アメリカンスタイルがお洒落で渋い! トヨタ・カムロードのキャンピングカーで、家族とアウトドア&クルマ旅を満喫
いま、キャンピングカーが幅広い層から注目を集めている。
キャンピングカーは、移動手段としての「クルマ」と生活空間としての「家」という、2つの要素を兼ね備えた自動車だ。どんな場所でもプライベート空間を確保できるのが、キャンピングカーの最大の魅力。クルマ旅、アウトドア、趣味のベース基地、移動オフィス、防災シェルターなど、乗り手のライフスタイルによって使い方の可能性は無限に広がる。
一昔前は、定年後にキャンピングカーを購入して夫婦で旅を楽しむ年配ユーザーが多数派だったが、ここ数年は、マルチに活用できるキャンピングカーの有用性に対する理解が幅広い層に浸透したこともあり、小さな子どもを持つ若いファミリー層にまで、その人気が広がっている。
ここで紹介する埼玉県在住の小林 力さんも、若かりし頃からキャンピングカーライフを楽しんできた一人だ。
「20代の頃に内装を自作したE24キャラバンをはじめとして、200系ハイエース・ワイドロング、200系ハイエース・スーパーロング、現在のキャブコンと、4台のキャンピングカーを乗り継いできました。キャンピングカー歴は、もう20年近くになりますね」
現在の愛車は、キャンピングカー専用シャーシのトヨタ・カムロードをベースに、居住部分のキャンパーシェルを架装した、キャブコン(キャブ・コンバージョン)と呼ばれるモデルだ。
コクピット上部にリーゼントのような張り出しを持つ特徴的なフォルムは、まさに「ザ・キャンピングカー」! バンやワゴンをベースに架装したバンコン(バン・コンバージョン)と並んで人気が高いこともあり、“キャンピングカー”と聞いてパッとキャブコンの姿を頭に思い浮かべる人も多いのではないだろうか。
そんなキャブコンの数あるモデルの中から小林さんが選んだのは、山梨のキャンピングカービルダー・MYSミスティックが販売する「アンセイエ」というモデルだ。
トラックをベースにしたキャブコンは、貨物車のイメージを強く残したデザインが一般的だが、このアンセイエは、クラシックなアメリカンモーターホームを彷彿とさせるUSライクなエクステリアデザインが最大の特徴だ。
逆スラントのバンク(コクピット上部の張り出し部分)形状や、アルミサイディングの外壁が、キャブコンのイメージを覆す唯一無二の個性を生み出している。
「若い頃からクルマが大好きで、キャンピングカーといえどもカッコ悪いクルマには乗りたくなかった。アンセイエがデビューした時から他のキャブコンとは違う個性的なスタイルに惹かれていたので、『キャブコンに乗り替えるなら、コレしかない!』と心に決めていました」
そう語る小林さんの愛車は、純正のアメリカンイメージをさらに強調したオシャレなビジュアルがポイントだ。もともと個性の強いエクステリアに、ボンネットのカーボン調ラッピングやバンパーのチッピング塗装、メッキのリムリングをセットした鉄チンホイールなどのカスタムをプラスすることで、他のキャンピングカーとはひと味違うオリジナリティを演出している。
エクステリアのみならず、居住スペースもアメリカンテイストのDIYカスタムでトータルコーディネート済み。実用性が第一に重視されるキャンピングカーにあって、見た目のカッコよさにも徹底してこだわったのが小林さん流だ。
アッパーキャビネットの扉には木目調のリメイクシートを貼って、山小屋のように落ち着きのある空間を演出している。
エントランス横には、ホームセンターで購入した板でシューズボックスを製作し、オイル仕上げでアンティーク風にフィニッシュ。キッチンにも、同様のデザインでスパイスラックを追加した。
「アンセイエがもともと持っているデザインを崩さずに、よりアメリカンなイメージを強調する。それが一番こだわった部分ですね」
車内には、テーブルを囲んでゆったりと休憩や食事ができるリビングスペースをはじめとして、2口ガスコンロ・シンク・冷蔵庫・電子レンジを完備した本格的なキッチン、トイレルーム、5人分のベッドスペース、車内で電気を使えるサブバッテリーシステムなど、便利な装備が満載されている。
エンジンを止めた状態で使用できるヒーターや家庭用エアコンまで搭載されており、季節を問わずに快適なキャンピングカーライフを送ることが可能だ。
家族でテーブルを囲んで食事ができる。眠くなったら、車内のベッドで就寝できる。雨や雪などの悪天候時に、外のトイレに行かなくて済む。寝る前や起床後に、シンクで洗顔や歯ブラシを済ませられる。キッチンで自炊できる……。キャンピングカーがあれば、車内で生活のすべてを完結することが可能だ。
「ワンボックス車のキャンピングカー時代は寝るだけという感じでしたが、いま乗っているキャブコンは、家族でゆったり過ごせるのが最高ですね。自宅にいるような感覚で快適に生活できるので、インドア派の妻がキャンプにも付いてきてくれるようになりました(笑)。キャンピングカーってアウトドアのイメージが強いですけど、実は家ごと持ち運べる『究極のインドアツール』なんですよ」
お気に入りの愛車で、1年を通して家族と充実したキャンピングカーライフを送る小林さん。
冬はスノーボードで毎週のように雪山に通い、夏は海や湖でSUPやウエイクボードを楽しむ。ほかにも、家族や友人とキャンプをしたり、車内で生活できる利便性を活かしてクルマ旅を楽しんだりと、キャンピングカーを使った遊び方は多岐にわたる。
そうした様々な遊び方の中でも、小林さんファミリーのライフワークと言えるのが、キャンピングカーを使って家族で長期旅をすることだ。ゴールデンウイークや夏休み、年末年始には、長期休暇を取って北海道や四国などに遠征し、10日間ほどかけて自由気ままなクルマ旅を楽しんでいる。
「2021年~2022年の年末年始には、『原爆ドームを見学に行きたい』という小学校6年生の息子の意見を聞いて、キャンピングカーで広島に行ってきました。行きは高速道路を利用しましたが、帰りは広島から埼玉までずっと下道で移動。岡山、兵庫、大阪、京都、三重などの観光地を回りながら、のんびりと帰ってきました。この自由さが、キャンピングカー旅の魅力ですね」
車内に生活空間が確保されているキャンピングカーの最大のメリットは、宿泊施設の予約を取る必要がなく、時間に縛られず自由な旅ができること。小林さんも、そのメリットを存分に享受して、キャンピングカーならではの旅のスタイルを確立している。
「旅に出る時は、基本的に無計画。1カ所目的地を決めたらとりあえず出発して、あとは『行きたい場所』『食べたいもの』を現地で相談しながら決めていきます。自由気ままな『行き当たりばっ旅』が、我が家のスタイル(笑)。それができるのも、キャンピングカーがあればこそです」
キャンピングカーを駆使して、家族と共にかけがえのない時間を過ごすことが、小林さんの日々の活力源だ。旅を通じて、家族3人で「楽しみ」「驚き」「喜び」「感動」のすべてを共有し、時にはトラブルさえも力を合わせて乗り越える。
キャンピングカーは単なる「乗り物」ではなく、家族の絆を深めてくれる大切なツール。笑顔にあふれた小林さんファミリーのキャンピングカー旅は、これからもずっと続いていくことだろう。
(取材・文:岩田一成 / 撮影:佐藤亮太 / 編集:ダズ)
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