【WRC2023】第3戦 セバスチャン・オジエが優勝し、今季2勝目を飾る。トヨタはマニュファクチャラーズ選手権で首位を維持。(ラリー・メキシコ)

  • ヴァンサン・ランデ、セバスチャン・オジエ

2023/3/16-3/19、高い気温と標高がラリーカーに試練を課すシーズン最初のグラベルラリー、WRC第3戦ラリー・メキシコが行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ(17号車)が優勝し、今季2勝目を飾るとともに、オジエは、自身7度目となるWRCメキシコ戦優勝を決めた。
エルフィン・エバンス/スコット・マーティン(33号車)は総合3位で、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン(69号車)は総合4位でフィニッシュし、チームはマニュファクチャラーズ選手権で首位を維持した。
勝田貴元/アーロン・ジョンストン(18号車)は、デイ2でのデイリタイアを経てデイ3で再出走し、総合23位でレースを終えた。

DAY1
グアナファト市街地で2本のスーパーSSが行なわれた。気温が非常に高く、標高も高いステージは、Rally1にとっては未知のチャレンジとなったが、ロバンペラが総合2位に、オジエが総合4位に、エバンスが総合6位につけた。

DAY2
本格的な山岳地帯でのグラベルステージがスタート。距離が短い2本のスーパーSSを含む、合計8本、距離122.14kmのステージは、今シーズンで最も高い標高2700メートルを越えるステージもあった。
路面はドライコンディションとなり、出走順が早いドライバーたちにとっては不利な状況となったが、オジエが総合2位に、エバンスが総合3位に、ロバンペラが総合5位につけた。
また、TGR WRCチャレンジプログラムにより4台目のGR YARIS Rally1でラリー・メキシコ初出場の勝田は、SS5でスピンによりコースオフ。デイリタイアになった。

DAY3
レオン近郊に広がるシエラ・デ・ロボス山脈を中心に合計9本、距離126.86kmのステージを走行する予定であったが、SS11の再走ステージSS15はキャンセルとなった。
前日に続き路面はドライコンディションとなり、標高の高いエリアでのステージが続いた。
オジエは、オープニングのSS11でベストタイムを記録。そのステージでラッピがアクシデントに見舞われたため首位に。その後も速いペースを維持し、首位の座を守った。
エバンスは総合2位に、ロバンペラは総合4位に順位を上げ、再出走を果たした勝田は総合25位につけた。

DAY4
サービスパークが置かれるレオン周辺の山岳地帯を中心とする合計4本、距離61.53kmのステージを走行した。最終日も比較的天気は良く、一日を通してドライコンディションでの戦いとなった。
リスクを排した確実性の高い走りを続けたオジエは、ボーナスの選手権ポイントがかかる最終のパワーステージで今大会5回目となるベストタイムを記録、開幕戦ラリー・モンテカルロ、そして今回と2戦2勝を達成し、ドライバー選手権でトップに立った。
エバンスは、最長ステージのSS21で今大会初のベストタイムを記録したが、サスペンションにダメージを負い、総合3位でフィニッシュ。
ロバンペラは、パワーステージでフルアタックを敢行。リヤウイングに大きなダメージを負うも4番手タイムを記録し、総合4位でフィニッシュ。ボーナスの2ポイントを獲得した。

<<豊田 章男 (TGR-WRT会長)>>
メキシコのラリーは“特に難しい”という想いが我々のチームにはずっと染み付いています。セブが3年前に優勝してくれましたが、それでも高温高地のメキシコを走る前はエンジントラブルの不安を拭いきれません。しかし今回、3年ぶりのメキシコでセブとデンソーが、そんな苦手意識を払拭してくれました。セブ、メキシコ2連覇おめでとう!ヴァンサンはメキシコ初優勝おめでとう!

ヤリス参戦初年度、我々が熱対策に苦しむ姿を見て力を貸してくれたのがデンソーのラジエーター部隊でした。以来、冷却性能の改善を重ね続けてくれています。今回、GR YARIS Rally1 HYBRIDでの初メキシコでしたが、ドライバーたちはエンジンに不安を抱えることなく走ることができたと思います。デンソーの皆さんの“冷却魂”のおかげです。ありがとうございました。

エルフィンは今季初のポディウムおめでとう! 最後に順位がひとつ落ちてしまったけど“もう一つのピース”が見つかりそうな走りだったと思います。エルフィンにとっての“もっといいクルマづくり”をチームみんなで続けていきましょう!

カッレは“ディフェンディングチャンピオンの試練”のようなラリーが続いています。焦らず、これからもラリーを楽しんでいってください。

貴元も、とにかく焦らず“自分の走り”をしていけば大丈夫! 新城でも見せてくれたようなリラックスした表情を頼みます。

最後に、トヨタメキシコのみんなへ。メキシコらしい差し入れをありがとう! ヤリ-マティをはじめ、レスラーのような覆面姿のみんなの姿をSNSで見ました。あの差し入れでチームがリラックスできたことも勝因のひとつだったかもしれません。おかげで我々の“メキシコへの苦手意識”は完全に払拭されました!

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