走るたびに増えていく「ありがとう」。真っ赤なシビックとの24年
ホンダ・シビック SiRⅡ(EG6型)のオーナー「シャクレイ」さんは、愛車と出合って約24年。もともと妹さんの愛車として迎え入れたシビックとのカーライフは、長い年月を経てシャクレイさんの“生きる支え”になっているといいます。
今回は、そんなシャクレイさんのカーライフを紹介します。
――シャクレイさんとシビックとの出会いはいつでしたか?
当時、妹がクルマ漫画「オーバーレブ!」にはまっていたんです。作品に登場する「片山アイカ」というEG6使いのキャラクターがいて、彼女に憧れて乗りたくなったそうです。女性がメインのクルマ漫画って珍しかったですよね。当時、クルマ友達にも青のEG6オーナーがいて、見るたびに「かっこいい」と言っていました。
――アイカさんはストイックさと人情に厚い性格が魅力的ですよね。では、あらためて、このシビックを迎え入れることになった経緯を教えてください。
妹が運転免許を取る前の年末、近所のショップにアイカと同じ赤いEG6が飾られているのを見つけたんです。妹の愛車候補としてチェックしていました。
ところが、年が明けて仲間から「あの赤いEG6、オークションに出て大阪へ流れたらしいよ」と教えてもらいました。中古車サイトの大阪エリアで検索をかけてみると赤のEG6が3台ヒットしたんです。
このなかにあのEG6もあるかもしれないと思いつつ、知り合いのショップに依頼して、3台のなかから状態の良さそうな個体を仕入れてもらうことにしました。 届いてから、いざ実車を確認したらビンゴだったんですよ! クルマを前にしてから、無限のホイールが特徴だったことを思い出したんです。縁を感じました。
納車は自分が受け取りに行きました。コンディションの確認がてら、地元のワインディングを流して帰ったことを覚えています。これまでブレーキを踏んでいたポイントも、ブレーキなしで無理なく抜けられるコーナリングの良さに感動しました。
――約24年という年月をともに過ごしているこのシビックとは、ずっと一緒だったんですか?
妹から引き継いでからは、転勤の関係で10年ほど眠らせていた時期もありました。なので、しっかりと乗り始めてからは14年くらいになりますね。
――シャクレイさんとシビックは「ともに生きてきた」という感じですよね。ところで、いつクルマが好きになったんですか?
3歳のころに読んだ絵本が原点とだと思います。「スキャリーおじさん」シリーズとか「チャイクロ」が好きでしたね。絵本のなかで、クルマと飛行機と競走するシーンがあったんですよ。それがすごく印象に残っています。「赤いクルマが好き」という好みが、この頃確立されたような気がします。
小さいころから乗りものが大好きで、遊園地のゴーカートやバギーにもよく乗っていました。
――なぜクルマに惹かれたんでしょう?
幼い頃は、ぜん息をもっていて体力に自信がなかったので、いろいろな乗り物への憧れが強かったんだと思います。
――シャクレイさんにとって、クルマは生き物という視点なんですか?
絵本を読んで育ったので、クルマをキャラクターみたいに見てたと思われがちかもしれませんよね。そうだとも思いますが、意外と「道具」という感覚が強かったです。自分が長男だからかもしれません。きょうだいが多いせいか、一歩引いた冷静な視点で物事を見ることが多いですね。
――シビックに乗り始めてからカーライフに変化はありましたか?
オフ会やイベントに参加するようになって、人のつながりを大切にしたい想いが強くなりました。クルマ仲間やクルマ関連のレジェンドの皆さんとも交流するようになりました。
ツインリンクもてぎで開催されたホンダ系のミーティングへ参加したときには、NSXやS2000の開発責任者で知られる上原繁さんとお話する機会があり、エンジン設計を担当されていた川田恵一さんとも顔馴染みになれたことがうれしかったです。土屋圭市さんにお会いしてEG6を褒めていただいたこともあるんです。レーシングドライバーの大湯都史樹さんがGR Garageを訪れたときのYouTube動画には、ウチのEG6が映り込んでいます(笑)。
このような貴重な体験を重ねるうちに、このEG6を通して自動車文化に少しでも貢献できそうなことはないだろうかと思うようになりました。
――実際に行っていることはありますか?
