【SUPER GT】GT500 コバライネン/小林組LEXUS LC500が今季初優勝!LEXUS勢は不運な予選から追い上げ表彰台独占
タイ・ブリーラムのチャン・サーキットでSUPER GT第4戦が行われ、予選3番手スタートのヘイキ・コバライネン/小林 可夢偉組 DENSO KOBELCO SARD LC500 39号車が今季初勝利を飾りました。2位に大嶋 和也/フェリックス・ローゼンクヴィスト組 WAKO'S 4CR LC500 6号車、3位に国本 雄資/山下 健太組 WedsSport ADVAN LC500 19号車と続き、LEXUS LC500が表彰台を独占する速さを見せました。
予選
6月30日(土)は朝から強い日差しが照りつけ、南国特有の暑さの中で午前中の公式練習が行われましたが、午後3時に予定されていた予選を前に、空は一気に雲に覆われ、激しいスコールと共に路面はあっという間にヘビーウェットに。しかし、このスコールも10分ほどで去り、予選は予定よりも15分遅れで、ウェットコンディションの下で開始されることとなりました。
ノックアウト方式の予選、GT500クラスは午後3時35分にQ1(15分間)が開始。直前に走ったGT300車両によりライン上の一部は乾きかけてきているものの、まだまだウェット、という難しいコンディション。ほとんどの車両が一旦ウェットタイヤでコースに出たものの、すぐにピットへ戻り、スリックタイヤで再アタックに入る、という状況となりました。
この難コンディションの中で好走を見せたのが、2週間前のル・マン24時間レースで2位表彰台を獲得したばかりの小林の39号車。セッション後半、想像以上に早く乾いていく路面を上手く読み、目まぐるしく塗り替えられていくタイムシートの中で、セッション終了直前にQ2進出条件のトップ8圏内へ浮上。GT500ルーキーの山下がQ1を担当した19号車も小林のタイムを上回り、39号車と19号車の2台がQ2進出を果たしました。
一方で、ほかの4台のLEXUS LC500勢はタイヤをコンディションに合わせきれず、36号車が10番手、6号車が11番手、1号車が12番手、38号車が13番手と後方グリッドから決勝レースでの巻き返しを図ることとなりました。
Q2は午後4時18分開始。この頃にはほぼ路面は乾いていましたが、今度は逆に空模様が怪しい状況に。セッション開始から5分ほど経つと、コースの一部では雨が降り始めました。
そんな中で気を吐いたのが39号車のコバライネン。まず最初のアタックでコースレコードを更新するタイムを叩き出し暫定トップへ。その後、ライバルにタイムを更新されるも、最後まで逆転を狙ってアタックを続けました。コースの前半ではタイム更新が期待できるアタックでしたが、コース後半で降り始めた雨により惜しくも叶わず。
Q2に進んだ8台中7台がこれまでのコースレコードを更新する速さを見せた中で、コバライネンの39号車は2列目3番手と好位置を確保。2016年のタイラウンドウィナーである19号車の国本雄資も3列目6番手とまずまずのポジションから決勝レースをスタートすることとなりました。
決勝
7月1日(日)も暑い一日に。午後3時のスタート時点での気温は33度、路面温度は47度という猛暑の中、66周、300kmで争われる決勝レースのスタートが切られました。
LEXUS勢最上位の3番手からスタートを切った39号車のコバライネンは、1周目に2位に上がると、首位追走に入りました。
その後方でも、予選で後方グリッドに沈んだLEXUS勢が速さを見せ、次々にポジションアップ。6番手スタートの19号車は、GT500クラスルーキーの山下が徐々にポジションを上げ、11周目に一気に2台パス、39号車に次ぐ3位に浮上しました。
また、速さを見せたLEXUS勢の中でも際だったのが6号車のローゼンクヴィスト。SUPER GTでは今季デビューのルーキーながら、11番手グリッドスタートから12周目には5位、14周目には4位へとポジションを挙げ、LEXUS LC500は序盤にして早くも2-3-4位体制となりました。
首位をテール・トゥ・ノーズで追うまでに至った39号車は、19周目、メインストレートで並びかけ、その後も再三にわたる追撃の末に、4コーナーでパス。ついに首位を奪いました。
その後方でも、勢いに乗る6号車のローゼンクヴィストが山下に続き前を行くライバル車両もパス、更に首位の39号車コバライネンとの差を詰めて行きました。
中盤、各車ピットへ向かい、ドライバー交代と給油、タイヤ交換。ここで追い上げを見せていた1号車は左リアタイヤの交換に手間取り、タイムロス。7位まで追い上げていた1号車でしたが、大きく順位を落とすこととなってしまいました。
36周目に首位を行く39号車がピットイン。コバライネンから小林へとドライバーチェンジ。首位のままコースへ復帰しました。
今年からSUPER GTにフル参戦し、ここタイのチャン・サーキットを走るのは初めての小林に対し、2位で追う6号車の大嶋は、これまで4戦全戦に出場し、表彰台3回と得意にするコース。小林を再三にわたって攻め、息詰まるようなバトルが終盤まで繰り広げられました。
中嶋一貴から5位で36号車のバトンを受け取った関口も、2016年に優勝を果たすなどこのコースを得意としており、ファステストラップを更新しながらの猛追。優勝時のチームメイトであった国本がドライブする19号車に追いつくと、表彰台争いのバトルを繰り広げました。このバトルを49周目に関口が制し、36号車が3位へ浮上。関口は首位を争う2台にも追いつき、LEXUS LC500同士三つ巴の優勝争いに。
