知識0から始めた、セリカGT-FOUR (ST205)の整備。生涯乗り続けると誓ったクルマ

  • トヨタ・セリカGT-FOUR(ST205)とオーナーのクミさん

就職先の先輩が乗っていたスポーツカーを見て、「なにこれ!カッコいい!」と言葉を失ってしまったと話してくれたのは「クミさん」。

それまでは全くクルマに興味が無かったそうですが、私も乗ってみたいと思うようになり、愛車として迎え入れたのが セリカGT-FOUR (ST205)だったそうです。

そんなクミさん×セリカのお話をお届けします。

――スポーツカーのどういうところが好きですか?

  • トヨタ・セリカGT-FOUR(ST205)

エンジンやマフラーの音、天井も車高も低いところ、後ろのシートが狭そうな感じやメーターが沢山並んでいるところなど、とにかく、何もかもが新鮮でカッコいいと思ったんです。

――かなりハマってますね! そんなに好きになったキッカケは?

面倒見が良くて、よく遊びに連れて行ってくれた職場の先輩がスポーツカーに乗って駐車場に現れたんです。それで、「うわぁ!かっこいい!」と思ったのがキッカケですね。

――なんと!それで、自分も乗りたいと思うようになったということですね。

  • トヨタ・セリカGT-FOUR(ST205)と紅葉

そうです(笑)。でも、どうしよう……と迷っていた時期に、たまたまセリカを手放すという人が現れて、コレを逃したらもうチャンスはない!絶対に運命に決まっている!と飛びつきました。

ただ、性能などはよく分かっていなかったんですけどね。

――じゃあ、とりあえずという形で購入したのですか?

いやいや!そんなことはありません。状態もキレイで厳つくてカッコいいし、ライトの独特な形、流線型のフォルム、運転席に座るとシートに包み込まれる感覚など、すごく気に入りました。

  • トヨタ・セリカGT-FOUR(ST205)の上からのショット

――それなら、納車してかなりうれしかったんじゃないですか?

うれしいというのもありますが、軽自動車からの乗り替えで、何もかもが違っていて新鮮だったというのが大きかったです。加速はすごいし、後ろは見えづらいし、前はどこまであるの?って感じだし(笑)。

サイズが大きいから、助手席のドリンクホルダーに手が届かないことや、乗っていてどっしりとした安定感など、とにかく面白かったです。

――前や後ろが見えづらいって、けっこう大変だと思いますが、それでも大好きなんですね。今は自分で整備をしていると聞きましたが?

  • トヨタ・セリカGT-FOUR(ST205)を整備しているクミさん

はい。やってみようと思ったのは、とあるクルマ屋さんに「錆がひどいから、次の車検は無理」と言われたからです。その一言は、“このクルマに乗る価値が無い”と言われているようで正直なところ、かなりショックでしたね。

それと同時に、自分である程度何とか出来ないと、守ってあげられない!と思ったんです。壊れて乗れなくなるという不安は、自分に知識や技術があれば何とかなるかも!と。

―――そう思っていても、実践できる人って少ないと思います。それに、知識0からここまでくるのは大変だったのではないですか?

  • 整備工場内のトヨタ・セリカGT-FOUR(ST205)

整備が出来るようになっていったのは、色々な人の助けがあってこそなんです。右も左も分からなかったから、最初はSNSで詳しい方に聞くことから始めました。

そうすると、世間とは狭いもので、その方が隣町に住んでいたりするんですよ。だから、遊びに行ってタイヤ交換をさせてもらったりしましたね。あっ!それが最初の整備だったかも?

乗っていると、もっともっとセリカのことを知りたいと思うようになり、現在は寿自動車というショップにお世話になっています。

――自分でも整備をされていますが、主治医となるショップを見つけることができたんですね

はい、そうなんです。私がなぜセリカのことを覚えたいのか?ということや、所有し続ける上での不安を感じ取ってくれて、サポートしてくれているショップです。

細かい構造や機構を詳しく教えてくれるからすごく有り難いし、ブログ内に整備記録を記した私のコーナーまで作ってくれました。

  • トヨタ・セリカGT-FOUR(ST205)のオイル抜きをするクミさん

例えば、エンジンが壊れてしまったとしたら、私はなるべく載せ替えはしたくないんです。今までずっと一緒に走ってきたのに、別のクルマになっちゃう気がして嫌なんです。そういう私の方向性を分かってくれて、1つ1つの作業をプロの目で見てもらえるんです。

自分でやると工賃が浮くということもあるかもしれませんが、出来ることが増える、分かるようになる。それによってセリカとの距離が縮んだように感じるというのが良いと思っているんです。

もっと早くにクルマが楽しいと分かっていたらな〜なんて思うこともありますよ。そしたら、もっと運転が上手くなっていたかもしれないし、いろんな整備も覚えていたかも知れないって。

  • トヨタ・セリカGT-FOUR(ST205)

―――えっ、そんなに頑張っているのに、なんか後悔したりしてますか?

最近、これで良かったんだって思うようになりました。
早くにクルマに興味を持っていたら、きっとこのセリカに出会えていなかったし、色々整備が出来ていたら寿自動車に来ていなかったかもしれませんから。

色々な出来事の巡り合わせで、大好きなセリカに乗り続ける事ができて、メンテナンスもしてあげられて、あたたかく見守ってくれる仲間がいて、今がとても幸せです。

  • トヨタ・セリカGT-FOUR(ST205)のルーフを拭くクミさん

乗り始めて今年で21年が経ったという クミさん。セカンドカーを買うことも、違うクルマに乗り替えることも全く考えていないと言います。

各地で開催されるイベントに足を運ぶと、女子オーナーさんとの出会いもあり、それがセリカライフに華を添えてくれているとも話してくれました。

これからも、クミさんらしい幸せなカーライフを送っていくことでしょう。

  • 山道を走るトヨタ・セリカGT-FOUR(ST205)

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寿自動車のブログの「頑張れクミちゃん」コーナー

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(文:矢田部明子)