いつの間にか6台!?次から次へと集まってきたロードスター達
友人がロードスターに乗ったことをキッカケに、自分も運転してみたいと思ったという「古其さん」。
若い頃に購入した1台目のロードスターを愛車として迎え入れたのは、2シーターでオープンになる所が魅力的だったからとのこと。
その後、2台目~6台目は、自分で購入したというよりは集まってきたという感じだったと話してくれました。
今回は、古其さん×ロードスター達のお話をお届けします。
――ロードスターが6台!すごいですね!
そう言っていただけてうれしいのですが、自分で購入したというよりは……気付いたら向こうから集まってきたという感じなんです(笑)。
今は旧車ブームということもあってそれなりの値段がしますが、28年前はそんなことなくて、廃車にするのにお金がかかるからもらってくれないか?くらいの感じだったんですよ。
実際に2台目のユーノスロードスターは、エンジンが壊れたから廃車にするよという個体を勿体ないからと引き取っているし、3台目は僕が所属しているロードスタークラブ会員の方が、廃車にするのにお金がかかるから引き取ってくれということで譲り受けています。
雨ざらしにはなってしまうのですが、幸い置く場所もあるし、それならともらったんです。
――なるほど。今となっては、とても信じられないです。
本当にその通りで、旧車の価格がこんなに上がっているのは僕も信じられないです。
――ちなみに、ほかのロードスターも全て譲り受けたものなのですか?
タダ同然でもらったのは、板金屋さんに邪魔になるから持って帰れと言われた5台目だけかな。4台目と6台目は、安かったですが自分で購入しました。
4台目は実家の近くにずっと売れていないNBがあって、NAしか乗ったことがなかったので運転してみたいと思い購入したんです。まぁ、今はナンバーも付けずに置いてあるんですけどね……。
――残すところの6台目はどこから買われたんですか?
ロードスタークラブ会員で新型の試乗会に行ったら、1人の方が乗ってすぐに契約しちゃったんですよ。それで、2台も持つことはできないから、初期費用14万で買ってくれと言い出しまして。オートマだからどうかな~と思いつつも、安い!乗った!と買い取りました(笑)。
――本当に“購入した”のではなく、“集まってきて”るんですね。実際にNBを運転してみてどうでしたか?
オートマなので発進や加速もスムーズだし、長距離移動しても快適でした。比較するNAの個体が古いからというのもあるんですけど、パワーがあるから山道や峠を走ってもぐんぐん進んでくれるんです。
ただ、乗り味としてはNAの方が好きかな。エンジンの吹上がりとか、コントロールするときに暴れる感じとか、ほどよいジャジャ馬感があって良いかなと思います。
どちらが良いとかそういうのではなく、これは超個人的な意見になりますが。でも、どちらにせよロードスターは楽しいクルマです。
――そもそも、古其さんはどうしてロードスターに乗りたいと思ったのですか?
友人がロードスターを購入して、それを見たのがキッカケですね。オープンにして走れるスポーツカーってかっこいいじゃん!と思ったんです。
あとは、2シーターというのも重要なポイントでした。もう退職してしまったのですが、僕はJR九州の運転士として働いていたんです。いつもは後ろにお客さんを沢山乗せて走るわけですが、乗っても2人までで何も気にせずに自分の赴くままに運転できるクルマで走りたいと思いまして。
楽しいとかそういうことだけではなく、仕事のプレッシャーから解放してくれたのもロードスターでしたね。
――いつもの自分から解放される瞬間、という感じですか?
そうですね。もちろん、やり甲斐のある仕事だし、大好きな仕事ではあったんですよ。小倉から日田まで運行する“日田彦山線”という廃止になった線があるんですけど、主にそこの区間を担当していました。
この線の最後の電車“BSデジタル号”は僕が運転していて、今でも思い出すと胸が熱くなります……。ほかにも、イベント列車や、その線の最初と最後に走る電車はだいたい僕が運転させてもらいました。
こういう風に、貴重な体験もさせていただいたんですけど、列車の運転はクルマの運転の3倍くらい気を使うんです。時間は絶対に遅れちゃいけない。ワンマン線が多いので、運転もして切符も切らないといけない。駅に止まって30秒したら発車しなくてはいけないから、この作業が大変でね~。
あと、基本中の基本で、事故は絶対に起こさないようにしなければいけない!これを全部やるとなると、結構なプレッシャーになるんですよ……。
――なるほど。それでロードスターというわけですね。
はい。クルマの運転は、自分だけの時間ですから。速く走ろうと思えばそのように出来る、のんびり行きたければ流せば良い。さらには、寄り道したって誰にも何にも言われないんですよ。
これって、僕からしたらとんでもなく素晴らしいことで。
だから、ロードスターでドライブに行くときは、行き当たりばったりの旅をあえてするんです。紅葉の季節だから、ちょっと行ってみようか~みたいなね。
そういった楽しみ方が出来るロードスターは、僕にとってはとても大切だし、一生乗り続けたいクルマでもあります。
古其さんの影響もあって、お子さん達もロードスター好きに育ったとのこと。ご長男もロードスター乗りで、現在高校2年生のご次男は、5台目のロードスターをATからMTミッションに載せ替えて乗りたいと言っているそうです。
「部品取りのクルマは沢山あるから、任しておきなさい!」と張り切った声の古其さんは、とても幸せそうに話してくれたのが印象的でした。
(文:矢田部明子)
[GAZOO編集部]
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