トヨタ・チェイサー ツアラーV…90年代、リッター100馬力超モデル

バブルの香りが色濃く残る1990年代には、排気量1リッターあたり100馬力を超えるスポーティーモデルが国内メーカーから続々と誕生しました。今回はトヨタ・チェイサー ツアラーVを紹介します。

トヨタ・チェイサー ツアラーV

マークII、クレスタと並ぶいわゆるマークII3兄弟のなかで、最もスポーティーなキャラクターが与えられていたチェイサー。1996年に登場した6代目にして最終世代となるモデルでは、それまで以上に兄弟との差別化を明確に打ち出し、“ダイナミックなスポーツセダン”をうたっていた。その最もホットなグレードが、5代目からラインナップされていたツアラーVである。

マークIIやクレスタよりオーバーハングを短縮し、トヨタ車で初めてディスチャージヘッドライトを採用するなど、スポーティーな装いのボディに搭載されるエンジンは、2.5リッター直6 DOHC 24バルブ ターボの1JZ-GTE型。型式名こそ2世代前から使われているユニットと同じだが、ツインターボからシングルターボに変更され、新たにVVT-i(可変バルブタイミング機構)を採用。最高出力は従来と同じく自主規制枠の上限である280PSだが、最大トルクは37.0kgmから38.5kgmへと増強された。

トランスミッションは4段ATと5段MTが用意されていたが、走りのモデルとして後者が人気を博し、アッパーミドル級セダンとしては異例ともいえるほどMT車の比率が高かった。2001年の生産終了後も走り好きの間での人気は高く、ドリフト競技ではいまだに現役である。

【スペック】

ボディサイズ:全長×全幅×全高=4715×1755×1400mm
ホイールベース:2730mm
車重:1470kg
エンジン:2.5リッター直6 DOHC 24バルブ ターボ
最高出力:280PS/6200rpm
最大トルク:38.5kgm/2400rpm

[ガズー編集部]