陰キャだった自分が今ではYouTuberに!人生を変えてくれたロードスターとの出会い

  • GAZOO愛車取材会の会場である宮城県東松島市のKIBOTCHA(キボッチャ)で取材したマツダ・ロードスター

    マツダ・ロードスター



新世紀エヴァンゲリオンのキャラクター、惣流・アスカ・ラングレーのコスプレで登場してくれた、マツダロードスターオーナーの『めさん。』。
YouTubeチャンネルの『めさん。ロドちゃんネル』を運営するYouTuberとしても活動しており、ロードスターで参加したイベントや装着したパーツの情報など「人生を変えてくれた」と語るほど愛着のあるロードスターに関する配信を行なっている。

実はコスプレはこの日が人生初。「すごく恥ずかしいです(笑)」と顔を赤らめるが、いやいやどうして。髪の色からつま先までシンクロ率100%なアスカっぷりで、まだYouTubeで披露していないのがもったいないほどだ。

コスプレするキャラにアスカを選んだのは、ソウルレッドクリスタルメタリックのロードスターをエヴァ弍号機に見立ててのことだが、ロンギヌスの槍も手に取り、初対面であるわれわれ取材班のATフィールドもすっかり粉々にされてしまった。

「コスプレを薦められたのは、山形県の愛車広場出張取材会で取材されていた、アバルト124スパイダーのオーナーさんなんです。同じ東北のオープンカー乗りとして繋がりがあって、今回私がロードスターで出させていただくことになったら『絶対コスプレして目立った方がいいよ!』と猛プッシュされました(笑)。本当に恥ずかしくて最後の最後まで躊躇していたんですけど、思い切ってやってみました!」

めさん。のカーライフは、まさにこの『思い切ってやってみる』というマインドが指針となっており、聞けば聞くほど、その行動力には驚かされてしまう。
「実はもともと陰キャで、ひとりでいるのが好きな方だったんです。クルマや運転にもまったく興味ありませんでした。昔、倉庫作業の仕事をしていた時にフォークリフトの免許を取ったんですけど、それも単に時給がいいからっていう理由で、別に乗り物に興味があったからではないんです」

「普通免許も最初からMT車を運転できる状態ではあったんですけど、ずっと兄が持っていたAT車のマーチに乗っていて、特にMT車を運転したいとも思っていませんでした。でもある時、職場に来る大型トラックの女性ドライバーさんがすっごくカッコ良く見えて、私もああなりたい! って思ったんです。トラックって運転している間はひとりでいられるじゃないですか。だからインドア派の私にもぴったりだなって。それで大型トラックの免許も取って、今ではそれが仕事になっています(笑)」

ということで、実はめさん。の本業はトラックドライバー。10トントラックを転がすトラック野郎ならぬトラガールとして、東北近県の配送業務に携わっている。つまりMT車の操作は、普通車よりも先にトラックで覚えたというわけで、トラックの運転に慣れれば慣れるほど、プライベートでもMT車に乗りたい気持ちが高まっていったそうだ。

「それで何かいいクルマないかな〜って探していたら、ロードスターを見つけて、もうあまりのカッコ良さに一目惚れしました。で、そのまま何の予備知識も持たずマツダのディーラーに行って、試乗もせずに契約しちゃいました(笑)。我ながら計画性ゼロだなって思いますけど、ロードスターと出会ったことで遠出する機会も増えましたし、YouTubeも始めることになって本当に人生が180度変わりました」

めさん。の愛車であるND型ロードスターは、2021年12月の商品改良の際に追加された『990S』という特別仕様車。最軽量グレードの『S』をベースに、レイズ製の鍛造16インチアルミホイールZE40 RSを採用することで1本あたり約800g、合計約3.2kgの軽量化を実現。バネ下重量を軽減して、より軽やかな走りを獲得している。

サスペンションや電動パワーステアリング、1.5リッター直4のエンジン制御には990S専用のセッティングが施され、フロントブレーキにはブレンボ製の対向4ピストンキャリパーと大径ベンチレーテッドディスクを装備。『軽さは正義』を地で行く走りは多くのメディアで絶賛され、ND型ロードスターのベストバイとして推す向きも少なくない。

