セリカXXの大人の雰囲気に憧れた青年が、いつしか若い世代の旧車乗りをバックアップ
「セリカXXって、大人でちょっと余裕のあるおじ様が乗るスポーツカーだ。か、かっこいい!!と思ったんです」。そう話してくれたのは「Tさん」。社会人2年目の時に、ちょっと背伸びをして中古で購入したそうです。
愛車として迎え入れたころは、まだまだこのクルマが似合う男じゃないと感じていたそうですが……。さて、16年経った今は?
今回は、Tさん×セリカXX のお話をお届けします。
――大人で余裕のあるおじ様か〜。カッコいいですね〜♡品川にいらっしゃるイメージがあります。
いや。いるかもしれないけど、港区とか銀座辺りをイメージする人が多いと思います。何となく、品川じゃないと思います。
――え? そうですか? まあまあ、それは良いとして。セリカXXのどういう所から、それを感じるのですか?
街中でニョキっと出して走ると、お〜!と目を引く特別感のあるリトラクタブル式ヘッドライト。
ワイドでどしっと構えているのに、ロングノーズ ショートデッキで、スーパーカーなどに多いウエッジシェイプのデザイン。
直列6気筒のエンジンが搭載されていて、中身はしっかりとスポーツカーであることなどですかね。
インプットされた目的地の方向と距離を記憶して、正しい方向を表示する「マイコン」という機能が1部グレードに付いていたんですけど、そういうのも豪華で高級なスペシャリティーカーという感じがします。
とにかく、普通のクルマに付いていないような装備が沢山あったんですよ。
――当時そういった機能が付いているクルマって珍しいですし、それは憧れちゃいますね〜!
はい。実はね、そんなセリカXXに、僕が3歳から7歳になるまで父が乗っていたんですよ。
そのころのセリカXXといえば、一世を風靡するくらい人気のクルマで、それに父が乗っているというのが自慢でもありました。
なのに、Z32に乗り替えると言い出して……、絶対にやめて!とかなり反対して、駄々をこねたのを今でも覚えています(笑)。
――そんなクルマに、大人になって乗ってみてどうでしたか?
昭和59年式の個体を2007年に購入し、20年ぶりの再会を果たしたんですけど、子供の頃とは全く印象が違いましたね。
ものすごく大きいなと思っていたのに、わりとコンパクトで細長く、あれ?という感じでした。子供の背丈だと、クルマの全貌が見えなかったんでしょうね。
そして、助手席に座るだけだった僕は、今度は運転するようになったわけだから、セリカってこういうクルマだったんだと新たな一面を発見しました。
――例えばどんなところですか?
それまでは4気筒のクルマに乗っていたから、6気筒のフィーリングの滑らかさに笑みが溢れました。速いのに尖っていないお上品な走りは、まさに僕が求めていた〝大人なスポーツカー″でしたね。
走行距離9万kmで購入したんですけど、労わって乗りたいので、休みの日や気分の良い日にしかハンドルを握らず、現在は15万Kmくらいにしか距離は伸びていません。
――労りながら……。とはいえ、維持していくのは大変ですよね
そうですねぇ。とくに、僕の個体は初めからボロボロで、さてどうしたものか?という感じでしたから。窓のモールが割れて、内装の内張も避け、なんとか動いているという瀕死状態だったんです。
だから、まずは車検が取れるようにクルマの機能を回復していくことから始めました。その当時は、ギリギリ新品の部品が出てきていたから何とか維持できたけど、状況はどんどん厳しくなりました。
だから、イベントなどで知り合ったセリカ乗りの方と助け合って、維持しています。
――そういった面でも、横の繋がりが大事になってくるんですね
そうですね。壊れる箇所は結局一緒で、みんな悩みは同じということが多いんですよ。僕が部品を持ってる時はお譲りして、持っていないときはお譲り頂くという、持ちつ持たれつの関係です。
あとは、やっぱり同志がいると心強い!心が折れるくらいの故障が起きても、みんなもいるし頑張ろう!と思えるんです。
――なんだか、同志って素敵な言葉ですね。
ありがとうございます。あの……、部品供給のために横の繋がりを、とも言いましたが、それよりも僕はその人の人となりに惹かれてお付き合いをさせていただいていているんです。
もちろん、セリカがキッカケでお友達になったわけですけど、ずっとお付き合いさせてもらっていると、セリカは関係なく大事にしていきたいという方々がたくさん出来ました。
例えば、8年前に免許も持っていない高校生が旧車に乗りたいと尋ねてきたんです。だから、よく助手席に乗せて、イベントに連れて行っていたんですよ。今やその子は大人になって、ソアラに乗っています。
ほかにも、同じセリカ乗りの息子さんが、いつの間にかクルマに乗るようになっていたり。そういう子達の成長を見ていると、お父さんになった気持ちになるんですよね。
最近は旧車ブームの影響もあって、若い世代が増えているから、好きな気持ちを尊重しつつ助けてあげたいと思うようになりました。
そう考えると、セリカ新参者だった僕は、時を経て何かしてあげられる側になったのかなって。
恐れ多い発言ですけど、旧車というクルマ達が輝けるように、色々な人が旧車って楽しい!乗ってよかったと思えるように、ちょっと手助けが出来たらなというのが今後の目標です。
そう話してくれたTさん。今後は派手なことはせず、細く長く、付いている機能がある程度の性能を発揮出来るように維持していきたいということです。
次はどんな出会いがあるのかな?という、新たな出会いにワクワクしているようなTさんの声やお話が、とっても耳に心地よかったです。
(文:矢田部明子)
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