トヨタのスポーツカー「セリカXX」「スープラ」を解説・・・懐かしの名車をプレイバック
デビューとともに話題となったあのクルマ。いまなおファンを魅了してやまないあの一台。そんな忘れがたい日本の名車にスポットライトを当てるこの特集で今回紹介するのは、トヨタが生んだスポーツカー「セリカXX」「スープラ」だ。
初代 トヨタ・セリカXX(1978年~1981年)
アメリカで大成功を収めていた“Zカー”こと「フェアレディZ」の市場へ向けて開発されたグランドツアラー。「セリカ リフトバック」をベースにホイールベースを130mm、全長を270mm延長し、直列6気筒エンジンを搭載。北米市場向けには「スープラ」を、日本国内向けには「セリカXX(ダブルエックス)」を名乗った。
ロングノーズのプロポーションのほか、外観ではTバーをあしらったフロントグリルや横長で立体感のあるリアコンビネーションランプが特徴。豪華で高級なスペシャルティーカーとして、最高級グレード「G」には英国製コノリー製レザーシートをオプション設定している。
エンジンは「クラウン」に搭載されていた直列6気筒SOHC 2リッターの「M-EU」(最高出力125PS)または2.6リッターの「4M-EU」(最高出力140PS)。1980年8月にリアサスペンションが固定軸からセミトレーリングアーム/コイルの独立に変更されたほか、2.6リッターエンジンが2.8リッターの「5M-EU」(最高出力145PS)に換装された。
2代目 トヨタ・セリカXX(1981年~1986年)
1981年7月に発売。初代同様、「セリカ リフトバック」をベースに、リトラクタブル式ヘッドライトを持つウエッジシェイプのデザインが特徴となっている。同じ6気筒エンジンを搭載する「ソアラ」(1981年2月発売)とは姉妹車の関係にあり、ソアラにはラグジュアリーな、「セリカXX」にはスポーティーなキャラクターが与えられた。
エンジンは当初、2リッター直列6気筒の「1G-EU」(最高出力125PS)と2.8リッターの「5M-GEU」(最高出力170PS)の2本立てだったが、1983年夏には5M-GEUのパワーアップ(最高出力175PSへ)とともに、SOHCターボの「M-TEU」(最高出力145PS)の投入や、DOHC 4バルブの「1G-GEU」(最高出力160PS)の追加など、高性能化を図った。
装備面では、デジタルメーターや世界初のナビゲーションシステム「ナビコン」を一部車種に設定。ナビコンはインプットされた目的地の方向と距離をマイコンが記憶し、正しい方向を刻々と表示するもので、後のカーナビゲーションシステムのはしりとなった。
初代 トヨタ・スープラ(1986年~1993年)
前2世代は「セリカXX」を名乗っていたが、1986年2月のモデルチェンジを機に高性能かつ高級なスペシャルティーカーとしてセリカから独立。日本市場でも海外向けと同様に車名を「スープラ」とした。発売当時のキャッチコピーは「TOYOTA 3000GT」だった。
エンジンは最高出力230PSの3リッターDOHCターボ「7M-GTEU」を頂点に、2リッターDOHCツインターボの「1G-GTEU」(最高出力185PS)と2リッターDOHCの「1G-GEU」(最高出力140PS)、そして2リッターSOHCの「1G-EU」(最高出力105PS)の4種類の直列6気筒を設定。1990年には当時の自主規制値だった280PSを発生する2.5リッターDOHCツインターボの「1JZ-GTE」をラインナップしている。
シャシーには「トヨタ2000GT」以来の本格的な4輪ダブルウイッシュボーン式サスペンションを採用。1986年6月には前席上部ルーフを着脱可能な「エアロトップ」を追加。1987年1月には海外向けと同じ、ブリスターフェンダーを採用したワイドボディーを3リッターの「ターボリミテッド」に採用した。
2代目 トヨタ・スープラ(1993年~2002年)
1993年5月に発売された日本国内向けの2代目で、キャッチコピーは「THE SPORTS OF TOYOTA」。2002年の販売終了後は、BMWと共同開発した3代目の登場(2019年)まで「スープラ」の名が途絶えることになる。
走行性能だけでなく、環境性能や安全性能も最大限に高めた新しいスポーツカーとして開発。2+2のハッチバッククーペボディーは、先代に対して全長とホイールベースを短くした一方で、トレッドを拡大。エンジンは3リッター直列6気筒DOHC 24バルブの「2JZ-GE」(最高出力225PS)と、そのツインターボ版「2JZ-GTE」(最高出力280PS)の2種類。後者を搭載した「RZ」グレードにはドイツ・ゲトラグ製の6段MTを採用した。新設計の4輪ダブルウイッシュボーン式サスペンションや超扁平(へんぺい)タイヤ、大容量ブレーキなどにより、あらゆる走行状況下での安定したスポーツ走行を可能としている。
モータースポーツでも、ルマン24時間のほか、日本ではSUPER GTのGT500クラスに参戦。生産終了後も2005年まで第一線で活躍した。
(GAZOO編集部)
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