【SUPER GT】LEXUS LC500、ホーム富士で2-5位フィニッシュ GT300クラスでは嵯峨/平手組プリウスが2位表彰台

富士スピードウェイでSUPER GT第2戦が500kmレースとして開催。LEXUS勢は中盤まで首位を走行しましたが、2度目のピット作業で逆転を許し、ヘイキ・コバライネン/坪井 翔組 DENSO KOBELCO SARD LC500 39号車が2位、立川 祐路/石浦 宏明組 ZENT CERUMO LC500 38号車が3位表彰台。4位、5位にもLEXUS LC500が入り、LEXUS勢は惜しくも勝利を逃したものの、長丁場のレースで2位から5位を占める結果となりました。GT300クラスでは嵯峨 宏紀/平手 晃平組 TOYOTA PRIUS apr GT 31号車がレースを通して上位を争い、2位表彰台を獲得しました。

2位、3位表彰台を獲得したヘイキ・コバライネン/坪井 翔と立川 祐路/石浦 宏明
2位、3位表彰台を獲得したヘイキ・コバライネン/坪井 翔と立川 祐路/石浦 宏明

SUPER GT第2戦「FUJI GT 500km RACE」が5月3日(木)、4日(金)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。
恒例となったゴールデンウィーク開催の富士大会。例年通り、通常よりも長い500kmで争われました。
今大会は、WEC(世界耐久選手権)開幕戦スパ6時間に参戦する中嶋一貴と小林可夢偉が欠場。代わりのドライバーとしてau TOM'S LC500 36号車はジェームス・ロシターが、39号車は若き坪井が出場することとなりました。

  • 2位表彰台を獲得したDENSO KOBELCO SARD LC500 39号車
    2位表彰台を獲得したDENSO KOBELCO SARD LC500 39号車
  • 3位フィニッシュを果たしたZENT CERUMO LC500 38号車
    3位フィニッシュを果たしたZENT CERUMO LC500 38号車
  • GT300クラスで2位表彰台を獲得した嵯峨 宏紀/平手 晃平
    GT300クラスで2位表彰台を獲得した嵯峨 宏紀/平手 晃平
  • GT300クラスで2位となったTOYOTA PRIUS apr GT 31号車
    GT300クラスで2位となったTOYOTA PRIUS apr GT 31号車

予選

3日(木)は、前夜からの暴風雨は朝方には止んだものの、併催のFIA-F4の予選中に霧が濃くなり、赤旗で中断されると、その後の走行セッションもキャンセルに。午前中に1時間45分に渡って予定されていたSUPER GTの公式練習は、天候の回復した午後に僅か30分間のみ、加えて通常は2セッションのノックアウト方式で行われる予選も、各クラス20分ずつ、各1セッションのみの計時方式へと変更されて行われることとなりました。
昼のピットウォークの頃には霧も晴れて日差しも顔を出し、路面も完全なドライに。やや風は冷たいものの、気温21度、路面温度34度というコンディションで午後2時45分より予選が開始されました。
GT500クラスは午後3時15分に開始。セッションが始まると同時にほとんどの車両がコースインし、5周ほどでアタックを終えるとピットイン。
1度目のアタックを終えた時点で、全15台がほぼ1秒以内に入るという、今季のSUPER GTを象徴する、極僅差での争いとなり、セッション後半も緊張感溢れるアタックが繰り広げられました。
各車1分28秒台をマークしての争いとなる中、"富士マイスター"とも呼ばれる38号車の立川が、唯一1分27秒台に入れる驚速タイムでトップに浮上。終盤各車タイムを更新していくも立川のタイムには及ばず、立川が自身の持つGTでの通算ポールポジション記録を更新する23度目のポールポジションを獲得。2番手には16kgのウェイトハンデを積みながらも、38号車と僅か0.13秒差のタイムをマークした大嶋和也のWAKO'S 4CR LC500 6号車が続き、LEXUS LC500は"ホーム"富士でフロントローを独占する速さを見せました。
関口雄飛、コバライネンがアタックした36号車と39号車がそれぞれ4,5番手。国本雄資がアタックしたWedsSport ADVAN LC500 19号車は8番手、重めのウェイトに苦しみながらも健闘を見せた平川亮のKeePer TOM'S LC500 1号車は惜しくも他の車両に引っかかり9番手となりました。それでもLEXUS勢は、前戦岡山で苦戦した予選で最前列独占、トップ5に4台、そして全車がトップ10グリッドと速さ復活をアピールしました。
GT300クラスでは、今季よりSUPER GTにデビューし2戦目の18歳、宮田莉朋がアタックを担当することとなったSYNTIUM LMcorsa RC F GT3 60号車が大健闘を見せ6番手グリッドを獲得。平手晃平がアタックしたTOYOTA PRIUS apr GT 31号車も速さを見せ7番手。K-tunes RC F GT3 96号車は18番手、TOYOTA PRIUS apr GT 30号車が25番手、arto RC F GT3 35号車は27番手から決勝レースに臨むこととなりました。

