トヨタ ファンカーゴは、13年間愛娘たちの成長を見守ってきた5人目の家族!
長く乗ることで少しずつ愛着が湧く。クルマという工業製品が愛車に変わる瞬間です。今回、取材させていただいた中村さん、そして愛車である「2000年式 トヨタ ファンカーゴ G」のようなカーライフを送ってみたい…。そう思わずにはいられないエピソードを伺うことができました!
―― まずは、中村さんの愛車について教えてください
愛車は「2000年式 トヨタ ファンカーゴ G」です。手に入れてから13年、現在の走行距離は12万5千万km、私が手に入れてからは約7万km走りました。手に入れると長く所有する方です。
―― 大切に使えばクルマもそれに応えてくれますよね!中村さんがクルマにご興味を持ったのはいつ頃だったのですか?
私はいま59歳ですが、幼稚園の頃には道を走るクルマの名前を叫んでいたそうです(笑)。物心ついたときには家にクルマ(会社の営業車)がありました。これが中学生になったあたりで中古の日産ローレルSGLに変わったんですね。週末になると父と一緒に洗車&ワックス掛けをして、拭き取ったあとにボディがキラキラ光る光景を見てきれいだなって思ったことを覚えています。
―― まさに「原体験」ですね!ファンカーゴを手に入れるきっかけは何だったのですか?
付き合いのある自動車修理工場に予算を伝え、クルマを探してもらいました。そして、オレンジのマツダデミオと赤いファンカーゴを紹介されたんです。家族と相談したところ、オレンジ色のデミオが却下されたので、赤いファンカーゴになりました。
―― そこから赤いファンカーゴとの付き合いがはじまるのですね。ちなみにそれ以前はどんなクルマにお乗りでしたか?
子どもが産まれてからクラシックミニ1000を手に入れてしばらく乗っていたんです。一時期、ミニと一緒にサニトラ(サニートラック)にも乗っていましたね。ミニはハンドリングが好みで楽しいクルマでしたが、子どもの成長に伴って手狭になってしまい…。家族4人で乗れるクルマということでボルボ960セダンに乗り換えたんです。
―― クラシックミニとボルボ960セダン、いずれも魅力的なクルマです
そうなんですけどね(苦笑)。ボルボの維持費が気になってきたこともあり、1.5リッター前後の排気量で、家族4人が安心して乗れるクルマ…ということで赤いファンカーゴになったんです。現車を見て、ステアリング上のスイッチでマニュアル変速が可能な「ステアマチック」と、前席以外がフルフラットシートになることが気に入り、購入を決めました。
―― 赤いファンカーゴが納車された日のことを覚えていますか?
私が出勤しているあいだにボルボと入れ替えたようです。帰宅して家族に赤いファンカーゴを紹介したら喜んでいましたね。「ボルボより天井が高くて広い!」って(笑)。
―― ボルボからファンカーゴに乗り換えてみていかがでしたか?
ステアマチックの操作も楽しいし、このクルマなら趣味のバイクもリアに積めるだろうと思い、モンキー(ホンダ)と関係する荷物を積んでサーキットまで行ったことがありましたね。意外と後片付けが大変だと分かったので1度きりになってしまいましたが…。
ボルボよりコンパクトになったので妻が運転する機会が増えましたし、子どもたちの送迎にも活躍してくれましたね。
―― 赤いファンカーゴが中村さんの家に来たとき、お子さまはおいくつだったのですか?
娘が2人いるんですが、上の子が中校生、下の子が小学生だったと思います。
―― まさに、お嬢さまたちの成長を見守ってきたことになるわけですね。
妻と娘たちも「ファンカーゴを5人目の家族」といってとても気に入っているんです。運転免許を取得した娘たちもファンカーゴで運転を練習しましたし。
―― 5人目の家族!このキーワードだけで想いが伝わってきますよ!
実は数年前、知人がクルマを買い替えることになり、それまで乗っていたトヨタ ラウムを譲ってくれるという話になったんです。
その時点でファンカーゴにはぶつけたり、こすったりした傷があったんです。さらにボンネットやルーフのクリアがはがれて、塗装もたいぶ痛んでいました。知人が譲ってくれるというラウムは見た目もきれいで、しかも走行距離も少ない。
それで家族会議をしたところ、「ファンカーゴは初めて運転したクルマだし、手放すことは許されない!!!」と、もうそれはそれは娘たちから大反対され……。
結局、それまでよりも洗車の回数を増やすことにして、さらに娘たちも手伝うという約束でファンカーゴに乗り続けるという意見で話がまとまりました。まぁ、実際には洗車&ワックスはいまでも私の役回りなんですけどね(苦笑)。
―― 普通に考えたら、ラウムに乗り替えてもおかしくない展開に映ります
そうなんです。ラウムを査定に出したら値段がつかなくて、それで譲ってくれるという話になったんですけど・・・。ただ、娘たちはファンカーゴに対してものすごく愛着を持っているんですよね。私が頻繁にクルマを買い替えるタイプだったらこうはならなかったかもしれません。
―― これはもう、売るに売れないパターンですよね。ファンカーゴを維持するうえで気をつけていること、意識していることを聞かせてください
油脂類を早めに交換すること、基本的なメンテナンスをこまめに行うことですね。塗装のクリアの部分がはげてきてしまい、ボロボロになった箇所をプラスチックのヘラでガリガリ削っているような状態です。早くオールペンして化粧直ししてあげたいですね。
―― ちなみに…中村さんご自身もファンカーゴ、気に入っていらっしゃるような…(笑)。
実は、歴代の愛車のなかで初となる「DOHC4バルブエンジン」なんです。
ほのかなスポーツ性を感じるステアマチックと後席がフロア下に潜ってフラットになるトランスフォーム的なギミックがお気に入りです。以前、ファンカーゴを所有していた知人に譲ってもらった後期型のテールに交換したりして楽しんでいます。
―― 中村さんがファンカーゴに「伝えたいメッセージ」をぜひ聞かせてください。
ずっと乗り続けるので、いつか綺麗にお色直ししてあげるからね。
―― 最後に、中村さんにとって「赤いファンカーゴ」はどのような存在ですか?
妻や娘たちと同じように、私にとっても「5人目の家族」というべき存在です。
赤いファンカーゴについた傷、そして塗装の経年劣化。道具である以上、使えば使うほど汚れるし、傷がつきます。それはまさに愛車に刻まれた年輪そのもの。ともに歩んできた何よりの証です。こすり傷ひとつひとつですら愛おしい。赤いファンカーゴで運転を覚えたお嬢さまたちにとっては、ほろ苦くも懐かしい思い出なのかもしれません。
家族といい切れるクルマに出会えたこと。家族同然に扱ってくれる持ち主に出会えたこと。双方にとって、これほどシアワセなカーライフはないように思えます。
【Instagram】
中村壮一さん
<取材・編集 株式会社キズナノート>
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