【WRC2023】第5戦 王者ロバンペラ、今シーズン初優勝(ラリー・ポルトガル)

  • 69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)

2023/5/11-5/14、ラリーカーのグラベルコースでの真のパフォーマンスを見極めるのに適したラリーといわれているWRC第5戦 ラリー・ポルトガルが行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン(69号車)が優勝した。また、デイ1でメカニカルトラブルによりデイリタイアとなり、デイ2で再出走した勝田貴元/アーロン・ジョンストン(18号車)は、総合33位でフィニッシュした。

DAY1
主舞台は、コインブラの東側に位置するアルガニル地域。3本の山岳ステージを各2回走行し、その後2本のステージを走った後、マトジニョスの最終サービスパークを目指すという長い一日。朝から好天に恵まれ、気温は日中25度前後まで上昇、ステージはドライコンディションでの戦いとなり、出走順1番手を担うことになったエバンス、出走順2番手のロバンペラにとっては困難な一日となった。
ロバンペラは、3本のベストタイムをマークし首位に、エバンスはコースオフにより、勝田はメカニカルトラブルにより、それぞれデイリタイアとなった。

DAY2
ポルトガル北部のポルト近郊、マトジニョスのサービスパークを中心に、合計7本148.68kmを走行する今大会最長の一日となった。前日に続き晴天に恵まれ、グラベルステージの路面はドライコンディションが保たれた状態であった。
ロバンペラは、出走順が7番手と遅くなり、前日よりもクリーンな路面を走行、朝一番のSS9からSS12にかけて、4ステージ連続でベストタイムを記録し、首位をキープ。デイ1でメカニカルトラブルによりデイリタイアとなった勝田は、再出走を果たし総合36位となった。
また、デイ1でコースオフを喫したエバンスは、クルマのダメージが大きく修理が難しい状況だったため再出走を断念、ラリー・ポルトガルからリタイアすることとなった。

DAY3
ポルトガル北部のポルト近郊、マトジニョスのサービスパークを起点に合計4本 55.42km のステージが行なわれた。最終日も天気に恵まれ、路面コンディションはドライ。もうもうと土煙が立ちこめるグラベルステージで、最後の熱い戦いが繰り広げられた。
ロバンペラは、2本目の「ファフェ1」、また、その再走ステージで、ボーナスの選手権ポイントがかかる最終パワーステージ「ファフェ2」でベストタイムを記録。昨年大会に続き、総合優勝とパワーステージ優勝という、完璧な形でラリーをしめくくり、ドライバー選手権で首位に立ち、17ポイントのリードを築いた。今回の優勝により、チームはラリー・ポルトガルにおける連勝記録を4に伸ばした。
勝田は、前日のデイ2に続き、不利な走行順1番手でステージを走行することとなったが、オープニングのSS16で今大会初となるベストタイムを記録。また、最終のパワーステージでは、4番手タイムを記録し、ボーナスの2ポイントを獲得した。
チームは、ロバンペラが獲得したポイントと合わせて、マニュファクチャラー選手権首位の座を守った。

<<豊田 章男 (TGR-WRT会長)>>
カッレ、ヨンネ、今季初優勝おめでとう!

昨年のように最高の結果にはなかなかつながらないカッレを心配する気持ちも無くはなかった...。けれど、一方で、カッレの走っている姿を見ると昨年と変わらず、とにかく運転を楽しんでいるように見えていたので不安に思うようなこともなかった。そんな想いで今シーズンのカッレの走りを見ていました。今日の勝利は、最高の母の日の贈り物になりましたね。これで心おきなくエビスでドリフトを楽しんでもらえると思います。来週のFormula Drift Japanでは日本のファンに最高の横顔を見せてきてください。

前回クロアチアで優勝したエルフィンは、出走順が一番の中でも果敢に攻めてくれていました。積極的に攻めてのコースオフだと思います。安心してプッシュできないクルマで申し訳ない。エルフィンがもっと意のままに走らせられるクルマにしていけるよう、一緒に次に繋げていきましょう。

2年連続で4位だったポルトガルで、今年こそ表彰台と気合をいれてくれていた貴元でしたが、クルマにメカニカルトラブルを出してしまいました。本当に申し訳ない。次のラリーに向けてチームみんなで、トラブルの真因をしっかり追求していきましょう。

次のサルディニアに向けて、インターバルは2週間と短いです。その間、チームとクルマ達はポルトガルに残りトヨタ・カエタノ・ポルトガルでメンテナンスをします。カッレは福島に行ってGRカローラでドリフト、他のドライバー達がどう過ごすかは把握できていませんが、ヤリ-マティ代表はGRカローラで富士24時間耐久に参戦です。このチームがラリーウィークだけでなく世界中のどこかで、トヨタを楽しんでくれているのがなんとも嬉しい気持ちです。

WRCはここから中盤戦、チームみんなでトヨタを楽しみながら最高の結果が出せるよう努力を続けていきましょう!

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