中学生のころから憧れだった初代NSXのために専用設計のガレージ付きマイホームまで!2台を乗り継ぐオーナーの熱い想い
1990年9月に発売開始されたホンダ・NSX。世界初のアルミボディなど当時最先端の技術が採用されたミッドシップレイアウトのピュアスポーツカーです。
今回の主役はこの初代NSXをこよなく愛す土屋 努さん(47才)。NSXのために専用設計のガレージ付きハウスまで建ててしまったというほどのNSX愛あふれるカーライフについて伺いました。
――土屋さんがNSXに興味を持ったきっかけは?
中学生の頃に東京モーターショーで見た姿が衝撃的で「将来絶対に買ってやろう!」ってなぜかその時思ってしまったんですよね。
――中学生の頃からの憧れだったわけですね! 実際に手に入れたのは何才の頃ですか?
26才でした。免許を取ってすぐにでも欲しかったのですが、高かったのですぐには買えずに、JZA70型やJZA80型のスープラ、JZX90系のツアラーVといった具合で寄り道していました。
でもそうやってフラフラするなら、本命の初代NSXを思い切って買っちゃえ! という勢いで購入しました。
――おお~! ちなみに当時の購入価格は?
たしか600万円くらいだったかと。僕はクルマを買い替える方かもしれませんが、めずらしく長くて15年くらい乗り続けましたね。このNSXのために頑張って家も建てました。
――え!? NSXのために家まで!?
そうです。車体の長さに合わせたり、ドアも長いから横幅にも余裕を持たせたりと、NSXに合わせてガレージを設計してもらったんですよ!
――溺愛ですね! でも、その1台目は廃車になってしまったんですよね?
そうなんです。高速道路で事故を起こしてしてしまって…。
――15年近く乗った愛車がなくなってしまったのはショックですね。そのあとすぐに2台目へ?
いえ、その後は一旦別のスポーツカーに乗ってみたり、サーキット専用としてMR-Sに乗り替えてみたりもしましたが、自分の感覚と合わなかったというんでしょうか、どちらも1年乗るか乗らないかで手放してしまったんです。
――長年乗ってきたNSXの感覚が体に染み付いてたんですね。それで2台目を?
はい。やっぱりNSXの感覚が忘れられずに2台目を探しましたが、その頃はタマ数も減って価格も高騰してきたので流石に無理だなと思っていました。でも6年ほど前にたまたまカーセンサーに載っているのを見つけて、次の日には名古屋まで見に行ったんです。
実物を見るとものすごくボロいし、リメイクも大変そうだなと思ったんですけど、自分にとって最後のクルマだろうなと決めたので、とことん付き合おうと思って買いました。
――行動の早さにNSXへの熱い想いを感じます! 購入したNSXはどんな状態だったんですか?
1991年式のAT車で、ボディの艶はないしエンジンも不調でブレーキもダメだったし、ゴムなど消耗パーツの劣化も激しくて本当にボロボロでした。
だから納車されてからすぐにクルマ屋さんに預けて、車体を全部バラして、ゴムモールなど劣化した消耗パーツは全部交換してオールペンしてもらったんです。車体購入価格300万円のほかにリフレッシュ費用が140万円くらいかかりましたね。
もともとは深いグリーンだったんですが、F1で活躍したロータスホンダのキャメルイエローに憧れてこの色にしました。ダクト部分やボンネット、トランクの裏側も艶消しの黒にしたのはこだわりですね。
――まずはボディのリフレッシュから始めたわけですね! エンジンや足回りなども手を入れた感じですか?
そうですね。その翌年にはエンジンを下ろして消耗品系を全部交換してプチオーバーホールしました。車高調もお気に入りのメーカーのものを入れて、ホイールも昔から使っている大好きなBBSを履かせました。
それから、サーキットを走るのに必要な追加メーターを現代風にしたかったので、コンソールにタブレットを埋め込んで、バックカメラのモニターをつけるためにエアコンをグローブボックスに移設しています。
これはコロナ禍に自分でやりました。重整備はできないけれど、簡単な作業は自分でしています。
――現在は満足な仕上がりに?
はい! 完璧に走るまでにトータルで2年くらいかかりましたが、おかげさまで絶好調です。純正部品も値上がりしているので部品だけでも一体いくらかかっているんだろう…というかんじですけど(苦笑)
――お気に入りのNSXでどんな過ごし方を?
年3回くらいサーキットを走るのがメインですね。ツインリンクもてぎのライセンスをとってフリー走行枠などで走っています。あとは2週間に1回くらいはエンジンをかけてドライブに出かけたりしています。
――やっぱりサーキットで遊ぶのが楽しいんですか?
一番楽しいですね! バイクのような感覚で体にフィットして一体感があるところがすごく気に入っています。ステアリングを切ったら切ったぶん自分の体と一緒に曲がるというか。もともと車高が低くて車重が軽いのもあるんでしょうね。
いろいろなクルマやバイクに乗ってきたけれど、自分の中では一番で「また戻ってきたぞ!」という感じです。
――バイクにも乗っていたんですか?
はい。16才くらいから乗っていてレースにも出ていたんですけど、2年くらいで事故を起こしてしまい、その影響が少し残ってしまってからは離れていますが…。
――そうだったんですね。ところでNSXがサーキットメインということは、街乗り用のクルマも所有しているんですか?
はい。トヨタ・ハイエースとスズキ・ツインです。ツインが一番機動性があるので、普段はほぼツインに乗っています(笑)。
――真っ赤で小さくて可愛いですね♪
このツインは11年くらい前に、仲の良いクルマ屋さんの店頭に置いてあったのをノリで買ってしまったんですよ。AT車ですけど、公認をとってワゴンRのターボエンジンに載せ替えているので、ちっちゃくて速いんです。
――ハイエースはどんな使い方を?
キャンプや旅行用です。荷台がフラットになるから、そこに布団を敷いてサーキットのレース観戦にも出かけるので宿いらずですね(笑)。
――3台を使い分けて、充実したカーライフを送っているわけですね♪
はい。この3台の組み合わせが僕にとっては最強です。気持ち的にはNSXありきで、セカンドがハイエース、一番乗っているツインが3番目といった感じです。
――乗る頻度は少ないけどNSXが一番なんですね?
やっぱりモーターショーで出会ってしまったのが大きいです。初めは外見がカッコいいってだけだったけれど、乗ったら「なんじゃこりゃ!?」だった。ホンダのエンジンってすごいなって。そこには一度廃車にしてでも、また乗りたいと思える魅力があるんです。
――ちなみに、もしNSXがなくなったら…?
やばいですね。家を建てたのはNSXのためでしたし、1台目を潰してしまったときは泣きましたからね。なくなるのは考えられないな。僕にとっては大切な相棒なので。
今は絶好調なので、現状維持でコンディション良く保っていきたいという土屋さん。NSXは、これからも彼の1番の相棒でありつづけることでしょう。
(文:西本尚恵)
[GAZOO編集部]
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