5Gが変えるコネクティッドサービスとモビリティの未来―クルマのトレンドワード⑬

自動で走ったり、電気で動いたり、インターネットにつながったりと、クルマを取り巻くトレンドは今、めまぐるしく変化を続けている。この連載では、なんとなく分かった気になってしまいがちな最新キーワードを整理して、現在進行形のクルマのトレンドに迫っていく。

これまで、クルマがネットワークと接続することで利用できる「コネクティッドサービス」について説明してきたが、今回はそのネットワークに大いに関係のある次世代移動通信システム「5G」について紹介する。

KDDIが自動運転の実証実験で使用した車両
KDDIが自動運転の実証実験で使用した車両

大容量の動画コンテンツをあっというまにダウンロードできたり、遠隔地の医療に役だったりということから、ニュースなどで「5G」という言葉を聞くようになってきた。
ここまで紹介してきた一連のコネクティッドサービスを、一気に進化させる可能性がある通信技術として期待されているのがこの5Gだ。

5Gはスマートフォンなどの通信に用いられる移動通信システムの最新規格であり、「5 Generation(5世代目)の規格」であることから5Gと呼ばれている。
特徴は「高速通信」「低遅延」「多接続」。現在使われている4Gと比較して、通信速度が約20倍、遅延(通信の信号が相手に届くまでの時間)を10分の1に短縮、さらに同時に接続できる端末数を10倍に拡大している。

5Gの特徴は「高速通信」「低遅延」「多接続」(画像提供:KDDI株式会社)
5Gの特徴は「高速通信」「低遅延」「多接続」(画像提供:KDDI株式会社)

この5Gの特徴は、コネクティッドサービスで大きな恩恵をもたらす。
たとえば膨大なデータ量となるクルマの走行データを、短時間でクラウドに送信でき、得られた情報をクラウド上で分析して、その結果から判断してクルマを制御でき、その制御に至るまでのタイムラグを最小限に抑えることができる。そしてこれらの作業をより多数のクルマと同時にやり取りできるのだ。

また、5Gはコネクティッドサービスを進化させるだけでなく、モビリティそのものを大きく変える可能性も秘めている。その具体例として紹介したいのが、2019年2月にKDDIなどが行なった「5G等を活用した複数台の遠隔監視型自動運転の実証実験」だ。

これは自動運転車に遠隔監視・制御用の5台のカメラ、そして高精細な4Kカメラ1台を搭載し、遠隔管制室に5Gで映像を送信することで遠隔での監視を行なうというもの。また遠隔管制室には自動運転車両を制御するためのハンドルやアクセルがあり、障害物を検知して自動停止した際などに、遠隔運転で回避できる環境が整えられている。

同様の実験は従来から行なわれていたが、2018年度までは時速20kmまでの走行しか許可されていなかったのに対し、高速・大容量、低遅延の5G回線を使うことで、時速30kmでの実証実験が許可されたという経緯がある。

今は実証実験の段階だが、将来的にこの仕組みを使って複数のバスで自動運転を行ない、管制室で集中管理するといったことが実現できれば、公共交通機関におけるさまざまな課題が解決する可能性が高まるだろう。

いずれにしても、今後のモビリティを考える上でネットワークは欠かせない存在であり、移動している車両で安定した通信を行なうためには、移動通信システムは必要不可欠だ。その最新規格である5Gが、これからのクルマをどのように変えていくのか、大いに注目したい。

au 次世代のワクワクを、5Gで広げよう
https://www.au.com/mobile/area/5g/

次回は、5Gやその後の通信システムも大いにかかわるであろう、クルマメーカーのトヨタが作る街「Woven City」について紹介する。

[ガズー編集部]

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