こだわり満載のGRヤリスは「人との繋がりを運んでくれる恋人」

  • GAZOO愛車取材会の会場である群馬県 つつじが岡公園で取材したトヨタ・GRヤリス(GXPA16)

    トヨタ・GRヤリス(GXPA16)

愛車の楽しみ方は人それぞれだが、SNSやオフ会などで同じ趣味を持つ友人や仲間との交流は、カーライフの楽しみを倍増させてくれる手段のひとつである。
トヨタGRヤリス RZ ハイパフォーマンス(GXPA16)のオーナー『KP』さんも、全国各地で開かれる仲間のオフ会に積極的に参加し、GRヤリスに力を注ぐメーカーやカスタムショップの関係者さんとも良好な協力関係を築くなど、人と人との繋がりを大切にすることで充実したカーライフを送っているオーナーさんのひとりだ。

「あー俺のクルマ、やっぱりメッチャかっこ良いな! ホント、ただ眺めているだけでも十分満足できちゃいますよ!!」
愛車を眺めながら、嬉しくて仕方がないといった感じでニコニコ話してくれるKPさん。モスグリーンの落ち着いたカラーリングに力強さを備えたスタイリッシュなエアロパーツ、そしてスポーティなホイールやウイングなどなど、見慣れているはずのご本人が何度見ても惚れ直すほど、こだわりと愛情がたっぷり注ぎ込まれていることが伝わってくる。

若い頃はMR2、スカラインGT-R、シルビア、ランサーエボリューションなど、数々のスポーツカーを乗り継いできたというKPさん。そんな彼がGRヤリスを購入したキッカケは、東京オートサロン会場での一目惚れだったという。

「昔からハッチバックのスタイルが一番好きで、4年前の東京オートサロン会場で、初めてGRヤリスを見た時に好みとドンピシャだったんです。本当はすぐに買いたかったんですけど、3人の子供のうち、上2人が社会人になるまでは乗るのを我慢して、2年半前にようやく購入しました。それともうひとつ大きな理由があって、実は嫁さんとお義父さんの勤め先がトヨタ関係で、長男、次男もトヨタディーラーの整備士と、僕と娘以外の皆がトヨタ関係なんです。そうなると選択肢はトヨタ車になってくるわけで、なかでも当時モリゾウさんが熱意を持ってGRヤリスの説明をしている姿を見て、これにしようって」

そうしてKPさんが新車で購入したのは、GRヤリス RZ ハイパフォーマンス。ボディカラーはエモーショナルレッドで、TRDエアロを装着し、ダウンサスとホイールを交換した状態で納車されたという。さらにその1週間後にはサードのウイングを装着し、さらにスポーティなルックスへと変身したそうだ。

「購入してからしばらくは1人で出かけることが多かったんですが、たまたまSNS上で繋がったGRヤリスオーナーとの交流をキッカケにオフ会をやったんですよ。そしたら40台くらい来てくれたんですよ。それからというもの、オフ会をやる度に参加台数はどんどん増えていきました。そして自分も愛知や奈良、北陸や長野などいろんなところで開催されるGRヤリスのオフ会に行くようになりました。趣味のサッカーの試合がない時ならば、行けるところであれば参加しているといった感じです。仕事も営業職なので、人との交流が好きなんですよね!」

そうしてミーティングやオフ会に参加したり、時には運営側として活動したりと楽しんでいくうちに、GRヤリスのカスタムパーツ開発に積極的なプロショップで仲間でもある『72ファクトリー』、そして『アペックス』や『サード』といったパーツメーカーの営業さんとも良好な関係を築いていったという。

しかし、そんな充実したカーライフに暗雲をもたらしたのが、昨年起きた事故だった。
「フレームまで歪んでしまった事故は、ディーラーからは廃車にして買い換えを進められる程でした。そこで大切なGRヤリス仲間の72ファクトリーさんに相談して、修理とカスタムを兼ねて復活させてもらうことにしたんです。その際、フロントフェンダーとボンネット、リヤのテールゲートを72ファクトリーのオリジナル製に。車高調をアペックス製に交換してもらいました」

