愛車GX81クレスタのルーツは 子供時代の父親への憧れ

  • トヨタ クレスタ

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トヨタ クレスタ(GX81)を愛車に迎えた 小林さん。産まれてから幼稚園の年長になるまでの心の中の記憶が、28歳になった今でも消えず、もはや必然的にクレスタを選んだそうです。

今回は、小林さん×GX81クレスタのお話をお届けします。

――クレスタを愛車に選んだ理由に、幼少期の思い出が影響しているそうですね?

はい。生まれてから幼稚園の年長になるまでの6年間、このクルマに父親が乗っていたんです。

母が助手席に座って、僕は左後席のジュニアシートが定位置でした。その場所からだと、父が運転している姿がバッチリ見えるんですよ。

ハンドルを優雅にきる、バックする時に後ろを見るなどの姿がすごくカッコ良くてですね〜。ああなりたいなと思ったのがクレスタに乗るキッカケとなりました。

――素敵な記憶ですね。それは自然と愛着を持ちますね!

でしょ(笑)?父にまんまと刷り込まれちゃったというわけです。

――お父様はどういう方なのですか?

すごく、かなり、びっくりするくらい堅物です。僕は陽気だから、父を知っている方には「本当に息子さんですか?」とよく言われるくらい(笑)。

――似ていなかったとしても、お父様が乗られていたクルマを選ぶということは、好きなんですね♪

まぁ……照れ臭いですけど、そんなところですかね。当時父が乗っていたのに近い個体を探して乗っているわけですから。

それこそ、大きな違いは前期か後期かの違いだけで、グレードも一緒、1Gツインカム24のエンジンを搭載、グレーのボディカラーと、よく似ているんです。

そして、この個体は免許取り立ての僕が欲しくても買えなかった、憧れのマドンナでもあるんです。それが巡り巡って、今僕の愛車となっているわけだから、嬉しくて嬉しくて。

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――どういう経緯で手に入れたのですか?

メルカリに、90万円で出品されていたんです。値段が魅力的だったということもありますが、前期にしかないミストグレーというレアなボディカラーで、サンルーフ付きという珍しい仕様だったということもあります。

僕は関東に住んでいるんですが、名古屋に個体があったので、GX81乗りの親友に代理で現車確認してもらいました。彼が、1番目の交渉権を確保してくれたので、この個体に乗れているのかなと思います。

ホッと安心していると、この個体、どこかで見たことがあるな……と感じたんです。記憶を辿っていくと、免許取り立ての時に中古車サイトに出ていて買いたかったんですが、父に反対されて購入を諦めた個体だと気付きました。

これは、絶対に運命の巡り合わせだ、ようやく自分の愛車になるんだな、10年越しで乗れるようになるなんて…など、色んな気持ちがぐるぐるして、胸いっぱいになりました。

――じゃあ、箱入り娘ですか(笑)?

う〜ん、そうかもしれません(笑)。乗って楽しむというよりは、観賞用という感じですね。所有欲を満たしてくれるというか。

このクレスタは3台目なのですが、今までのクレスタの中で1番特別扱いしているのは間違いありません。

――えっ!3台目なんですか?

あれ、言ってませんでしたか? 1台目は、どうしてもクレスタが諦められなくて、大学生の時に貯金で買って、2台目は社会人1年目に購入しました。

走って楽しむ!の所はバッチリです! 1台目が大分くたびれてきたときに手放して2台目を購入し、3台目がいま取材していただいているクレスタです。

2台目はまだ手元にあるんですけど、こちらは走って楽しむ!という使い方ですね。

――そこまでさせる、クレスタの好きな所ってどこですか?

直列6気筒エンジン独特のジェントルなサウンド、高回転エンジンだから回すと速い、今ではほぼ見ない5ナンバーサイズの見切りの良さ。

トリムが布張り、シートの材質、遮音材が効いているのか?車内がとても静か、デジパネのメカメカしい感じなど、個性がある所ですかね。

――大黒PAにいるクレスタを見ていると、割とカスタムされている方が多いように感じますが、小林さんはどうですか?

僕の場合は、ほぼノーマルなんです。どちらが良い悪いではなく、クレスタの走りってジェントルマンだと個人的に思っているので、何も手を加えずに乗っていきたいなと。

――なるほど。最後に、小林さんにとってクレスタはどんな存在ですか?

“移動のデバイス”じゃなくて、苦労してでも乗りたいくらい魅力の詰まったクルマです。

ワクワクさせられるというか、ドキドキするというか、ハンドルを握ると笑顔になっちゃうクルマ、ですかね♪

今月で、納車から1年になるというクレスタ。今後は、この綺麗な個体を温存し、後世に引き継ぐために、特別な日に乗るクルマとして大事にしていきたいとのことでした。しっかりと重みのある声が、筆者の耳にいつまでも残りました。

(文:矢田部明子)