【WRC2023】第10戦 ロバンペラがアクロポリスで2年ぶり通算2回目の優勝。今シーズン3勝目(アクロポリス・ラリー・ギリシャ)

  • 69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)

2023/9/7-9/10、2021年にシリーズ復帰した長い歴史と伝統を誇るラフグラベルラリー、WRC第10戦アクロポリス・ラリー・ギリシャが行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン(69号車)が、今シーズン3勝目を挙げ、アクロポリスで2021年大会以来2年ぶり2回目の総合優勝を達成した。
また、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン(33号車)が総合2位で、勝田貴元/アーロン・ジョンストン(18号車)が総合6位で、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ(17号車)が総合10位でフィニッシュした。

DAY1
夜7時過ぎからウォーターフロントに設けられた市街地ステージで、全長1.48kmのスーパーSSが行われ、ロバンペラがベストタイムを記録しオープニングステージで首位に立った。また1.3秒差でオジエと勝田が6位に、2.8秒差でエバンスが総合11位につけた。

DAY2
この日から荒れたグラベルステージでの本格的な戦いがスタート。ビーチリゾートのルートラキを起点に5本合計101.98kmのステージが予定されていたが、路面コンディションの悪化等によりSS2/4「ルートラキ」は18.10kmから10.37kmに短縮され、合計ステージ距離は86.52kmとなった。
路面は週の前半に降り続いた強い雨の影響で大幅に悪化。大きな石が露出し、深い轍も刻まれ、ぬかるんでいるところもあれば、乾き始めているところもあり、ドライバーたちは様々な路面コンディションに対峙することとなったが、オジエ、ロバンペラ、エバンスは総合2-3-4位につけ、勝田は午後のステージでペースを上げ、総合6位を死守した。

DAY3
ラミアのサービスパークを中心に、その南側エリアで3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。4日間で最長となる合計141.52kmのステージは、様々な路面コンディションでの戦いとなった。
ロバンペラが、8ステージのうち5ステージでベストタイムを刻み総合1位に、エバンスが総合3位に立ち、勝田は総合6位を死守。
オジエは、SS12でタイヤとサスペンションにダメージを負い、自力での修復を試みるもデイリタイアとなった。
この日、ステージによっては非常に荒れた区間も多くあり、そのため多くのドライバーがクルマやタイヤにトラブルを抱え、一日を通し順位が激しく入れ替わる荒れた展開となった。

DAY4
ラミアのサービスパークを起点に、西北エリアで3本のステージを走行。合計距離は41.37km、リエゾンも含めた一日の総走行距離は242.46km。
路面は全体的にドライコンディションであったが、非常に荒れている区間も多く、走行距離が短くとも決して油断のできない一日となった。
この日、ロバンペラは走りを抑えて続け力を蓄え、パワーステージとなる最終のSS15で一気に猛プッシュ。今大会8本目となるベストタイムを記録し、ボーナスの5ポイントも獲得する完全勝利で今シーズン3勝目を獲得した。
エバンスも、パワーステージで速さを発揮し、2番手タイムで総合2位を獲得。ボーナスの4ポイントも手にした。
TOYOTA GAZOO Racing WRTはこれまで苦手としてきたギリシャで最良の結果を残し、ふたりのドライバーがマキシマムポイントを獲得したことにより、マニュファクチャラー選手権におけるリードを91ポイントに拡大した。
なお、勝田はデイ3で2回タイヤにダメージを負い、その交換作業により多くのタイムを失いながらも総合6位でフィニッシュし、ドライバー選手権ポイントを獲得。デイ3でデイリタイアとなったオジエは、デイ4で再出走し総合10位で波乱のラリーを戦い終えた。

≪豊田 章男 (TGR-WRT会長)≫
先にラリー北海道のことから言わせてください。ヤリ-マティ、ユホ、ラリー北海道優勝おめでとう! デモではないコンペティションの道で世界レベルの走りを見せてくれたこと感謝しています。ヤリ-マティの走りにファンは魅了され、ドライバーたちは奮起していました。日本のラリーが世界に近づく手助けをしてくれたと思います。本当にありがとう。

走っているヤリ-マティはずっと笑顔でした。ただ裏では少し不安げな表情も見せていたと思います。なぜならギリシャで彼のチームが戦っていたからでした。しかし、私は一切そのことを心配していませんでした。TOYOTA GAZOO Racing WRTは”現場を中心としたチーム”だと知っていたからです。先月、フィンランドで代表代行を務めた時、チームメンバーの仕事を間近で見ることができました。なにかあれば、現場に近い人が判断をし、上はそれをサポートする...。TGR-WRTは、そういう仕事のやり方が根付いてるチームです。ヤリ-マティがつくった”そんなチーム”であれば、チーム代表に北海道に来てもらっても大丈夫とわかっていたのです。

チームは思っていたとおりの力を発揮してくれました。カッレ、ヨンネ、フィンランドの悔しさを取り戻す”嬉しい勝利”おめでとう!
そしてエルフィン、スコット、大逆転のワンツーフィニッシュをありがとう! 君たちの活躍が、チーム代表の不安げな表情をきれいに吹き飛ばしてくれました。チーム全員が11月の日本でまた最高の笑顔になれるよう、それぞれの現場で努力を積み重ねていきましょう!

ギリシャでがんばったみんなに感謝!

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