カーナビやドラレコなどもコネクティッド。クルマメーカー以外が手がける“つながる機能”―クルマのトレンドワード⑨
自動で走ったり、電気で動いたり、インターネットにつながったりと、クルマを取り巻くトレンドは今、めまぐるしく変化を続けている。この連載では、なんとなく分かった気になってしまいがちな最新キーワードを整理して、現在進行形のクルマのトレンドに迫っていく。
前回までは国内外のクルマメーカーのコネクティッドサービスを解説してきたが、ここではカーナビやドラレコなど、サードパーティ企業が手がける車載機器のコネクティッドについて紹介しよう。
- パイオニアの「AVIC-CQ910-DC」
スマートフォンのアプリをカーナビとして活用しているドライバーも多いかもしれない。最新の地図データへのアップデートが早いという、大きなメリットがある。
一方従来のカーナビは、地図データをSDカードでカーナビに移して更新したり、ディーラーなどで更新したりといった面倒くささがあった。
しかしイマドキは、インターネットに接続して直接最新データを取得できる、コネクティッドなカーナビが登場しているのだ。
たとえばパイオニアでは、「AVIC-CQ910-DC」などいくつかの製品で「docomo in Car Connect」と呼ばれる車載向け通信サービスに対応したネットワークスティックを同梱している。
通信費用は別途発生するが、NTTドコモのLTE回線を利用してカーナビからダイレクトにインターネットへ接続し、簡単に地図データを更新できるようになっている。
さらに、目的地までのルート検索では、インターネット上のサーバーとつながって膨大な情報を高速に処理し、最適なルートを提示する機能を備えた機種もある。
- スマートフォンやタブレットなどからインターネットに接続できる「docomo in Car Connect」
スマホアプリとの連携もカーナビのトレンドだ。ケンウッドの「MDV-M906HDL」などでは、スマホを接続することで目的地検索などにおいて音声入力が可能になる「VOIPUT」や、駐車場の満空情報やガソリンスタンドの価格情報を表示する「KENWOOD Drive Info.」などの機能を利用できる。
- ケンウッドの「MDV-M906HDL」
デンソーでは、スマホを基点にコネクティッドサービス的な利便性をカーナビに追加するアプリ「NaviCon」を提供している。これはスマホで設定した目的地を、BluetoothやUSB経由で対応カーナビに転送できるというアプリだ。
映像に加え事故情報も送信するドライブレコーダー
コネクティッドな車載機器としてもう1つ見逃せないのが、通信機能を搭載したドライブレコーダーの存在だ。
こうしたドライブレコーダーで現在主流となっているのは業務向けのもので、映像の記録という本来の役割に加え、GPSを用いた走行情報、危険運転を検知した際に企業の管理者に通知するといった機能を備える。
また、専用ドライブレコーダーと組み合わせた個人向けの自動車保険も登場している。
三井住友海上の「GK 見守るクルマの保険(ドラレコ型)」では、保険利用者に対して通信機能を内蔵した専用のドライブレコーダーが提供される。
このドライブレコーダーが一定以上の衝撃を検知し、約30秒間車両の移動が確認されない場合は、位置情報や衝撃検知時のイベント記録(衝撃発生の前後15秒間の映像)を三井住友海上に送信するほか、ドライブレコーダーを通じて保険利用者に安否確認コールが行なわれる。また走行ルートや運転診断結果をスマホで確認できるといった機能もある。
- 三井住友海上の「GK 見守るクルマの保険(ドラレコ型)」では、ドライブレコーダーがインターネットに接続し、データの送信やドライバーへのサポートなどを行なえる
今後、5Gなどさらにモバイル通信環境が整備されれば、このようなコネクティッドサービスが組み込まれたカーナビやドライブレコーダーなどの車載器はさらに増加し、機能の進化も進んでいくだろう。
次回はガラッと変わって「サブスクリプション」について。音楽や映画などのコンテンツ、洋服、コスメなどさまざまな分野に広がり続ける定額制、サブスクが「クルマを所有すること」にどのような変化をもたらすのか紹介していく。
[ガズー編集部]
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