レトロなコペンを夢見て。手作りで完成形を目指し、その先に見る“のんびりカーライフ”
「気付いたらコペンのカスタムパーツをDIYしていました」
そう話すのは今回お話を伺うinoueさん33歳。
ダイハツ・初代コペン(L880K型)を愛車に迎える前は、運転免許を取得後すぐに購入したコンパクトカーに約7年間乗っていたそう。当時はクルマ=移動手段という認識でしたが、コペンと出合い“クルマを持つことの楽しさ”に気付いていったと教えてくれました。
現在はレトロ調のパーツを自作する日々を楽しんでいるというinoueさんに、コペンと出合ってからの約8年間はどのようなカーライフだったのか伺いました。
今回は、inoueさん×コペンのお話です。
――コンパクトカーからコペンへ乗り換えるきっかけは何だったのでしょう?
コンパクトカーに乗っていた当時、一人で運転することが多かったのですが、ずっと車内がだだっ広く感じていたんですよね。荷物がたくさん積める点は魅力でもあるのですが、自分的にはなんだかしっくりこない感覚があったんです。それで「次のクルマは車内が狭い、小さいクルマがいいな」と思うようになって……ちょうどそのタイミングで日産フィガロを見かけたんです。
――フィガロがコペンとの出合いに関係していたと?
フィガロを初めて見たとき「レトロっぽい凝ったデザインのクルマってめちゃくちゃいいな」って、古き良きデザインが自分の好みなのだと気付いたんです。それでフィガロというクルマを調べたのですが、年式がかなり古いため、どうしても故障も多いという情報を知って、経済面などを考慮した結果諦めたんです。
フィガロのようなレトロ調な見た目で、何かほかにクルマがないか探した結果、コペンというクルマが出てきたわけです。
――コペンのデザインがinoueさんに刺さったんですね!
そういうことです(笑)。
コペンを買う人って「軽スポーツカーであり、オープンにもできるクルマ」という点に惹かれて買う人が多いと思うのですが、当時の自分はそれすら知らない状態で(笑)、ただただコペンのデザイン性にめちゃくちゃ惹かれたんですよ。そのふたつの要素を知らない状態でも自分にとって、十分魅力的なクルマでした。
――じゃあ“初代”を選んだのは、デザインに惹かれたということなんですね!?
初代のデザインがめちゃくちゃ可愛く感じたというのもひとつの理由ですが、ほかにもありまして……実は、購入前にコペンについて調べていたとき、初代コペンを自分好みにアレンジしている人をSNSで見つけたんです。レトロ調にカスタムしているコペンを見て「うわ!めちゃくちゃいいな!」って感じて「自分も初代コペンにこういうカスタムがしたい!」って思ったんです。カスタムについてはそのとき、漠然とですがイメージしていましたね。
――このレトロ調のカスタムパーツってすべて市販のものなのでしょうか?
実は、カスタムパーツはほぼ自作で、内装のパネルとかも全部DIYしたんですよ!
――えっ!?てっきり市販のものかと思いましたよ! すごすぎます!
クルマにあまり興味がなかったので、もちろんクルマをイジる知識もなく、パネル形成も最初はまったく分からない状態だったのですが「パーツが売ってないなら自分で作ってみるか!」って思い付いたのがきっかけでしたね。
――具体的にどういう風に自作していったのでしょう?
そのパーツを作るのにはどうすればいいか、どの素材がいいかを調べて、FRPという素材がパーツを作る上でいいという情報を得たりしていきました。じゃあFRPはなんぞや?って、素材の特徴なども調べてネットの動画を参考に、ほぼ独学で自分流にやっていきましたね。
――実際に作ってみた時はどうでしたか?
難航することも多々ありましたが、「うまくいけた!」みたいなときもありましたね。最初は慣れていなかったので、今見ると「ここをもうちょっとうまくできたな」って思うことが多々ありますが……なので、インパネのセンターにはめてある木目のパネルは作り直したやつなんですよ!
自分の中のレトロなイメージを再現していく中で、さまざまなクラシックカーのちょっとしたパーツを流用したりもしていて、例えば車内のトグルスイッチはフィアットのパーツを流用していたりします。
――めっちゃ素敵です!外装にもかなり工夫が見えますね!
ありがとうございます。最近だと給油口を剥き出しスタイルにアレンジしました。これ、元々はふさがっていた部分なんですよ。
――すごくおもしろい! というかここの一箇所だけでもめちゃくちゃ可愛いです!
付けているキャップはジムニー用のパーツを使っていて、アンティークのブリキ缶の蓋を被せたりして加工しているんですよ。給油カップに付けているレザーも作ってみたりしています。
――inoueさんはそういったカスタムを中心としたカーライフを楽しんでいるのでしょうか?
最近はそうなってしまっていますが、ちゃんと週1くらいで乗ろうと思っているんですよ。
もっぱら一人でドライブすることが多いのですが、たまに地元のコペン仲間と集まってどこかへ行ったりもして、カスタムだけじゃなく、ほかの楽しみ方もちゃんとしています。
――コペンとのカーライフで一番楽しさを感じる瞬間ってどういうときなのでしょう?
コペンオーナーの集まりなどに参加してワイワイ話したり、ツーリングをしたりするのもめちゃくちゃ楽しいと感じますし、一方で一人のドライブも最高ですし……一番は選べないです(笑)。
――てっきり“カスタム”なのかと勝手に予想していました。
結局のところ、カスタムはあくまでも自分の理想像を作るための作業なのかもしれないです。自分の最終的なゴールって、理想の姿のクルマでのんびりカーライフを送ることなんですよね。なので、今はその過程なのだと感じます。「自分好みのコペンでドライブやオフ会を楽しみたい」っていう目標のために作っている感覚が近いでしょうか。
――なるほど、とても腑に落ちました! 今は理想にかなり近い状態なのですか?
内装はもう、ほぼ完成したと思うので、あとは外装ですね。今作成しているパネルが完成したら終わりという段階まできています。それを達成したら、メンテナンスや補修は続けつつ、新しい趣味でも見つけながらコペンとのドライブをもっと増やしていきたいですね。コペンはこの先もずっと乗っていくのかなって感じています。
――inoueさんにとってコペンはかなり特別な存在になっているのですね!
なんだかんだいって、生活の中心みたいな感じになっています。楽しみになっているというか、カスタムも仕事が終わって帰宅後、時間があると「進めるか!」と思いますしね。自分の生活のど真ん中にコペンがあるのだと思います。
コペンの購入時は、ここまでカーライフを楽しむ自分の姿を想像していなかったと話すinoueさん。「同じような仕様でクルマを作っています!」というメッセージがSNSで届いたときは、喜びがひとしお身にしみたのだとか。
inoueさんお手製の初代コペンは、かつて心惹かれたあのときの初代コペンのように、また誰かの心を魅了していくのだろうと思います。
【Instagram】
Inoueさん
(文:秦 悠陽 写真提供:inoueさん)
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