愛する覚悟は変わらない!「2台のホンダ・アコードは我が子のような存在」
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ホンダ アコード U.S.ワゴン2.2i-R(CB9)
「オールマイティに盛り込まれている贅沢なクルマ、それがアコードなんです」
そう語るのは、2006年式のホンダ・アコード ユーロR(CL7)と1993年式の後期型アコード U.S.ワゴン2.2i-R(CB9)の2台でカーライフを送るやまもとさん。
父親と祖父が乗っていたアコードをきっかけに、その魅力にハマっていったとのこと。
他のクルマには一切目移りすることがなかったという彼とアコードには、一体どんな物語があったのでしょうか。
今回は、やまもとさん×アコード(CL7)+アコードU.S.ワゴン(CB9)のお話です。
――やまもとさんは今のアコードに乗る前は、どんなクルマに乗られてきたんですか?
初めてのマイカーも今と同じ、ユーロRのアコードだったんです。というのも、最初に買ったクルマが事故にあってしまい、全く同じユーロRに乗り換えたんです。
――事故後も同じクルマにしたのはどうしてなんですか?
事故にあったのが、まだ買ったばっかりの時だったんですよ。
当時、社会人になってまだ1年目で、お金を貯めて買った、大変思い入れのあるクルマだったんです。
それで、購入したお店の人が事情を理解してくれて「なんとかします」と言ってくださったんです。その方のアドバイスやご協力のおかげで、全く同じ車種に乗ることができました。
それから7年間、ずっとこのCL7のユーロRのアコードに乗り続けているんですよ。
――CB9のアコードU.S.ワゴンを増車しようと思ったのは何故ですか?
父と祖父がそれぞれCM型アコードワゴンとCB型アコードに乗っていたんですよ。
個人的に、この世代のアコードたちが特に好きで、父が乗っていたのと同じ顔のクルマはユーロRに乗ることで既に満たされていたので、ならば次はCB型のアコードにも乗ってみたいと思い始めたのがきっかけですね。
――CB型のアコードは思い入れのあるクルマだったとか?
はい。私が生まれて間もない頃、祖父母に預けられていた時期があったんです。
その時に祖父が乗っていたのがCB型アコードで、よくドライブに連れられていたみたいです。
それと、父親のクルマがまだアコードじゃなかった頃、両親のクルマと祖父のを見比べて、アコードってカッコ良いなと思ったんですよね。気づいた時には、アコードに憧れていました。
――U.S.ワゴンとの出会いはどんな感じだったんですか?
ユーロRに乗るようになって、イベントに参加するようになったんですよね。
旧車が集まるイベントに行くようになり、いろいろなクルマに触れたり、乗せてもらう機会が増えたんです。
そうしたら、沸々と新たなクルマが欲しい感情が湧いてきて……。そんなこんなで、増車するクルマを探し始めたわけです。
――それで、お祖父様のアコードが脳裏をよぎったわけですね。
そうなんです。最初は、祖父が乗っていたのと全く同じCB型アコードのセダンタイプを探し始めました。
Siっていうトップグレードなんですけど、パワーもあって、今では珍しい4WSも付いているアコードに乗りたかったんですよね。ただ、ネットで2年くらい探していたんですが、なかなか出てきませんでした。
その時ふと「昔はワゴンの方がいっぱい走っていたんだよな」っていう考えになり始めて、元々ステーションワゴンが好きだったというのもあり「ワゴンもありだな」って、探す範囲を広げたんです。
――それでワゴンも探し始めたということですね。
セダンタイプと同時に探していたんですが、CB型のアコードってカスタムのベース車にされてしまったりとか、エコカー補助金の流れから廃車になったりして、玉数がほぼ無かったんですよね。
セダンはポツポツ出てくるんだけど、満足できるモノではなかったり。ワゴンはもう全く無いみたいな絶望的な状況だったんです。
そんな中、「アコードU.S.ワゴンを売りたがってる人がいる」と教えてもらったんです。
それで、そのオーナーさんに実際にお会いできたのが、とある旧車が集まるミーティングでした。会場でU.S.ワゴンに乗せていただいたりしたんですけど、その時、ホンダ車の内装の匂いで、心が大きく揺らいでしまったんです笑。
というのも、幼少期の頃に嗅いだ匂いを覚えていたんですよ。
――懐かしい記憶が蘇ったわけですね。じゃあ購入はすぐに決めたんですか?
