ニュル24時間の現地での楽しみ方はいっぱい! レース観戦+αで楽しもう
モータースポーツ好きなら一度は行ってみたいと思う人も多い「ニュルブルクリンク24時間レース」。
日本からチームの応援ツアーで行くという手もありますが、せっかくならアウトバーンやニュルブルクリンクを自分で走ってみたいと思う方も多いのでは?
ということで、今回実際に現地で取材を行ったカメラマン兼ライターである筆者が、実際に行く時に必要な準備や現地での様子などをご紹介します。
前編ではニュルブルクリンクに旅立つまでの準備について説明しましたが、後編では飛行機で到着してから現地へ向かう様子、さらにニュルブルクリンクでの楽しみ方などをお届けしましょう。
さあ到着! ドイツに入国してレンタカーをピックアップ
前編でもお届けした通り、フライトは14時間くらいかかります。機内に入ってしまうと機内食が2回出るのと、消灯になるのは昼便でも夜便でも同じです。
大まかに、日本を朝出発すると現地に夕方に到着、夜の出発便だと現地の朝に到着します。
夕方に現地に着く便の場合、その日の宿泊については要注意です。夕方に着いて移動を開始するとニュル周辺は夜になってしまい夕食などにもありつけなくなる可能性が高いです。
その点朝現地に着く便だとそのまま行動できるので良い場合もあります。前後のスケジュールや体調などを考慮して選んでください。
さて、いよいよドイツに到着しました。まずは入国です。入国審査はEU圏とその他に別れます。順番に待ち入国審査を受けましょう。その後荷物を受け取るともうドイツでの旅がスタートです。
JALは第2ターミナル、ANAとルフトハンザは第1ターミナルに到着します。
その後自分が予約してあるレンタカー会社がどちらのターミナルにあるのか確認して移動しましょう。
自分はANAで第1ターミナルに到着しましたが、レンタカー会社が第2ターミナルだったため、ターミナル間を走るバスに乗って移動しました。
レンタカーの受付で、予約ナンバーを伝えると手続きしてくれます。予約表と免許証、国外免許証、パスポートなどが必要になりますので用意しておきましょう。無事に受付が終わると鍵を渡してくれます。
カタコトの英語でもある程度の意思疎通はできますし、国際空港のカウンターだけあって、さまざまな国からレンタカーを借りに来るので、対応は慣れたもののようです。
鍵を受け取ると自分で車をピックアップしに行きます。日本のレンタカーだと「この車ですよ」と用意してくれますが、そんなことはなくレンタカー専用の駐車場に行き、自分でピックアップする必要があります。
各社ごとに別れた駐車場から自分の車を見つけ出しそのまま乗っていきます。車両確認などは行われませんので、自分でまずぐるっと見回して傷の状況なども確認しておきましょう。
返却時にスタッフに確認されることもあるので、指摘された際に問題が起きないようにしておくのは大事です。
さて、いよいよ出発です。レンタカーにはモニターは付いていましたがナビは入っていませんでした。仮に入っていてもドイツ語では操作もできません。
そこで役立つのは、Googleマップなどの地図アプリ。USB接続すればApple CarPlayやAndroid Autoなどが立ち上がり日本語の案内で走ることができます。これだけでも安心感は全然違いますね。
駐車場は地下なのでまず地上に出てマップの受信を安定させましょう。そこからニュルブルクリンクや宿泊施設などを検索してルート案内を開始。
今回筆者がニュルブルクリンクへルート検索を行ったところ、Googleマップは最短距離のルートをオススメしてくるので、アウトバーンではなく一般道をひたすら通っていくルートを案内されました。
もちろんそれでも行くことは可能ですし、無理にアウトバーンに乗る必要もありません。
フランクフルト国際空港からニュルブルクリンクまで約180km・3時間くらいなのですが、アウトバーンを乗り継ぎながら走った方が快適です。
遠回りになるためナビは下道を随時選んでくると思いますが、アウトバーンを走った方が結果的に早く着くと思います。せっかくならアウトバーンを走ってもみたいですしね。
アウトバーンは速度無制限と思われがちですが、実はかなり細かく速度制限を行っています。80km/h、120km/hなど表示が出るとみんな一斉に速度を落とします。そして制限解除のマークが出るとまた速度上げていく、ということを繰り返します。
この辺は日本とは違い、かなりはっきりと制限速度の上げ下げを行うので、制限速度にあわせた走りをしましょう。
そして、追い越し車線をのんびり走る車もいません。自分の車の性能や運転技術にあわせて自分が走るべき車線をしっかり守っています。
アウトバーンを乗り継いだ後に一般道を走っていくと、街に入るときに路肩に立つ電光掲示板で速度オーバーと表示が出ることもあります。
郊外は70~80km/hで走行していても、街中は30~50km/hときっちり速度を落とします。そのため街中に入る時に、速度が高いと表示されることがあるんです。このあたりも地元のドライバーはきっちり速度を落とすので、メリハリの効いた走りが大事です。
さて、そうこうしているとニュルブルクリンクに到着します。レースウイーク以外では駐車場も簡単に止められファンショップやミュージアムも見学することができます。
