頭文字D続編『MFゴースト』の世界観に魅せられトヨタ86で劇中車をレプリカ。そしてGR86へ乗り替え
ヤングマガジンで連載中の人気コミック『MFゴースト』。あの『頭文字D』を描いた、しげの秀一先生の作品であり、コミック累計370万部突破(2022年12月現在)という、令和における走り屋作品として高く支持されているコミックです。
舞台が公道なのは『頭文字D』と同じなのですが、『MFゴースト』のバトルステージは富士山の噴火によって避難区域となり誰も住人がいなくなったというエリアです。ある意味で安全に配慮された設定といっていいでしょう。
そんな箱根や小田原周辺の公道を、世界から集った猛者のドライバーたちが全5戦にわたりバトルを繰り広げていきます。その中で欧州スーパーカーや国産ハイパーマシンと互角に闘っているのが、主人公・片桐夏向(かたぎりかなた)の乗る、トヨタ86です。上位になるほど賞金も多額になるため、バトルステージごとに夏向のマシンは進化していきます。
その模様をつぶさに分析し、愛車の86を夏向仕様に近づけるよう、レプリカ趣味を楽しんでいるのが、オーナーの上津一彰さんです。
「高校生の頃、ヤンマガをきっかけに頭文字Dの世界を知りました。オリジナルアニメもリアルタイムで観ていました。連載が終了後も、いつかクルマに関する作品を描いてくれないかと心待ちにしていたんです」
自身も藤原拓海のようにAE86を駆る姿を夢見て中古車を探してみたのですが、相場高騰のあおりもあって手の届かない価格帯に。やむなくAE101を探してみたりと、なんとか頭文字Dの世界観に近づけないかと妄想していました。
そして約3年の月日が流れ、始まったのが『MFゴースト』でした。劇中で活躍するトヨタ86の姿を見て上津さんは一目惚れ。頑張れば買えそうな車両価格も後押しして、ついにトヨタ86を愛車として迎えることができました。それが2017年12月のことです。
まず着手したカスタマイズは、第1戦である「小田原パイクスピーク」仕様を目指すことでした。
「まずはボディサイドに大きく白のゼッケン『86』を入れました。こちらはラリーマシンを数多く手掛けるプロショップ『デカルコ』さんにオーダーしました。比率や位置、書体の感じなどをコミックを熟読して近づけました。
リム外周が赤色になっているスポークホイールは、探した末にレアマイスター・ヴァッサーノということが判明。ステアリングもプロドライブ『RACE』へと交換。細部においてはサイドバイザー装着や、アンテナがシャークフィンではなくポールアンテナになっているのも重要なポイントでした」
完成後は、榛名湖で行われた86のミーティングに参加しAE86乗りの方々とも親交を深めました。そしてコミックが第2戦「芦ノ湖GT」に進むにつれ、今度は芦ノ湖仕様へとバージョンアップ。ホイールをエンケイPF05 に、ステアリングをナルディクラシックに交換するなどして、芦ノ湖仕様に変貌しました。
ちなみに夏向の戦績は、初戦の小田原では15位で賞金200万円、第2戦の芦ノ湖では4位となり同2500万円と、ルーキーながら着実にランクアップしています。
そして上津さんの86もさらに進化。第3戦の「ペニンシュラ真鶴」仕様のカーボンボンネットを装着している姿を見て触発され、ボンネットにカーボン調シートでカスタムしています。
吸排気系はブリッツアドバンスエアクリーナーで強化。走りの面でも強化したいと考え、足回りもブリッツZZ Rやミラクルキャンバーアジャスターを装着。しげの先生ご贔屓のブリッツ製品で揃えました。
劇中ではターボ化される設定でしたが、残念ながら走行距離がかさんでいたこともあり、ボルトオンターボ装着は断念したものの、のちにブリッツの3連メーターも装着しました。
劇中では「緒方自動車」として登場する整備工場や、ブリッツ本社、箱根ターンパイクなど巡った聖地は数々。バーチャルとリアルを行き来しながら愉しんでいます。
そして、上津さんは新たな決断をすることとなりました。トヨタ86から、GR86への乗り替えです。スポーツカー専門店HMRで、好条件で買取ってもらえたこともあり、新車で購入することができたそう。
2022年9月に納車後、慣らしの段階でも2.4リッターゆえの圧倒的なパワーの違いに感動しきり。これから「86」ゼッケンも装着し、GR86として、自分なりのMFゴースト仕様を追い求めていくそうです。クルマの世代的には劇中を追い越した格好です。
アーケード版のゲームもかなりやり込み、ときおり行われるMFゴーストコラボも楽しみにしている上津さん。2022年の199話での突然の休載宣言には驚きましたが、無事連載も再開されたことに安堵、新たに始まるアニメ版もとても楽しみにしているそうです。
国内はもちろんのこと、カリフォルニアにも夏向レプリカの仲間がいるそうで、MFゴーストのファンの輪をもっともっと広げていきたい上津さんなのでした。
【Twitter】
じゅうさんてんさん
【instagram】
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(文:畑澤清志 写真:井上誠ほか)
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