツァオーナーも垂涎のアイテムが装着されている。
特に自慢のアイテムが、後期モデルにオプション設定されていたスタータースイッチ。このパーツはキーをONまで回してからスイッチを押すとエンジンがスタートする、現在標準装着されるスタータースイッチの原型だ。

他にもオプションパーツやレクサス・IS純正パーツを導入しているのも見どころ。手に入れたアルテッツァがイギリスで乗ってみたISとの違いが大きかったため、違っている部分を見つけてはIS純正パーツを流用しているのだとか。

「ドアを開けたらすぐに見えるスカッフプレートは、アルテッツァは樹脂製が付いていたんです。だからクルマを買ってすぐにIS用を取り寄せて装着しました。他にもトランクアームのカバーやネットなどもISから流用しています。その他、アルテッツァのオプションとして用意されていたゴミ箱なんかは、今ではなかなか見られないパーツだと思います」

様々なオプションやIS純正パーツを取り入れる中、アルテッツァ純正オプションで用意されていたシートカバーもお気に入りのアイテム。仕事で取引先の人やモデルさんなどを乗せる機会があるため、高級なイメージを高めてくれるアイテムは重宝するのだとか。

そんなアルテッツァの走行距離は現在17万キロに達している。そのためサスペンションのショックアブソーバーには、純正形状を採用するカヤバ・ニューSRをセット。抜けてしまったノーマルのショックアブソーバーと比較するとその乗り味は若干スポーティな印象へと変化したが、アルテッツァのキャラクターにもマッチしているため、その満足感は高いという。また、キズなどのダメージが加わりやすい純正ホイールは、コンディションの良いものを見つけて交換。キレイな状態を維持するために、各所パーツ交換も積極的に行なっているのだ。

「乗り始めるキッカケこそイギリスでの出会いだったんですが、このアルテッツァに乗りはじめて色々な想い出ができました。中でも亡き父とドライブした記憶や『好きなクルマに乗り続けるなら』って、修理費用を負担してくれた親の思いやりっていうか。そんなかけがえのない想い出が詰まっていると、もはや乗り換えるなんてできないですよね。ひょう害にも2回ほどあっていますが、いずれもデントリペアで直していますから、この先に何があっても乗り続けていくのかなって思っていますよ(笑)」

留学先での記憶とともに、日本でも積み重ねてきた想い出の数々。アルテッツァとともに歩んだ時間は、aki217akiさんにとって忘れられないものとなっている。それだけにこれからも共に歩んでいく相棒として、変わらぬコンディションを維持し続けていくのであろう。

(文: 渡辺大輔 / 撮影: 平野 陽)

許可を得て取材を行っています
取材場所:つつじが岡公園(群馬県館林市花山町3278)

[GAZOO編集部]