もう見捨てられない! SUPER GTでスバルを応援することが“生活の中心“となった熱烈ファン
国内人気No.1のレース、SUPER GTの熱狂的な雰囲気を作っている「ファンの応援」。
色とりどりなチームウェアを着て好きなチームを応援することで、SUPER GTをより楽しんでいるファンのみなさん。
そしてその応援を受け取り、感謝と決意を持って激烈なバトルに挑むドライバーとチーム。
そんな応援を通じて通わせるお互いの想いを取材させていただいたのは、SUBARU BRZ R&D SPORT、ご存じスバルのワークスチームだ。
この取材企画の最後、4本目では、好きなチームを応援することが、もはや生活の中心と言っても過言ではないご夫婦に聞いた、とってもファン愛溢れるお話をご紹介していこう。
6年間、毎戦現地でスバルを応援!
観戦のきっかけはもともとスバルのクルマに乗っていて、スバルが出ているレースなので観に行ってみようという話になったという。
最初に観戦に訪れたのは2016年の第6戦鈴鹿。関西にお住みとのことで家から近いこと、また過去に鈴鹿で勝っていたこともあり、「勝つんじゃないかなと思って行ってみました」とのこと。
「初めて観戦に行った時は分からないことがたくさんありました。例えばピットウォークはだいぶ前にチケットを買わないといけないとか、ファンシートのこととか一切分からないで観に行ったので、本当に観るだけになっちゃいましたね」と初観戦の感想を教えてくれた。
最初の頃は観客席から観ているだけだったため、テレビで観ているのとある意味近いところがあったという。ただ何度かサーキットに通い、ピットウォークへの参加方法やどの街にホテルを取るかなどの要領を得ていくうちに、いろいろな楽しみ方も分かってきたという。
2016年はその鈴鹿戦の観戦だけだったが、BRZを愛車に迎え入れることが決まっていたという2017年は、すべてのサーキットに観戦に行ったという。その理由を教えてくれた。
「今年1年だけ他の行ったことのないサーキットにとりあえず観に行ってみようかっていう話になったんですよ。一通りのサーキットに行っておけば、次行こうと思った時も、ここ知ってるわってなるんで。
ということで、まずは開幕戦の岡山、次は第2戦の富士、第3戦のオートポリスって観ていくうちに、惜しい戦いか何戦かあったんですよ。あとちょっと、あとちょっと、勝てるかもって思いながら観てるとモヤモヤモヤ~ってするじゃないですか。次こそは、次こそは、次こそは……、というのが1年続いちゃったんですよね。
その時(2017年)は今年だけにしようと思っていたんですが……、今に続いちゃっているんですよね(笑)」
そう、実はこのご夫婦、2017年からお話を伺った2022年第7戦オートポリスまで、すべてのSUPER GTのレースに観戦に行っているというから驚きだ! なぜそんなにハマることになったのだろうか?
「当時のピットウォークだと選手と話もできましたし、何度か通うとドライバーも顔を覚えてくれたり、頑張ってくださいっていうだけの会話じゃなくなるじゃないですか。そうこうしているうちに、レースに行かないっていう選択肢がなくなってきたんですよね(笑)。
レース自体を楽しむのであれば、1コーナーとかいろいろな場所で観たいですよね。でもスバルの場合はファンシートがあって、ここで応援することはテレビでは絶対味わえない雰囲気があるんです。
コロナ禍以前は、選手とかレースクイーンが来てくれたりとか、決起集会とかそういうのがいろいろあったので、たくさん楽しめたんですね。応援するならファンシートに限ります!」
井口選手の言葉に応援し続けることを決意!
なるほど。ドライバーと直接的なつながりを感じること、そしてファンシートならではの特別な応援する雰囲気が、とても魅力的だったようだ。
そしてさらにスバルへの想いを強くするエピソードも教えてくれた。
「2017年、18年って完走すらできないっていう辛いレースが多かったんですよ。レーシングドライバーって旬な時間って限られているじゃないですか。自分たちの走りが悪くて勝てないんだったら納得もすると思いますが、トラブルとか他の原因で完走できない状況が続くのは、ドライバーとしてこんなチームにいられるかってなってもおかしくないと思うんですよ。
その時期に、井口卓人選手のファンイベントで直に聞いたことがあるんですよ。他のチームに移籍したいとか考えたことありますか?って。そうしたら『自分からこのチームを捨てて出ていくことは絶対にない。クビにならない限り絶対逃げない!』って言ってくれたんですよ。
それ聞いたらねぇ、ずっと応援するしかないじゃないですか!! 必ずチャンピオンになってくれるって信じるようになりましたよね。
でも、もうちょっとかかると思いましたが以外に早かったですよね(笑)」
スバルのファンのみなさんの一体感について、この企画の中で何度もお伝えしてきているが、その根本はドライバーとチームが本当に一体となっていることが伝わっているからこそなのかもしれない。
「チャンピオンになってもあんまり応援する気持ちは変わらないかもしれないです」とはいうものの、昨年チャンピオンを獲得したことで一区切りがついたため、今年はサーキットに行かないつもりだったという。それはなぜなのだろうか?
「やっぱり予算が厳しいんですよね。他のことを我慢したり、なるべく移動にお金をかけないようにしたりとかいろいろ工夫しているんですけどね。
でもやっぱり行きたい気持ちはあるじゃないですか、だからSUBARUファンシートのチケットが買えたら行こうかなぁって思っていました。すごい人気なのでだいたい15分くらいで完売しますし、購入のサイトに入るのも大変なのですごい競争率高いんですよ。
そしたら、開幕戦の岡山は買えたんですよ。そりゃ、行きますよね。
第2戦は、一番人気の富士でのゴールデンウィークでのレースだから買えないだろう……、と思ってたら買えたんですよ。
そんなこんなで、結局今年は全戦でSUBARUファンシートのチケットを買えてしまっているので、全部来てしまってますね。
その予算を作るために、今は仕事を掛け持ちしてやっているんですよ。もうスバルを応援することが生活の中心ですね」
このご夫婦のエピソードは特別なお話かもしれない。ただよりファン度が深化することで、SUPER GTの観戦、チームの応援が趣味の域を超え生活の中心の一つとなることさえありうるようだ。
それほどまでにファンを虜にするほどの魅力がSUPER GT、そしてレースにはあるのだということも改めて感じさせていただいた。
住んでいる関西から一番遠くて予算もかかるスポーツランドSUGOのレースに対して、「BRZとしては一番得意なサーキットだし勝てる可能性が高いんだからいかなきゃ」と笑顔で語っていた旦那さん、やはり今後も行かないという選択肢はないのだろう。
(文:GAZOO編集部 山崎 画像:GTA、GAZOO編集部)
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