51周目にもファステストタイムをマークするなど速さの衰えない関口は、56周目、6号車の大嶋がGT300車両に引っかかった隙を逃さずパス。2位へと上がると、更に小林の39号車に襲いかかりました。
何度も並びかける2台でしたが、小林も巧みなライン取りで抜かせず、その後でチャンスを窺う6号車と共に、3台での首位争いはレース最終盤まで続きました。
39号車小林か、36号車関口か、という息を呑むようなバトルは、ファイナルラップ、突然の36号車のスローダウンで閉幕。36号車は残り1周というところで痛恨の燃料切れに見舞われ、コース脇に車両を停めることとなってしまいました(1周遅れ完走扱いの10位)。
小林はトップを守ってチェッカーを受け、SUPER GTでの自身初勝利を飾りました。LEXUS勢にとっても今季初勝利。2位には11番手スタートから見事な追い上げを見せた6号車、3位に19号車が続き、LEXUS勢は表彰台を独占。4位にも38号車が入り、今季ここまでの3戦で勝利のなかったLEXUS勢が得意なタイで、速さを見せ、後半戦へ向けて逆襲の狼煙を上げることとなりました。
SUPER GT 2018年 第4戦 ブリーラム(タイ) 決勝結果:GT500
順位 | No. | 車名 | ドライバー | 周回 | ベストラップ | 所要時間/差 | タイヤ | ウエイト |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 39 | DENSO KOBELCO SARD LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | ヘイキ・コバライネン 小林 可夢偉 | 66 | 1'25.548 | 1:36'42.825 | BS | 30 |
2 | 6 | WAKO'S 4CR LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | 大嶋 和也 F.ローゼンクヴィスト | 66 | 1'25.412 | 2.860 | BS | 28 |
3 | 19 | WedsSport ADVAN LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | 国本 雄資 山下 健太 | 66 | 1'25.132 | 12.969 | YH | 4 |
4 | 38 | ZENT CERUMO LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | 立川 祐路 石浦 宏明 | 66 | 1'25.355 | 38.836 | BS | 36 |
5 | 16 | MOTUL MUGEN NSX-GT Honda NSX-GT / HR-417E | 武藤 英紀 中嶋 大祐 | 66 | 1'25.526 | 42.813 | YH | 2 |
6 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A | 佐々木 大樹 ヤン・マーデンボロー | 66 | 1'25.833 | 43.449 | BS | 26 |
7 | 17 | KEIHIN NSX-GT Honda NSX-GT / HR-417E | 塚越 広大 小暮 卓史 | 66 | 1'26.219 | 1'05.798 | BS | 42 |
8 | 1 | KeePer TOM'S LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | 平川 亮 ニック・キャシディ | 66 | 1'25.966 | 1'06.628 | BS | 52 |
9 | 64 | Epson Modulo NSX-GT Honda NSX-GT / HR-417E | ベルトラン・バゲット 松浦 孝亮 | 66 | 1'25.979 | 1'10.271 | DL | 2 |
10 | 36 | au TOM'S LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | 中嶋 一貴 関口 雄飛 | 65 | 1'24.977 | 1 Lap | BS | 28 |
11 | 100 | RAYBRIG NSX-GT Honda NSX-GT / HR-417E | 山本 尚貴 ジェンソン・バトン | 65 | 1'26.150 | 1 Lap | BS | 64 |
12 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A | 松田 次生 ロニー・クインタレッリ | 65 | 1'26.225 | 1 Lap | MI | 62 |
13 | 3 | CRAFTSPORTS MOTUL GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A | 本山 哲 千代 勝正 | 65 | 1'26.360 | 1 Lap | MI | 18 |
8 | ARTA NSX-GT Honda NSX-GT / HR-417E | 野尻 智紀 伊沢 拓也 | 35 | 1'26.771 | 31 Laps | BS | 48 | |
24 | フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ 高星 明誠 | 22 | 1'26.304 | 44 Laps | YH | 14 |
[ガズー編集部]
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