そんなロードスター990Sを手に入れた彼女は「想像していたよりも乗り心地が良くて、こんなに自分が思った通りに動いてくれるクルマがあるんだって感動しました。いわゆる人馬一体を実感します。最近は他のスポーツカーを運転させてもらう機会も増えたんですけど、やっぱりロードスターが一番だと思います!」とベタ惚れだ。

エンブレムをピンクにするなど、手軽なところからカスタマイズにも着手しためさん。は、YouTubeを始めたことで『こんなパーツがあるよ』と情報をもらったり、自作のパーツをプレゼントされることも増えたそう。エンブレムとコーディネートされたピンクのアンテナも、ロードスター乗りの知人が自作してくれたものだ。

「ホンダのS660のエンブレムをひっくり返して付けると『990S』って読めるよ、というのもロド仲間さんから教えてもらいました。助手席前のインパネに付けてみたんですけど、こんな風に自分好みに飾れるところもロードスターの魅力だと思います」

シートメーカーのBRIDEが小柄なドライバー向けに開発したフルバケットシートの情報も知人から教えてもらい、調べてみたらちょうどロゴやステッチもピンクで『私のためにあるシート!?』と、運命を感じて即買いしたそうだ。

メーター回りやエアコンの操作ダイヤルをスワロフスキーなどでデコるなど、女性らしい一面を見せる一方、さすがはトラックドライバーと思わせる特注の水中花シフトノブも装着! 実は夜の車内を赤く照らすLED照明もDIYで配線されており、デコトラのスピリットも注入されている。

オープン走行時における風の巻き込みを防ぐ目的で、左右シート間の後方に取り付けられるウインドブロッカーもピンクで製作。YouTubeを観てくれているファンの間では、『めさん。と言えばピンク』というイメージがすっかり定着しているそうだ。

990Sが標準でレイズのホイール、ZE40 RSを装着していることは既に触れたが、実はめさん。のロードスターが装着しているホイールは、同じZE40のTIME ATTACK EDITIONという限定品。リムに赤いラインとマシニングロゴが入るのが特徴で、純正で履いているのと同じモデルの限定品を装着しているところが自慢ポイントである。

それらのパーツを購入したり、装着したりしている様子はYouTubeでも紹介され、ミーティングの参加レポートなどと並ぶ人気コンテンツとなっている。
めさん。がYouTubeを通して実現したい夢や目標を聞いてみると「東北のロードスター乗りを盛り上げること!」と答えてくれた。

「以前に地元宮城の利府町で町おこしミーティングを主催したことがありまして、その時は100台くらい集まってもらいました。今度は女川町でも復興支援ミーティングを開催する予定です。ただ、他の地域と比べると東北のロードスター人口はまだまだ少なめで、私は東北代表ロドチューバーとして、もっともっとロードスター乗りの仲間を増やしていきたいんです」

「仕事でトラックに乗っていた時に、隣に止まっていたトラックのドライバーさんに『YouTubeやってるロードスター女子じゃない?』って、身バレしたことが一度だけありまして(笑)。『俺もロードスター乗ってるよ!』って言ってもらえて、すごく嬉しかったですね。もともと引っ込み思案で、ひとりでいたかったからトラックドライバーになったはずなのに、ロードスターに乗るようになったおかげで人と話すのも大好きになりました」

「仕事をしながらYouTubeの撮影と編集もこなすのは、なかなか忙しくて正直大変なんですけど、人生一回っきりだし、やりたいことをやらなくちゃ! という気持ちでやってます(笑)」

「いつかクレープ屋さんを開業するのも夢のひとつなんですけど、夢が叶ったらロードスターのミーティングで振る舞いたいですね。私の人生を激変させてくれたロドちゃんには、一生乗り続けます!」

めさん。がロードスターと出会って1年半。世界がそれまでとは違った色彩で見え、「YAEH(ヤエー)!」と叫びたくなるほど、風は爽快だ。さあ東北のロードスター乗りたちよ、猪突猛進のロードスター女子に続け!!

(文: 小林秀雄 / 撮影: 平野 陽)

許可を得て取材を行っています
取材場所:未来学舎 KIBOTCHA(宮城県東松島市野蒜字亀岡80番)

[GAZOO編集部]