シャア専用オーリス2台持ち!憧れの愛機と過ごす幸せカーライフ

  • GAZOO愛車取材会の会場である群馬県 つつじが岡公園で取材したトヨタ・シャア専用オーリス

    トヨタ・シャア専用オーリス



現在のトヨタ・カローラスポーツの前身と言われている5ドアハッチバックコンパクトカーのオーリス。中でも2012年から2018年まで発売された2代目に、ガンダム好きが多い年代層の心を鷲掴みにした『シャア専用オーリス』という、カスタマイズコンプリートカーがあったことをご存じだろうか。
今回ご紹介するのは、そんなシャア専用オーリスに魅了され、なんと2台も所有する『百式』さんだ。

シャア専用オーリスは、イベントに出展したコンセプトモデル「シャア専用オーリス MS-186H-CA」を市販化したものだ。市販化にあたっては機動戦士ガンダムに登場するモビルスーツメーカー『ジオニック社』が技術提携しているという設定で『ジオニックトヨタ』というバーチャルカンパニーを立ち上げ、『社員』として登録した一般ユーザーたちから、そのコンセプト作りやデザイン案を募ったのである。

そうして2013年10月に初代『シャア専用オーリス』が完成。さらに初代の好評を受け、マイナーチェンジ後の2015年には2代目の『シャア専用オーリスⅡ』が発売されるに至った。その初代と2代目の両方を所有している百式さんは、なぜこれほどシャア専用オーリスにハマったのだろうか。好きになったきっかけや魅力を語って頂いた。

大学はモーターサイクル部に入っていたほどクルマやバイクが好きだった百式さんがオーリスに興味を持って試乗したのが、2015年のこと。

「昔、父が古いBMWに乗っていて、自分もヨーロッパのクルマに憧れがあったんです。でもBMWだと維持やメンテナンスに相当な維持費が掛かってしまうと思い、ヨーロッパテイストのクルマで、海外で先行発売されていたオーリスが気になったんです。それで2015年にオーリス試乗キャンペーンに行き、1.2リッターターボ搭載車と1.5リッター、さらに1.8リッター搭載の3台を乗り比べてみたんです。そこでダウンサウジングターボの採用で1.5リッターモデルよりも燃費が良く、1.8リッターのパワーと比べてもほとんど遜色のない1.2リッターターボモデルがすごく気に入って、いつか乗りたいなと思ったんです」

「さらに当時はシャア専用オーリスⅡが限定300台で発売されたタイミングで、自分はガンダム好きでもあったので、その展示車両を見に行ったんです。そこでデザインも去ることながら、特に特別仕様のシートが気に入って、どうせならこの1.2リッターターボベースのシャア専用モデルに乗りたいと思たんです。しかも、アンケートに応えたお礼で50名しか当たらないジオニックトヨタキーケースも当選。余計に欲しくなったんですが、当時は高額で、すぐには手が出なかった。だからお金を貯めて何年かしたら買おうと決めました」

しかし、2018年にやっとお金が貯まった頃にはすでに新車もなく、中古車情報を探してもなかなかシャア専用オーリスは出てこない状態に…。そんな時、たまたま近所のトヨタディーラーで、初代シャア専用オーリスの中古車が販売されているのを発見! 実際に見にいって即決に至ったという。

「ただ、この時購入した初代の『シャア専用オーリス』は、欲しかった1.2リッターターボ仕様はなく、1.5リッターモデルだったんです。1.5リッターモデルも乗ってみたらすごく気に入ったのですが、それと同時に、ますます1.2リッターターボベースの2代目シャア専用に乗りたくなってしまって…(笑)。それからも諦めずに探し続け、2021年に遂に一番欲しかった1.2リッターターボベースのシャア専用オーリスⅡを購入することできました! 5年越しの夢を叶えることができたんです」

百式さんが購入したのは2015年式の2代目オーリスのシャア専用オーリスⅡで、1.2リッターターボ搭載のAT車だ。そしてパッと見で目を惹きつけるのは何よりもその外装だろう。
というのも百式さんが購入した車両は、前のオーナーの手によって元々の赤メタリックよりもさらに光沢感があり華やかな赤でフルラッピングされ、そこにシャア専用オーリスⅡ純正デカールが貼り直されているというこだわりの仕様。そのインパクトは半端ではない。

