TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ最終戦は愛知の新天地、豊田・モリコロで

塚本奈々美選手とともにネッツ東京レーシングから参戦しているTOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジもシリーズ最終戦を迎えました。場所は大会初となるトヨタのホームタウン、愛知県豊田市と長久手市にまたがるエリアです。
新城市では全日本ラリー選手権が開催され、愛知県がラリー一色で盛り上がるウィークエンド。ここで年間クラスランキング5位以内であれば、東西それぞれのシリーズの上位チームのみ参戦できる2018年ラリーチャレンジの頂上決戦である「特別戦 富士山すその(11/18(日)開催)」に参戦できます。今シーズンに積み上げてきた経験を活かし、少しでも上位を目指すべく挑みました。

C-3クラスは最多の20台がエントリー

毎年、全日本ラリー選手権と併催されていましたが、今回はそれぞれ独立したので、自由度が増し、ラリーチャレンジには87台がエントリーしました。私たちが参戦しているTOYOTA 86限定のC-3クラスは、どのクラスよりも多い20台がエントリー。東西シリーズの上位チームが参戦することもあり、上位に食い込むにはよりコンビネーションの精度を上げる必要がありました。

今回のSSはすべてターマックで3コース5本。SS1(KURAGAIKE)は鞍ヶ池公園内で現在使われていない1.17kmの道路。ターン数は多くないのですが路面に凹凸が多く、道端には苔もあり、滑りやすくバンピー。この大会前に奈々美さんがラリーチャレンジ仲間と一緒にペースノート作りの練習をしてきてくれ、より奈々美さんが走りやすいコールができるペースノートが作れました。しかし1か所私のコールが遅れて失速し、ここは7番手。

そこから約30kmのリエゾン(次のSSに向かう移動区間)で移動しSS2へ。愛・地球博記念公園(モリコロパーク)内の道路を使ったSS2(MORICORO PARK)は2.78kmでコースが狭いだけでなく、「ガードレールなどぶつけたら高いです」とドライバーズブリーフィングで言われていたので、緊張して挑みます。いつものラリーに比べればターンが少ないので、いかにストレートでスピードがのせられるか考えたのですが、やはりガードレールが気になってしまい、ここは10番手と順位を落としてしまいました。

そして鞍ヶ池公園に戻り、公園内の0.53kmのSS3(PARK ROAD)へ。ターマックですが小石が浮いていて、スタート時はホイールスピンするほどです。ペースノートが必要ないくらい距離も短くターン数が少ないので、アタックしてもらいますがここも10番手。C-3クラスは、上位6台が改造範囲の広いエキスパートクラスに拮抗した走りをし、7位から12位までが接近戦を展開していました。私たちはこの集団にいたため、なんとかひとつでも順位を上げるべく、後半戦にかけました。

スタート前恒例の集合写真撮影。ヴィッツCVTで参戦するモータージャーナリストの清水和夫さんの姿も。女子選手の参加も多い
スタート前恒例の集合写真撮影。ヴィッツCVTで参戦するモータージャーナリストの清水和夫さんの姿も。女子選手の参加も多い
  • たくさんの観客に見送られながらセレモニースタート
    たくさんの観客に見送られながらセレモニースタート
  • SS3を駆け上がる
    SS3を駆け上がる
  • ターマックだが踏めば小石が舞い上がる
    ターマックだが踏めば小石が舞い上がる
  • 前半戦を終えサービスパークへ戻ってきた奈々美さんネッツ東京のメカニックにマシンの状況を伝える
    前半戦を終えサービスパークへ戻ってきた奈々美さんネッツ東京のメカニックにマシンの状況を伝える

コンスタントに走り切り、クラス8位でゴール

午後はSS2で走ったMORICORO PARKからスタート。奈々美さんは、路面のグリップ状況を把握したので、前回より約2秒短縮してゴール。最終SSとなるKURAGAIKEも1.3秒短縮し、クラス8位で完走しました。ちなみに7位とは0.2秒差。失敗なく全SSをコンスタントに走れたことで第2集団のなかで上位につけられました。

これで年間クラス5位が確定し、特別戦に参戦することができます。各クラス年間上位しか参戦できない「特別戦富士山すその」で今シーズン、ラリーで得たことをチーム一丸となって出し切りたいと思います。11月18日(日)静岡県・裾野市運動公園でお会いしましょう。

  • 5分間のサービスを終え、再びSSへ向けて出発
    5分間のサービスを終え、再びSSへ向けて出発
  • コース幅が狭くスリリングなSSが多かった
    コース幅が狭くスリリングなSSが多かった
11月18日、裾野運動公園でお待ちしています
11月18日、裾野運動公園でお待ちしています

【情報】ドラマ「リーダーズ」がよくわかるトヨタ鞍ヶ池記念館

今回のラリーチャレンジのサービスパークとなった鞍ヶ池公園近くに、トヨタ鞍ヶ池記念館があります。以前、TBS系列で放映された日本の未来を自動車にかけた、先駆者たちの勇気と信念の物語「LEADERSリーダーズ」。第二次世界大戦前後、日本の未来のために、仲間を信じ、モノづくりに人生を賭けた人間たちの生き様を、史実に基づいたオリジナル作品として、トヨタ自動車全面協力のもと壮大なスケールと究極のリアリティをもってドラマ化されました。その史実がわかりやすく展示されているのが、トヨタ鞍ヶ池記念館です。

おそらくこのジオラマを映像で再現したんだろうなと思える展示物がいくつもあり、観ているとドラマのシーンを思い出し、声が聞こえてきそうです。中央にはミニシアターがあり、15分でなぜ豊田喜一郎さんは大衆乗用車製造への夢を抱き、自動車工業を興すことを決意したかが観られます。そして壁面には全長70mの年表があり、これまでの歴史がわかりやすく載っています。

トヨタの全般を知りたいときはトヨタ産業技術記念館、実車を観ながらクルマの歴史を知るにはトヨタ博物館、トヨタの今とこれからを知るならトヨタ会館、トヨタの核を感じるなら豊田佐吉記念館がそれぞれおすすめです。トヨタ鞍ヶ池記念館は、コンパクトながら日本に自動車工業が立ち上がる先駆者の思いや行動がよくわかり、クルマファンだけでなく、ぜひ多くのかたに観ていただきたい施設です。

  • 工場内でのシーンがジオラマで展示
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  • トヨダAA型があった当時のシーンを再現
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  • 現在のビジネスでも役立つ格言が多い
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  • 旧豊田喜一郎邸を移築して展示。まるでスタジオジブリの作る映画に出てきそうな家だ
    旧豊田喜一郎邸を移築して展示。まるでスタジオジブリの作る映画に出てきそうな家だ

(写真:宮本欽也・蝦名重俊・Ryu Hamaguchi / テキスト:寺田昌弘)

[ガズー編集部]

ダカールラリー参戦をはじめアフリカ、北米、南米、欧州、アジア、オーストラリアと5大陸、50カ国以上をクルマで走り、クルマのある生活を現場で観てきたコラムニスト。愛車は2台のランドクルーザーに初代ミライを加え、FCEVに乗りながらモビリティーの未来を模索している。自身が日々、モビリティーを体感しながら思ったことを綴るコラム。


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