父の英才教育でクルマ好きに、今はRX-7を操る

  • マツダ RX-7

    マツダ RX-7

お父様の影響でいつの間にかクルマ好きになった たかきさん。最初の愛車であるフィットに続き、カッコよさに惚れて買った2台目の愛車「FD3S RX-7」に今も乗り続けています。

整備士として働きながら、RX-7を10年以上も大事に乗り続けるたかきさんの愛車ライフを、ちょっと覗いてみましょう。

――たかきさんがクルマ好きになったきっかけって覚えていらっしゃいますか?

ハッキリとは覚えてはないですけど、小学生の頃にはもう好きでしたね。

実家が整備工場をやっていて、身近にクルマがあったし、父が買ってきたゲームのグランツーリスモとかやったりして、自然と好きになっていましたね。

  • マツダ RX-7

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――おお、英才教育をしっかり受けられたんですね。では、そのまま家業の整備工場を継いでるんですか?

実はウチの整備工場は、曾祖父が自転車の整備から始めて、祖父がバイクもやるようになって、父の代から自動車を始めたんですよ。

自分は、今はまだ継いでなくてディーラーで整備士をしているんですが、この春からディーラーを辞めて継いでいくことになっています。

――すごいですね! じゃあ相当古くから続いているということですね?

確か、自分が継ぐ頃には100年位になるはずだと聞いてます。

――なんと100年! そんな環境で育つと、最初の愛車とかすごいクルマだったんじゃないですか?

18歳で免許を取って最初に買ったのはGD1の赤いフィットでした。ヴィッツかフィットで迷って、ホンダのほうが走りのイメージが強かったんで、フィットにしました。

  • ホンダ フィット

    ホンダ フィット

――伝統を受け継ぐ整備士一家の跡取りにしては、意外と普通のクルマだったのですね?

その時は父から「100馬力を超えてはいけない、事故を起こすから」という馬力規制があったんです。

――家庭内の馬力規制!? 軽自動車の64馬力自主規制はありますが、家庭内は初めて聞きました。子どもの門限みたいな感じかなぁ。

そうなんですよ〜。だから軽自動車を除いてもコンパクトカーくらいしか選べず…だけど、走りたかったのでマニュアルにしました。

――今の愛車のRX-7も走りを楽しめるクルマですもんね。どういう出会いがあったのでしょうか?

フィットにそれほど不満があったわけではないですけど、少し生活に変化があったのと、ドリフトもやってみたくて、FRに買い換えようと思い、探しました。

シルビアも見に行きましたが、なかなかしっくりこなくて…。RX-7はカッコいいとは思ってましたし、憧れるけど、自分が乗るクルマじゃないかな、と思ってたんです。

  • マツダ RX-7

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――それでもRX-7が好きになったと。

RX-7の現車を目の前で見たら、もうめちゃくちゃカッコよくて。試乗させてもらったらもういつの間にか買ってましたね(笑)。

購入当時(およそ12年程前)は今の旧車ブームと違って、安く買えたんですよ。

――そうなんですね。安かった反面、あまり状態が良くなかったなどはありましたか?

基本的に、走る部分では悪いと言うほどではなかったですけど、長く乗っていくにはそれなりの苦労をしたり、お金を掛けたりもしました。

ただ、エンジンの構造や制御も含めて一般乗用車とは違う知識が必要で、間違えると壊れやすいかもですね。

世間的によく言われている”壊れやすい”は正しい知識がない人が壊した結果の積み重ねだと思います。

――ロータリーエンジンは、長く乗っているとオーバーホールしたり、状態の良いエンジンに積み替えたりすることが比較的普通にありますよね。たかきさんのRX-7はどうでしたか?

やっぱり必要でしたね。今の会社に整備士として入って、最初にやったのが(他社製品である)RX-7のエンジンの載せ換えでしたね(笑)。

――そうやって、その他の整備もご自分でして、大事に乗っているんですね。念願のドリフトはやってますか?

もうRX-7を大事にしたい気持ちのほうが先に立ってしまって、できないです。

――今となっては価格も高騰しちゃって、大事に乗らないともったいないですよね。では、RX-7はどんな乗り方をしているんですか?

休みの日などRX-7に乗りたいときだけ乗るという感じでしょうか。

普段は、家族のためもあってヴォクシーを使ってます。RX-7は友達とツーリングに行ったり、ミーティングに参加したりといった乗り方ですね。

――ずーっと今のRX-7に乗っていくご予定ですか?

他に気になるクルマもあります。ランエボV(5)とかランエボIX(9)とか、GT-RだったらR34とか、見るからにやる気なデザインのクルマが好きなんですね。

でもまあRX-7はそのままで、宝くじでも当たったら増車したいというくらいでしょうか。RX-7を手放す気はないです。

――やはり昭和世代が好きになるようなクルマがお好きなんですね。

そういえば、バイクが好きになったのも父の持ってた漫画「バリバリ伝説」の影響だった気がするし、スズキのRG-V Γ(ガンマ)にも一時期乗っていました。音楽も、昭和に流行った曲をよく聴いています。

――どんな曲や歌手がお好きなんですか?

浜田省吾さんとか、尾崎豊さんとか…父のCDを音源にスマホに落として聴いてます。

――めっちゃお父様に影響されていますね!

確かに! そう考えると、父の影響はやっぱり色々大きかったんですね〜。

生まれたときからクルマが自分の周りにあって、お父様の影響でクルマ好きに。そして自然と整備士への道を歩み、約100年続く整備工場をいずれ継ぐたかきさん。

本人は意外と気づいていないかもしれないけど、とても素敵な人生の途中経過に思えました。

【Instagram】
たかきさん

(文:小林和久<(株)ヘンシュウシャ>)

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