「昔、模型屋をしていた時期もあって、当然ガンプラも好きでした。初代に乗って目立つことに対する免疫もついていたので、デカールには抵抗はなかったですよ。デザインも気に入っていたし、乗り味も良かったのですごく気に入りました。ただ、残念ながら妻は恥ずかしいって乗ってくれないですが…(苦笑)。それともうひとつ嬉しかったことがあるんです。それはオーリスに乗りたいと思うキッカケでもあった『オーリス専用・スマートキー用キーケース』がやっと使えたことです。1台目の1.5リッター、シャア専用ではサイズが合わなかったので」

こうして念願の愛車、シャア専用オーリスⅡを手に入れた百式さんは、もちろんジオニックトヨタの“社員”にもなり、撮影会当日は社員の証でもあるポロシャツ姿を披露。そんな氏に、愛車のお気に入りポイントを伺った。

「やっぱり一番はこの専用シートですね。モデリスタのコンプリートカーだけあって、ギックリ腰をして腰痛持ちの自分にとっても座り心地が良いですし、デザインも気に入っていますので!」

そして筆者が興味津々で眺めていると、この愛車のポイントを色々と説明してくださった。

「自分が購入してから手を加えたのはこのボンネットの黒いカバーです。ラッピングの劣化隠しとちょっとカッコいいかなって思って追加してみました。それ以外はすべて前オーナーさんがカスタムしたものばかりで、ホイールも元々シルバーと赤のツートンだったものを、前のオーナーさんが赤く塗装したみたいです。それに内装もすごくて、フロアマットやシフトノブはもちろん、シートを動かしたりエンジンをかけたり、ドアの開閉時なんかにギミック音がするんですよ。モビルスーツの起動音だったりとかね。今、ちょっと音を出しますね…」

活き活きと遊び心あふれる愛車の話してくれる百式さんは本当に楽しそうで、心底このクルマが好きなのだなと感じた。そんな百式さんのご自宅には、仕事用に『ミライ』と『ミゼット』を、奥様用に三菱の『アイ』、そしてシャア専用オーリスが2台あり、オーリス2台は完全プライベート用として、主にオフ会などで活躍しているそうだ。

「オフ会には、いつもこのシャアザクヘッドのビニール人形を持っていきます。このイラストは、年に3、4回開催される奥多摩のミーティングに来てくれる方が、自分の愛車を描いてくれたんですよ。あとオーリスのファンクラブがあって、その全国オフ会がトヨタ博物館であったんですけど、そこには自分以外にシャア専用オーリスが2台来ましたね!」

そんな数々のエピソードからは、この愛車のおかげで百式さんのカーライフが充実していることがしっかりと伝わってくる。

また、この日持参してくれたコレクションの中にあったガンプラを見て、模型屋さんをはじめとしたお仕事の経緯についても伺ってみた。

「ガンプラって、子供の頃は欲しくても買えなかったんですよ。で、買えないんだったら自分で模型屋さんをやれば、ほら、いつでも見れるでしょ。まあ、お客さんに売らなくちゃいけないんですけどね(笑)。模型屋さんは37歳くらいまで6年間やっていましたね。その他は、観光バスの運行管理やレンタカー屋さんなど、大好きなクルマに携わる仕事を色々とやってきました」

このクルマに乗るようになってから3年経った今、もう1台のオーリスとの違いも含め、どのように感じているのか尋ねてみた。

「オーリス2台は、ダブルウィッシュボーンとトーションビームでそれぞれリヤサスペンションが違うんです。その乗り心地が違うって特性の違いがわかるし、どちらもすごく楽しいですね。乗り味はこの1.2リッターターボが一番です。トルクがあって、エンジンをそんなに回さなくても1.8リッターのクルマに乗っているくらいの感覚です。見た目の好みは、正直外装は初代が好きで、内装はこの2代目が理想です」

「じゃあこのラッピングを剥がせば良いのではと思うかもしれませんが、それでも外装は初代と同じにはならないので…。まあ、これはこれで気に入っているので良いんですが、ラッピングが劣化してきてしまったので貼り替えないといけない時期なんですが、けっこう高額な費用が掛かってしまうので、どうしようか悩んでいる最中です」

「シャア専用オーリスは、やっぱり人生を楽しくしてくれるスパイスと言うか、材料というか道具というか、愛機ですよね。あ、あとですね…本当は俺、パイロットになりたかったんですヨ!」

百式さんを取材して感じたのは、興味のあることや好きなことに真っ直ぐで、それを思い切り楽しんでいるという姿勢だ。憧れのパイロットにはなれなかったかもしれないが、これからもそれに匹敵するくらい、充実したカーライフを送り続けてくれるだろう。

(文: 西本尚恵 / 撮影: 中村レオ)

許可を得て取材を行っています
取材場所:つつじが岡公園(群馬県館林市花山町3278)

[GAZOO編集部]