【素敵なカーライフレシピ #12】長い時をともに過ごしてきたご夫婦に寄り添うスポーツカー

オンとオフをしっかり支えてくれる愛車があるからこそ、充実した毎日を過ごすことができる。そんな満足度の高いカーライフは、まるでオーナーの人生を凝縮した一品料理のよう。

ひとりひとりのオーナーのカーライフの「レシピ」をご紹介するこのコーナー。今回は86の特別仕様車を愛車に選び、人生を謳歌する岡田恭治さんと京子さんご夫妻を紹介します。

ロケを行ったのは歴史と未来が入り混じる横浜のベイエリア。岡田さんご夫妻もよく出かける人気のドライブスポットです。

愛車は2015年の4月に発売された86スタイルCb。Cbは「クールビューティ」という意味で、丸みを帯びたヘッドライトや貴金属のようなきらびやかな外装パーツを備えた、女性を意識したモデルです。

オレンジ色の朝日に照らされた岡田さんご夫妻の86スタイルCbは見るからに流麗。標準車の86とは一味違う存在感を醸し出しています。

岡田さんご夫妻は現在、子育てを終え、2人の時間を楽しんでいる真っ最中。86スタイル Cbに乗り換えるまではミニバンを乗り継ぎ、子育て中心のカーライフを送ってきました。

「子供が隣のクルマにぶつけてしまうので、子育て中は全部スライドドアのクルマに乗ってきました。で、子供ふたりが独立したので、好きなクルマに乗ろうと。そのタイミングでスポーツカーに乗りたいという気持ちになりました」(恭治さん)

見逃せないのは、86スタイルCbを選んだのが奥様の京子さんという点。京子さんは、恭治さんと一緒に住んでいたアメリカのニューヨークで運転の楽しさに目覚めたというクルマ好き。
恭治さんはスポーツカーなら86がいいと提案しましたが、京子さんは「フェアレディみたいなのがいい」と切り返し、賛同は得られませんでした。
しかし、しばらく経ったある日のこと、京子さんがたまたまインターネットで86スタイルCbを見つけ、状況は一変します。

「これならいいよ。見てみたいって言ったんです。高級なスポーツカーは大体男性が1人で運転していることが多いですが、86スタイルCbは女性目線というのがすごく強調されていて、そこが一番惹かれました。Cb(クールビューティ)という車名も女性に響きやすいですよね」(京子さん)

ディーラーで実車を見ることはできなかったものの、標準車の86を試乗して契約。2015年の7月に納車されました。ボディカラーは京子さん念願の赤!(ピュアレッド)

「今までのクルマがシルバーなどの地味な色だったので、明るい色に乗りたいなと思って。赤のスポーツカーに1回乗りたかったんです。どうせ乗れるんだから、実車を見なくても失敗はないんじゃないかと思い契約しました」(京子さん)

気になるのは標準車の86を購入するつもりだった恭治さんの心境。86スタイルCbは確かに86ですが、スポーツマインドを前面に押し出した標準車とはキャラクターが異なります。京子さんに押し切られた格好ですが、本音はどうなのでしょうか?

「私は標準車の形を気に入っていたので、最初は標準車がいいと言いました。しかし、女性が主体のスポーツカーもやはりいいなと思い、同意しました」(恭治さん)

86スタイルCbの走行距離は伸び続け、現在の走行距離は約6万km。年1万kmのペースは、多くの86のオーナーの中でも走っているほうです。

平日は京子さんが片道30分程度の通勤に使用。週末はご夫妻でドライブに出かけている他、3ヶ月に1回ぐらいの割合で、泊りの旅行にも出かけています。旅行先は軽井沢、那須、千葉、伊豆など。遠方では三重の伊勢志摩まで行きました。

京子さんに86スタイルCbの満足度をうかがってみました。

「満足しています。ただ、スポーティなクルマなので、ファミリーカーよりも乗り心地が少し劣るかもしれません。高速での路面の継ぎ目、全部感じますね。それがいいという人もいますが、後部座席に乗った人からのクレームが入ることも……。後ろに乗ると頭に光が射しますし。でも、それがメインの使い方ではないので。高速に乗っている時やドライブしているときは好きですね」(京子さん)

「私も同じ感想です。長距離の時は低反発のマットを敷いて乗っています」(恭治さん)

乗り心地に関しては、岡田さんご夫妻から少々辛口のコメントも。しかし、日常的に乗りたくないクルマなら、1年に1万kmのペースで走行距離が伸びるはずがありません。
実は86スタイルCbは、ご夫妻の共通の趣味である食べ歩きに欠かせないパートナーとして、大活躍しているのです。

「2人でおいしいものを食べに行くのが好きなんです。86スタイルCbはスポーツカーだからフットワークが軽いじゃないですか。ここに行くと決めたら、ぱっと行けるのが好きなので、このクルマを選んでよかったと思います。茅ヶ崎にある生しらすのお店とか、富津にあるアナゴのお店とか、クルマで行けるところばかりで、日帰りで行くことも多いです」(京子さん)

また、恭治さんはワインエキスパートの資格を持っており、旅先でワイナリーに寄ることも。山梨、長野、栃木など、いろいろなワイナリーを訪れています。
実用性のある86スタイル Cbの広い荷室が恭治さんのお気に入りで、ワイナリーで購入したワインをトランクに入れて帰ってくるそう。トランクは標準車と共通ではありますが、これも岡田さんご夫妻のパートナーとして、欠かせないニーズなのです。
2人で仲睦まじくワインをトランクにしまっている姿が目に浮かびます。

「ワイナリーに行く時は、どちらかが運転手になります。以前は私が飲ませてもらってましたが、最近は逆。私が運転手で奥さんが飲んでいます。私は自重しており、もっぱらそっちですね」(恭治さん)

ここまで話をうかがってきて、感じることはただひとつ。それは、恭治さんにとって始めの段階では不本意ではと思っていた86スタイルCb購入ですが、京子さんに気に入ってもらい、結果的には大成功だったのではないかということです。

「今楽しんでいます。今となってはレアなクルマですが、2人で楽しくドライブしていきたいと思います」(京子さん)

岡田さんご夫妻は2人の時間を楽しむために86スタイルCbを購入。まさに狙い通りとなりました。
今でも時々両親やお子さんを乗せる機会があるそうですが、「全員集合することはなかなかないですから」(京子さん)と、86スタイルCb のある生活をとことん楽しむつもりです。

「やりたいことをやって、おいしいものを食べて、楽しいことをして。いつ死ぬかわからないじゃないですか。だから楽しく生きたいと思うんです。何が起こるかわからないから後悔しないように生きたい。それだけですね」(京子さん)

一般的に夫婦は時を重ねるにつれ、出不精になっていくものですが、岡田さんご夫妻にそれは当てはまりません。しかも、ほとんどの外出がクルマ移動ということですから、86スタイルCb が果たしている役割は、まわりが考える以上に大きいでしょう。

86スタイルCb はまさに岡田さんご夫妻の人生を豊かにしてくれるスパイス。そして、今実践しているカーライフこそがレシピそのものです。

(文:奥野大志 / 写真:堤晋一)

[ガズー編集部]

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