「作業をお願いした72ファクトリーさんの作品は、エアロをはじめ何から何までポルシェをオマージュしているんです。ですので、ボディカラーもポルシェと同じモスグリーンでラッピングしてもらいました。僕としてはもっとメタリック系のグリーンが良いかなと思っていたんですが、嫁さんと72ファクトリーさんが絶対この色がいいって言うので…」

「けれども、仕上がりを見たら想像の斜め上をいく良さだったので、このカラーにして良かったと心底思いました(笑)。72ファクトリーさんのテールゲートは、僕が世代的にベタ付けのリヤウイングが好きだったので、それを作らない? っていう話になって、作ってくれました。ボンネットもお店のワンオフ品です。中でも僕の一番のお気に入りは、なんといってもこのフロントフェンダーですね。72ファクトリーさんが考え抜いてくれたフェンダーダクトがめちゃくちゃカッコよくて最高なんです!」

また、このほかにもKPさんがこだわっているのがアルミホイールだ。
「納車前に8本用意したくらいアドバンのTC-4がめちゃくちゃ好きで。でも納車時はフロントホイールが収まらなかったので、違うサイズをさらに買い足したりして、一時期は12本持っていました。アペックスの車高調に変えた今は、当初のサイズがフロントにも入るようになったので、追加購入した分は後輩が使っていますね」
そのほかにも、もともと装着していたサード製ウイングは、この撮影会の直前に新作のステーを装着。エアクリーナーもお世話になっているGRガレージでオススメされたHKS製に交換したという。さらに、ロッソモデロ製のワンオフマフラーも製作を予定しているなど、良好な関係を築いたメーカーさんのパーツを積極的に追加しているあたりも“KPさんらしい”と言ったところだろう。

そんなKPさんは、事故から復活後にお世話になった方々への感謝を込め、長野県の天竜峡でオーナーズミーティングを開催したという。

「GRヤリスの修理中に、天竜峡で開催するというオフ会に誘われて、娘のアクアで妻と3人で参加したんですが、そこでみんなと仲良くなり、その場所が貸切できることを知って、自分のクルマでも大きなオフ会をやってみたいなと思ったんですよね」

「どうせならお世話になった方へのお礼も兼ねて無料で皆さんを呼びたいとXで呼びかけ、長野や関東の仲間にも手伝ってもらって開催したんです。お世話になっているメーカーさん方も皆さんいらしてくれて、GRヤリスも100台以上集まってくれたんですよ! 仲間や繋がりってすごいなと思いました」

個人で100台規模のオフ会を開催し、そして成功させることができたのは、紛れもなくKPさんの人徳があってこそだろう。
「振り返ると、事故がキッカケでいろんな人が心配してくれて、出会った仲間がいっぱいいて、気の合うYouTuberとも出会えた上に、思い切ったカスタムもしてしまった。事故は良くない事ですが、外に出ていくキッカケというか、大きな転機になったのは確かです」

「僕にとってこのGRヤリスは相棒というより恋人ってかんじですね。実はこのヤリスでは2回事故しているんですけど、2回とも前の日に他のクルマに乗っていたんです。1回目の事故の前は80スープラに、2回目の時はフォルクスワーゲンのゴルフRに乗っていて『いいな』と思っていたんですよ。だからヤキモチ妬いたのかなって(笑)。なので、それからは他のクルマには乗らないようにしています」

これからもこのGRヤリスは、KPさんにとっていつまでも見惚れていられるくらい大好きな『恋人』であり、大切な人や仲間たちを繋ぐ『絆の証』であり続けていくことだろう。

(文: 西本尚恵 / 撮影: 中村レオ)

許可を得て取材を行っています
取材場所:つつじが岡公園(群馬県館林市花山町3278)

[GAZOO編集部]