レースウイークは少し離れた駐車場に車を止めてシャトルなどでサーキットに向かう必要があります。
サーキットへの入場料は金曜〜日曜で70ユーロ掛かります。入場ゲートでパスチェックも行われます。
サーキット内は日本と似ていてピットにマシンが入っている場合と、パドックのテントにマシンが入っている場合があります。大きなメンテナンスを行う時はテントに戻して作業を行っている様子が見られます。
もちろん勝手にテントやピット内に入ることはできませんので、節度を持って見学しましょう。
ビールとソーセージ片手に! 観戦スタイルも色とりどり
グランドスタンドはサーキット常設でしっかりとした椅子が用意されていますので、ゆっくり座って見られます。
北コースに行くと椅子などの用意はないので立ち見での観戦になります。地元の方は椅子を持ってきていますので、可能であればコンパクトな折りたたみ式の椅子を持っていけたらいいかもしれません。
北コースの観戦ポイントはキャンプサイトになっていることが多く、観戦しながらビールを飲んでゆっくり観戦している方が多いイメージです。ビールや軽食を売っている出店が出ているので、そこで買い物をして飲食しながら観戦できます。
場所によっては櫓(やぐら)を組んで、大音量で音楽を流しながら楽しんでいる場所もあります。その感じはまるで音楽フェスみたいです。
そんなお祭りでも、観客のみなさんは深夜になるとキャンピングカーに戻り就寝していました。さすがに24時間飲みながら観戦している人はいないようでした。
日本から観戦しに行った場合、夜は宿泊施設に戻るのが良いかもしれません。寒さや雨が降った場合に逃げ場がなくなってしまいますので、注意が必要ですね。
地元のグルメに舌鼓
サーキットの楽しみの一つにサーキット飯がありますが、基本的には軽食がほとんどで、ソーセージをパンに挟んだものやカリーヴルスト(カットしたソーセージにトマトソースとカレー粉をかけたドイツのソウルフード)などがほとんどです。
今回はフードトラックが並んだスペースもあり、ハンバーガーなどのメニューもありましたが、多くはソーセージを使った料理です。
しかしこれがどれも美味しく簡単に食べられるのが良いところです。カリーヴルストのポテトは量が多くてちょっとギブアップしたときもありますが、どれもお手軽に食べられるものばかりです。
レース観戦以外の楽しみ方もご紹介
サーキット内には仮設の観覧車も用意されます。日本のように1周したら終わりではなく、数周したら降りるという感じでぐるぐる回してくれます。
乗るゴンドラは屋根なしタイプで乗降時には停止するので、頂点付近で待機になるとちょっと怖い感じがするかもしれませんね。昼夜で乗車できますので違った雰囲気を楽しめます。1回6ユーロです。
パドック内にもファンショップが出店していますが、グランドスタンドにあるファンショップゾーンに向かうとニュル24時間レース公式グッズや、ニュルブルクリンク公式のグッズ、チームのグッズなどが手に入ります。どれもついつい購入したくなるカッコよさです。
イベントスペースでもさまざまな展示が行われているので、車やバイクなどを見て回るのも良いですね。
せっかくなら専用レンタカーでニュルを走ってみよう!
FIA GT3マシンを筆頭に、さまざまなレーシングカーの激闘が繰り広げられるニュル24時間ですが、現地で観戦するとどんなコースなのか実際にニュルブルクリンクを走ってみたいと思ってしまうかもしれません。
実は走ることができるんです!
ニュルブルクリンクには一般に解放している時期と時間があります。しかし一般のレンタカーでの走行は制限されていることが多いので、現地に数多くあるレーシングレンタカーに相談してみましょう。
いろいろなレベルの人が楽しめるようにコンパクトカーからスポーツカーまでいろいろな車種が用意されています。
基本は1周いくらで値段が決まっており、エクストラで周回するとその分お金が発生します。何周分と燃料費でいくらというようにパッケージされたものもあります。レンタカー会社によって違いますので、いろいろ見てみるといいかもしれません。
サーキット観戦が慣れていれば意外と難しくないかも!?
楽しい時間は早いもので、帰国に向けてフランクフルト国際空港までレンタカーで戻ります。レンタカーは燃料満タン返しが基本となっていますので、空港のガソリンスタンドで給油するのがいいでしょう。
各ターミナルにレンタカー返却口があるのでそこから入り、レンタカー会社の人にチェックを受けてOKをもらえば返却完了です。
あとは空港で飛行機のチェックインを行い搭乗すれば帰国となります。
筆者は何度かニュルブルクリンクに取材に訪れていますが、規模や金額は全然違うものの、実は国内のレース観戦と大きな差はない印象です。
飛行機などに乗って全国のサーキットに観戦に行く方なら意外と平気なのではないかな思います。
もちろん海外だけに、交通ルールの違いや街中で気を付けなければいけないことはありますが、きちんと準備すればきっと大丈夫!
気になった方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
(文、写真:雪岡直樹)
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