決勝

4日(金)は朝から晴れ渡り、富士山もその雄大な姿を見せる中、グランドスタンドは5万人を超えるモータースポーツファンで埋め尽くされました。風は強いものの、日差しは暖かく、5月らしい過ごしやすい気候の気温18度、路面温度36度というコンディションの下、午後2時40分、静岡県警の白バイとパトカーに先導されての安全運転啓発パレードラン、フォーメーションラップを経て、110周(500km)で争われる決勝レースのスタートが切られました。
立川がスタートを担当した38号車、大嶋の6号車が最前列に並んでスタートを切りましたが、スタート直後のタイヤが暖まっていない状況で、ライバルの先行を許すこととなり、2位、3位へ後退。その後に続く形となったロシターの36号車とコバライネンの39号車はペースで勝り、LEXUS LC500同士での激しい上位争いが展開されました。
このバトルを抜け出したのが39号車のコバライネン。17周目に38号車をパスし、23周目のストレートでライバルのGT-Rに並ぶとTGRコーナー(1コーナー)進入で首位浮上を果たしました。
首位に立った39号車は、ライバルの追撃を何とか凌ぎながら、首位を守ったまま37周目終了で1度目のピットイン。コバライネンから22歳の坪井へとドライバー交代を行いました。
2015年、FIA-F4選手権の初代チャンピオンに輝き、今年は全日本F3とGT300クラスに参戦。今大会は小林可夢偉の代役として初のGT500車両でのレースとなった坪井ですが、初めてとは思えないほどの落ち着いたドライビングで首位を堅守。一時は2位を6秒以上も引き離しての好走を見せました。
その後方では、LC500同士の3位争いが激化。20周以上に渡って36号車の関口と、38号車の石浦によるバトルが繰り広げられました。
前戦2位、3位に入ったことで重いウェイトハンデを課されてのレースとなった6号車と、10番手スタートとなってしまった1号車も追い上げを見せ、1位と、3位から6位までをLC500が占める形となりました。
75周目、首位を守りきった39号車の坪井がピットイン。給油とタイヤ交換、コバライネンへのドライバーチェンジを行いましたが、翌周ピットへ向かったライバルは、ピット作業時間で上回り、39号車の前でコースに復帰。コバライネンはライバルのアウトラップでの逆転を狙いましたが惜しくも届かず。
レースの中盤を支配する速さを見せたLC500でしたが、惜しくも逆転は叶わず、39号車が2位、38号車が3位で表彰台獲得となりました。22歳の坪井は初のGT500出場でいきなりの表彰台獲得。また、坪井同様代役として出場したロシターが好走を見せた36号車が4位、6号車は5位。1号車は終盤まで6位につけていましたが、残り2周でかわされ7位フィニッシュとなりました。

GT300クラスでは、平手がドライブする31号車が7番手スタートからスタートで5位、翌周には4位へとポジションを上げ、前を行く車両を攻めて激しい3位争いを展開。GT300クラスは様々なピット作戦を採るチームが多く、順位は激しく入れ替わりましたが、終盤全車が2度目のピットを終えた時点で、2度目のピットでタイヤ無交換作戦を採った31号車は2位へ浮上。見事"ホーム"富士で2位表彰台を獲得しました。
予選で6位に入った宮田がスタートとフィニッシュの2スティントを担当した60号車も上位争いを繰り広げ、7位でフィニッシュ。ポイント獲得を果たしました。

SUPER GT 2018年 第2戦 富士 決勝結果:GT500

順位No.ドライバー名車名周回所要時間/差グリッドWH
123MOTUL AUTECH GT-R松田 次生/ロニー・クインタレッリ1102:52'02.048312
239DENSO KOBELCO SARD LC500ヘイキ・コバライネン/坪井 翔1109.7385 
338ZENT CERUMO LC500立川 祐路/石浦 宏明11023.45016
436au TOM'S LC500ジェームス・ロシター/関口 雄飛11033.1444 
56WAKO'S 4CR LC500大嶋 和也/
フェリックス・ローゼンクヴィスト
11035.326216
612カルソニック IMPUL GT-R佐々木 大樹/ヤン・マーデンボロー11036.21613 
71KeePer TOM'S LC500平川 亮/ニック・キャシディ11038.510922
88ARTA NSX-GT野尻 智紀/伊沢 拓也1101'02.19212 
9100RAYBRIG NSX-GT山本 尚貴/ジェンソン・バトン1101'17.5821030
103CRAFTSPORTS MOTUL GT-R本山 哲/千代 勝正1091 Lap78
1219WedsSport ADVAN LC500国本 雄資/山下 健太1082 Laps84

SUPER GT 2018年 第2戦 富士 決勝結果:GT300

順位No.ドライバー名車名周回所要時間/差グリッドWH
155ARTA BMW M6 GT3高木 真一/ショーン・ウォーキンショー1022:52'07.982110
231TOYOTA PRIUS apr GT嵯峨 宏紀/平手 晃平10225.9297 
311GAINER TANAX GT-R平中 克幸/安田 裕信10234.470812
465LEON CVSTOS AMG黒澤 治樹/蒲生 尚弥10248.147316
50グッドスマイル 初音ミク AMG谷口 信輝/片岡 龍也10249.11646
67D'station Porsche藤井 誠暢/スヴェン・ミューラー1021'10.287930
760SYNTIUM LMcorsa RC F GT3吉本 大樹/宮田 莉朋1011 Lap6 
834Modulo KENWOOD NSX GT3道上 龍/大津 弘樹1011 Lap11 
988マネパ ランボルギーニ GT3平峰 一貴/マルコ・マッペリ1011 Lap1210
1021Hitotsuyama Audi R8 LMSリチャード・ライアン/富田 竜一郎/
篠原 拓朗
1011 Lap17 
1496K-tunes RC F GT3新田 守男/中山 雄一1011 Lap18 
1830TOYOTA PRIUS apr GT永井 宏明/佐々木 孝太993 Laps25 
2435arto RC F GT3ナタウッド・ジャルーンスルカワッタナ/
ナタポン・ホートンカム
8715 Laps27 

[ガズー編集部]