ジムニーを極めたいと行き着いた「サムライ」。憧れだったクルマに乗って広がったライフワーク



今回取材させて頂く「oma2(おまつ)さん」が乗っているのは、簡単に説明すると……国内で販売されているジムニーのアメリカ版。

「サムライ」と名付けられたそのクルマは1992年式のSJ413型で、日本で販売していたJB31型シエラと共通点はあるものの、ハンドルの位置や内装の色、幌ボディの設定などがジムニーシエラとは大きく異なります。なぜoma2さんは、サムライに乗りたいと思ったのでしょうか?

では、oma2さん×サムライのお話をお届けします。

―――なぜ、ジムニーではなくサムライを愛車として選んだのですか?

ジムニーにハマって15年くらいになりますが、様々な型式やタイプのジムニーに乗ってきた結果、“左ハンドル”のモデルに乗ると、ジムニーをもっと極められるんじゃないかと思ったんです。

あとは、古い幌のジムニー、そしてサムライへの憧れですね。

サムライに初めて出会ったのは、中学生の時に作ったプラモデルで、実車を初めて見たのは10年位前にアメリカ出張で訪れたカーショーに展示していた、ローライダーなサムライです。かっこよすぎて見入ってしまいました。

――なるほど……。そもそもoma2さんがジムニーマニアになったキッカケは何だったのですか?

実は、15年前まではジムニーに全く興味が無かったんですよ。

というのも、大学を卒業して入社したのがチューニングパーツメーカーだったこともあり、スポーツカーにしか目がいかなかったんです。車は低く、速く走らせてナンボが専門分野でしたから。

そんな時に、後輩がジムニーを買ったのが出会いとなりました。
後輩によると、「オモチャ感覚でいじれるし、傷がつこうが気にせず走れる。横転してしまったら、ボディを変えてしまえば良いんです」と言うわけですよ。

当時は、何それ?って感じだったんですけど、数年後、実際にジムニーを購入して、その意味と良さに気づくことになります。

―――どう良かったのですか?

まず、不便すぎるのが、ものすごく良かったんです!

転職して通勤車を捜していた時、東京出張のついでに立ち寄ったジムニー専門店にて格安のJB23を見つけ、昔後輩の言っていたことをふと思い出して即購入してしまったんです。

納車されて実際に乗ってみると、遅い、うるさい、乗り心地も悪いなど、そういうところが逆に面白かったんですよ。

―――それ、褒めてます?

いや、これこそがジムニーの素敵なところなんですよ。

なぜなら、その不便さ故に自分でなんとか操ろうとしている感じが楽しいし、パーツも豊富で自分の納得のいくように仕上げることができるクルマですから。

流石に、家ではエンジンを下ろすとまではいきませんが、自分である程度弄れるし、信頼できる専門ショップにも出会いましたしね。

あとは、カスタム技法も独特で、スポーツカーのようにエアロパーツやウイングを付けるのではなく、車高を上げたり、バンパーとかは形もいろいろあったり、DIYのカスタム方法が雑誌に載っているんです(笑)。

しかも、カスタムパーツは割とお財布に優しいお値段で売られています。だから、多少不便でも、その分手を掛けてあげれば自分色に染められるという楽しみがあるわけです。

―――なるほど。それは腕がなりますね!

あはは(笑)。でも、そういう気持ちでジムニーとは付き合っているんです。
ちなみに僕も含めてなんですけど、ジムニーマニアって先祖返りする人も多いらしいですよ(笑)。

―――先祖返りですか?

そうそう。実際に僕なんかは、JB23型や現行のJB64型を経験しつつ、憧れていたもっと古いジムニーに乗り換えていますから。

新型を買ったばかりの時に、幌の古いジムニーに乗りたいとショップに行ったら「遅かれ早かれ こうなるって分かっていたよ。もうれっきとしたマニアだもんね」と社長に言われたのは、今でも忘れられない思い出です(笑)。

でも、憧れのサムライは当時売りに出ている個体がなく、そんな中、たまたまご縁がありJA11の幌車を迎え入れることになりました。

ボディは錆びが多く、ミッションはシンクロがブロー、もうどこから手を付けたら良いか分からない状況だったけど、幌という自分が憧れたスタイルだったし、売ってくれた友人のためにも一生懸命修理して乗りましたけどね。

―――幌ってカッコいいですけど、劣化すると雨漏りしてくるし、大変なんですよね。

そうそう。だけど、雨漏りは自分で手をかけて修理すればそれほど気にならないし、幌を外してオープンで走ったら、不便なところが気にならなくなるくらい楽しいんですよ!あ、日焼け対策は必須です(笑)。

―――良い意味で変態だ……。で、このあとサムライに乗るということですね。

そうです。昨年サムライが売りに出ているのを偶然見つけ、半年間悩んだ末に買ってしまいました。このクルマは宝物ですね。

初めは興味本位から始まったジムニーライフが、まさか15年も続くなんて思ってもいなかったし、このクルマが僕のライフワークとなるなんて当時は思ってもいませんでした。

ジムニーが作ってくれたご縁も数えきれないほどあるし、自分の好きなことができているから、楽しい毎日を送ることができています。週末に、ジムニー乗りのみんなで林道ドライブやキャンプに行くのが楽しみだったりしますしね。

だから、これからも、僕らしくジムニーライフを楽しんでいこうと思います。

oma2さんがあまりにも楽しそうにジムニーに乗るので、大学生の息子さんが「ジムニーに乗りたい」と言ってきたそうです。

息子さんとツーリングに行くこともあるそうで、まだまだこれからも目一杯楽しむぞ!と意気込んでいらっしゃいました。
次は、息子さんの取材をさせて下さい♪

【Instagram】
oma2さん

(文:矢田部明子)

MORIZO on the Road