日本一雪上を走っているNSX!? 車高なんて気にせず、どんどん走ろう!

  • ホンダ・NSX

スポーツカーが、雪の上を走れないわけがない!と話してくれた「佐藤さん」。

そんな佐藤さんは小さい頃からクルマが大好きで、免許を取るまでは日々カートの練習に明け暮れ、免許取得後はスポーツカーで色々な場所に走りに行くのが日課だったと話してくれました。

“クルマで走る”ということは、ご自身にとって絶対に必要な時間だそうです。

今回は、佐藤 さん×NSX のお話をお届けします。

――今まで、どんなクルマに乗ってきたのですか?

  • ホンダ・NSXのフロントビュー

トヨタ・KP61スターレット、AW11 MR 2、スズキ・カルタスGTI、日産パルサーGTI-Rニスモで、現在はNSXに乗っています。

――ラインアップ的に、走れるクルマが多いですね。

そうですね。これらは、主に競技車両として乗ってきたんですよ。

今はお蕎麦屋さんをしているんですけど、子供の頃の夢はレーシングドライバーとテストドライバーでしたから。だから、今も昔も走りが面白いクルマを愛車として選ぶことが多いです。

  • トヨタ・スターレット

例えば、スターレットはラリーでよく使われていたクルマだから購入しました。このクルマには、舗装路以外を走ることの難しさや、クルマを扱うテクニックを教わりました。

パルサーGTI-Rには加速の楽しさを教えてもらったりと、乗って走りを体感できるクルマを購入するようにしています。

――おお!ラリーにも参戦されてらっしゃったのですね!

なにせ、夢はレーシングドライバーでしたからね。免許を取るまでは、ラジコンカーでクルマのことについて学んでいきました。

ラジコンカーって子供のオモチャと思っている人もいるんですけど、実車をそのまま小さくしたようなものなんですよ。

サスペンションのセッティングだったりとか、上手くなってくると路面とタイヤの接地感、足周りが固い柔らかいが分かってくるんです。

あとは、レース配分も出来るようになってくるから、あれは良い勉強になりました。実車を運転したときもあまり違和感がなかったというか、あれ?乗ったことあったかな?みたいに思えたから、ラジコンカーはオススメです!

18歳までどっぷりハマって、北海道代表として全日本選手権にも出場しました。

――えええええ!すごいです!

あはは(笑)!子供の頃の話ですけどね!子供大人関係なく、同じ土俵で戦えるというのも楽しかったんですよね。

で、もうすぐ免許が取れるからと、17歳からはカートを始めました。風の噂で(笑)、レーサーになるならカートから!というのがあったんですよ。そのあと18歳で免許を取ったら、ラジコンカーもカートもスパッとやめて、実車のレースに参戦するようになったんです。

――どんなレースに参戦したのですか?

  • トヨタ・MR2

北海道は土地柄ラリーが盛んだったし、ダートで走るようになったんです。さっきも話したんですけど、いかにクルマを思い通りに走らせるかが楽しかったですね。

四輪駆動のクルマが、土埃をあげながら走って行くという姿もかっこよかったですし。

でもね……

――でもね?

それがカッコいいと思っていた僕に、転機が訪れまして。後輪駆動のランチア・ラリー037が雪の上を走っていたのを見て、ミッドシップで!?すごい!カッコいい!となってしまったんです。

後輪駆動で雪の上ですよ!? そして速い! これは痺れましたね〜。

――速く走れるというのが、またすごいですね。

でしょ?で、僕の中にある考えが生まれまして。

――何ですか?

  • ホンダ・NSXと雪景色

NSXで雪上を走ってみようということです。

――それは、なかなか思い切りましたね……。

みんなに言われるんですよ。冬なんて乗れないだろー、勿体無いって……とか。でも、ランチアが出来るんだからNSXに出来ないわけがないと、スタッドレスを履いて走ってみたんです。

そしたら、すごく運転しやすかったし、25年間で1回も雪に埋まったことはありません。

――意外です……。

僕も意外でした(笑)。なんなら、僕が1番驚いたかもしれません(笑)。

ミッドシップ車特有の、アクセルコントロールでのフロントタイヤの接地感がとても分かりやすいし、リヤタイヤが生み出すトラクション性能を利用した、コーナーからの立ち上がりと車全体のバランス感がとても気持ち良いんです。

要約すると、走れるうえに、すごく楽しい!

  • ホンダ・NSXのリヤビュー

――そんなにキラキラした声で話されると、こっちまで楽しくなってしまいます。

いや、本当に楽しいんですから!今では除雪されてなくても、お腹を擦らなければガンガン走るようになっちゃいました(笑)。

あとは、せっかく買ったのに冬季は乗れないなんて可哀想じゃないですか。1年間みっちり乗ってあげるのが、NSXのためだと思っているんです。

――なるほど。

  • ホンダ・NSXの右フロントビュー

このNSXは、仕事で疲れた僕を春夏秋冬構わず癒してくれる、いわば栄養剤?のようなクルマなんです。だから、今年の冬も頑張ってもらわなくちゃ。

なので、もちろん冬のドライブもお供してもらっています!

  • ホンダ・NSXとコーヒーを飲む佐藤さん

お話を聞いていると、日本で1番雪上を走っているNSXは、佐藤さんの愛車なんだろうなという気がしてきました。
今年も雪の中で、NSXと一緒にコーヒーを飲むそうです。

(文:矢田部明子)