一旦気持ちを落ち着かせるために「少し待ってください」って2週間くらい時間をいただけたんですけど、今思うと答えはもう決まっていたんですよね笑。
そのオーナーさんはじめ、多くのネオクラ車仲間から「年式的にも、時限爆弾をいっぱい抱えているクルマだから、それ相応の覚悟が必要だよ」って助言をもらったりしていたので、それも含めて本当に欲しいのかを、2週間ずっと自分に問い続けていましたね。
最終的に覚悟を決めて購入したという感じです。
――購入後、U.S.ワゴンの調子はどうでしたか?
その方々がおっしゃっていた通り、あちこち時限爆弾を抱えている状況でした。
ただ、割と初歩的な故障だったりして、ある程度の故障は乗り越えられたのですが、車齢30年というのを実感した瞬間でもありましたね。
2年で200万円くらいは修理に費やしたんじゃないかな笑。
――U.S.ワゴンに初めて乗った時は、どんな印象を受けましたか?
ユーロRとは全くキャラクターが違うなと思いました。
ユーロRはヨーロッパ車っぽいんですけど、ワゴンの方はU.S.ワゴンという名前なだけあって、アメリカ的で大味な感覚というか…。
アコードって世代によって、日米共通の作りだったり、日米欧で作り分けていたりしていて、世代によって違うんですよ。そのせいでキャラクターの違いを感じたんだなと思いましたね。
あと、足がしなやかに動くところがユーロRと共通しているんだなっていうのに気付きましたね。
――やまもとさんが感じるアコードU.S.ワゴンの1番の魅力って何ですか?
ユーロRは中身にも魅力を感じているクルマだけど、U.S.ワゴンはあの見た目がとにかくカッコ良いんですよね。
祖父が乗っていたセダンのアコードに通じるものがあるというか。どことなく知的で大陸的で、年代の割に結構BOXYな形をしているのもまた良いですよね。
例えば、同じ世代でセプターやカムリがあるんですけど、角が取れた丸みを帯びているデザインが採用されているんですよ。
それに比べると古典的なんだけど、そこがまた良いなって思うんですよね。ヘッドライトも形は角ばっているんだけど、キラキラしているんですよ。古典的でありつつ先進的であるところ、そういう見た目がとにかく好きなんです。
見ているだけでご飯が進みます笑。
――今のやまもとさんにとって、アコードってどんな存在なんですか?
ベタな回答かもしれないですけど、家族かな。
特にアコードワゴンは突拍子もなく壊れてグズるので、手がかかるんですよ笑。子供を学校に出すように、2年に1回お金がかかるとか、毎年自動車税がかかるのもそう。
ずっと乗っていると馴染みが出てくるのも、また愛着が湧きますよね。懐いてきたっていうふうに思えてくるというか。
妻も「クルマを大事に乗ることは素敵なこと」っていう考えを持ってくれているので、尚のこと家族のように思えてきますね。家族って、切っても切れない関係じゃないですか。
私にとってアコードはそのレベルに来ているんですよ。アコードU.S.ワゴンは特に希少価値が高いので、高く売れるよって言われたとしても、全く売るつもりは無いくらい、大切な存在です。
「どちらのアコードにも同じ量の愛情を注ぎたい。そして快適に乗りたいと思っているんですよ。」
彼の愛車に対する接し方を見て「それ、疲れない?」と指摘されることがあったというが、きっと彼の性格上、粗末に扱うくらいだったら最初から購入しないのだと筆者は予想する。
アコードU.S.ワゴンを購入した際に抱いた覚悟は、何があっても揺るがないほど、筋の通ったモノだと、話を聞いて節々に感じるのと同時に、感服するのであった。
【Instagram】
やまもとさん
(文:秦 悠陽)
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