さまざまなクルマのオーナーさんと、おそろいのサンシェードを付けて記念撮影をするという活動を楽しんでいます。
始まりは、年の離れた弟と映画「カーズ」を観に行ったことでした。観にいくまでは正直なところ興味はなかったのですが、観てみたらすごく感動して、たちまちファンになってしまいました。そうしたらたまたまカー用品店でカーズのサンシェードを見つけ、購入したんです。それが、子どもにめちゃくちゃウケが良かったんですよね(笑)。
装着した写真を何気なくSNSに載せたところ、ある方から「私もカーズのサンシェード使ってます。一緒に写真を撮りませんか?」とコメントをいただいたんです。この出来事をきっかけに「いろんな人と一緒に撮ったらおもしろいかも」と思い、もうひとつサンシェードを買って、さまざまなクルマと記念撮影するようになりました。おかげさまで現在、700台を超えました。
――すごい! ぜひ 1000台超えを狙いたいですね。
オーナーさんのなかには「幼稚園を新築したから見に来てよ!」と誘ってくれた方もいました。この撮影を通して、シビックだけじゃなく人の輪がどんどん広がっていった感じですね。出会いに感謝しています。
――JAFのオートテストにも取り組まれていますよね?
そうですね。病気で1年近く休職していた時期に、そのリハビリも兼ねて「自分の運転を見直そう」と思ったのがきっかけです。この競技は運転の正確さや車両のコントロールが問われます。車種を問わず参加できるので、モータースポーツの入門にもぴったりです。
自分は山口県の大会に出場していますが、全国各地で開催されているので、旅行を兼ねて参加できるのも魅力ですね。動画サイトでも競技風景がたくさん発信されています。「EG6が元気に走ってるんだ」と喜ばれることもあり、励みになっています。今年は中国地方戦全戦参戦が目標です。
――SNSを拝見していると、訪れた先の“地域色”も積極的に発信されているように思います。
訪れた地域の歴史や人の営み、文化を感じ取ることも大切だと思うようになり、感じたことのアウトプットとしてSNSでも発信するようになりました。
――そうなると、ロングドライブが多いと思いますが、ドライブ中の車内で音楽は聴いていますか?
Aimerが好きでよく聴いています。「RE:I AM」がお気に入りです。ノリノリのアップテンポもいいですが、こういうゆったりと力強い曲が、ロングドライブには合うと思っています。
以前、彼女を迎えに行くときにこの曲を聴いていたんです。そうするともっとドライブしたくなって「このまま広島から宝塚へ行こう!」って、いきなり旅行になったこともありました(笑)。
――すごい行動力ですね! 今後はどんなカーライフを目指していきたいですか?
まずは長く、気持ちよく走り続けるコンディションを保ちたいです。メンテナンスはこれまで通りディーラーさんにお願いしたいと思いますが、できるだけ若い整備士さんに担当していただきたいです。EG6特有の症状や点検ポイントを共有しながら、実車を教材にしてもらうつもりで構いません。
日本にこういうクルマがあったこと、カーライフの楽しさを次世代に手渡したいと願っています。EG6を運転できなくなる日が来たら、誰かに託したいですね。
自分はいま40代ですが、おかげで若い頃よりもドライブが楽しいです。出会ったすべての方に感謝しています。
長い時間のなかで、シビックはシャクレイさんによって「機械」から「パートナー」へと変わっていったのだと思います。
イベントやオフ会でシャクレイさんと会う機会があれば、気軽に「一緒に撮りましょう」と声をかけてみてください。その一枚も、きっと物語の続きになるはずです。
(文:野鶴美和 写真:シャクレイさん提供)
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