【WRC2023】第12戦 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンが、二年連続でドライバーズおよびコ・ドライバーズ・タイトルを獲得(セントラル・ヨーロピアン・ラリー)

  • カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン

2023/10/26-10/29、ドイツ、チェコ、オーストリアというヨーロッパの三カ国を舞台とするWRC初開催のターマックイベント、WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリーが行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン(69号車)が総合2位でフィニッシュし、最終戦を待たずして、2年連続2回目となるドライバーズおよびコ・ドライバーズ・タイトルを獲得した。
昨年、WRC史上最年少となる22才で世界王者となったロバンペラは、WRC史上6人目となる連覇達成ドライバーとなり、また、TGR-WRTのクルーがドライバーズおよびコ・ドライバーズ・タイトルを獲得するのは5年連続であり、前回のラリー・チリ・ビオビオで既にマニュファクチャラー選手権を獲得していたTOYOTA GAZOO Racing WRTにとっては、3年連続の三冠獲得となった。

DAY1
チェコの首都プラハで計2本のスーパーSSが行われ、オジエは首位と5.8秒差の総合3位に、ロバンペラは総合4位に、ロバンペラとドライバーズタイトルを争うエバンスは、小雨も降る中で行われたSS2でジャンクションをオーバーシュートした影響もあり、総合8位となった。
SS1は、競馬場内の道を走行する2.55kmの一部が未舗装路のミックスサーフェス・ステージ。続くSS2は、クラトビー村の舗装路を周回する8.92kmのスーパーSSであった。

DAY2
パッサウのサービスパークから国境を越えてチェコに入り、3本のステージをタイヤフィッティングゾーンを挟んで各2回走行する、合計6本距離121.80kmのステージ。
夜中から雨が降り続き、午前中のステージは全体的にウエットコンディションとなり、濡れて非常に滑りやすくなった路面での戦いとなった。
ロバンペラは、午前中の3本のステージ全てでベストタイムを記録。午後の再走ステージも好調を維持し、総合1位となった。
また、エバンスが総合3位に、勝田が総合5位に、オジエが総合6位につけた。

DAY3
この日は、ドイツとオーストリアが戦いの舞台。3本のステージを、ドイツのパッサウでのミッドデイサービスを挟んで各2回走行、合計6本距離109.50kmのステージが行なわれた。
午前中は一時的に小雨が降り、路面は非常に滑りやすく、特に出走順が後方のドライバーたちは、路肩から掻き出された泥によって安定したグリップを得にくい状況。
午後の再走ステージでは、路面は全体的に乾いていったが、それでも所々湿っていたり、大量の泥が広がっていたりと路面は依然トリッキーな状態であった。
エバンスはSS11でコースオフを喫しデイリタイア、ロバンペラは、エバンスが戦列を離れたことにより、リスクを減らすため意図的にペースダウンし総合2位に。
また、オジエが総合4位となり、勝田は総合5位を死守した。

DAY4
パッサウのサービスパークを起点に、オーストリアで1本、ドイツで1本のステージをミッドデイサービスを挟むことなく各2回走行。合計4本ステージの距離は67.24km。
最終日は青空が広がる爽やかな朝を迎え、ステージの路面は全体的にドライとなり、Rally1の全ドライバーがウエット用タイヤを1本も搭載することなく、ソフトとハードのドライ用タイヤのみでステージに挑んだ。
ロバンペラは、エバンスが前日にデイリタイアとなったことで、確実性の高い走りに徹し、しっかりと総合2位でラリーを走りきり、昨年に続き2年連続でドライバーズタイトルを獲得した。
オジエは、攻めの走りを継続し2本のベストタイムを刻むなどし、総合4位でフィニッシュ。前日デイリタイアを喫したエバンスは総合31位に、勝田は総合5位でポイントを獲得した。

≪豊田 章男 (TGR-WRT会長)≫
カッレ、ヨンネ、2年連続のドライバーズ、コ・ドライバーズ・タイトルおめでとう! 最年少ディフェンディングチャンピオンとしてシーズン前半は少し苦しんでいたように見えました。しかし、着実にポイントを重ね、中盤戦からはポイント争いをリードし続ける、まさに強いチャンピオンの姿を示してくれたと思います。

2人が成し得てないことが一つだけあります。モリゾウと一緒に表彰台に立つことです。日本で待ってます。

エルフィン、最後まで諦めずに攻めた走りをしてくれてありがとう。なんとしても勝つ! という気持ちのこもった走りは最高でした。パワーステージもカッコよかったです。まだシーズンは終わっていません。エルフィンとスコットは日本に忘れ物をしているはずです。来月のラリージャパンで昨年の忘れ物を回収し、私を表彰台に乗せてくれればと思います。

このチームの忘れ物はもうひとつあります。セブとヴァンサンも昨年の日本で速い走りを見せてくれましたが、結果には繋がりませんでした。今年こそは……と私も願っています。そして、昨年に引き続き、貴元とアーロンにもラリージャパンの表彰台で会いたいと願っています。できれば昨年より高いところから、私のことを見下ろしてもらいたいと思います。

残念ながらラリーの表彰台の定員は6名です。8人全員は乗れませんが、なんとか6人と一緒に表彰台に立てればと願っています。チームのみんな、ぜひその願いを叶えてください。ヤリ-マティ代表、よろしく頼みます!

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