【ラリージャパンを1000倍楽しもう!】知れば知るほど奥が深い! ラリー専用アイテムCHECK[Vol.4 コ・ドライバー装備編]

知れば知るほど奥が深いラリーならではのパーツやアイテムについて紹介してきたこのコーナーも4回目。
最終回は『ADVAN CUSCO WRX -STI(VAB)』のコ・ドライバー保井隆宏選手に、持ち物や専用装備を教えていただきました。
他の競技には存在しない特殊な役割を担っているだけに、その持ち物もラリーならではのアイテムが続々!!

ペースノート

めくりやすさにまでこだわった道先案内ノート

ブラインドコーナーや勾配などで先の見通しが悪く、凸凹や水溜りなど路面状況も刻一刻と変わるコースを、全開で走り抜けるために欠かせないアイテムが『ペースノート』。
レッキというコース下見走行でドライバーが道の形状や路面状況などを数字と記号に置き換えて、それをコ・ドライバーがノートに記録したものです。
本番の走行ではコ・ドライバーがその情報を助手席で読み上げることで、ドライバーは超高速で迫り来るコースの状況を事前に把握することができるのです。
その大事な情報をしっかりと伝えるために、書きやすさやめくりやすさ、読みやすさなど、コ・ドライバーは自分にあったノートやペンを日々探し続けているんだとか!?

ペースノートの内容はドライバーによって異なるそうですが、基本的には6〜10段階の数字で表すコーナーのきつさと、曲がっている方向、距離、補助的にコーナーの長さや危険箇所などで示されているそうです。「数字の大小どちらを一番きついコーナーとするかはドライバーによって異なるし、キツイとか緩いと言葉で表現する人もいます。コ・ドライバーの声を聞きながらWRCの映像を見ていると、そういうこともわかって楽しいかも」と保井選手。
ペースノートの内容はドライバーによって異なるそうですが、基本的には6〜10段階の数字で表すコーナーのきつさと、曲がっている方向、距離、補助的にコーナーの長さや危険箇所などで示されているそうです。
「数字の大小どちらを一番きついコーナーとするかはドライバーによって異なるし、キツイとか緩いと言葉で表現する人もいます。コ・ドライバーの声を聞きながらWRCの映像を見ていると、そういうこともわかって楽しいかも」と保井選手。
ペースノートは市販品もありますが、確実なナビゲーションが行えるように紙の厚さや手触りなどにこだわるコ・ドライバーも多いようです。保井選手も様々なタイプを試した結果、現在は1ページ5段タイプの特注品を愛用。めくりやすさや書きやすさにも直結するため、リングの太さや巻き数、紙の種類にまでこだわっているそうです。
ペースノートは市販品もありますが、確実なナビゲーションが行えるように紙の厚さや手触りなどにこだわるコ・ドライバーも多いようです。保井選手も様々なタイプを試した結果、現在は1ページ5段タイプの特注品を愛用。めくりやすさや書きやすさにも直結するため、リングの太さや巻き数、紙の種類にまでこだわっているそうです。

休憩などでコ・ドライバーが集まると、最近見つけたお気に入りの文房具情報で盛り上がることがよくあるとか。保井選手も文房具店を見つけると必ず入ってチェックするのが習慣になっているとのこと。ペースノート記入用のペンもこだわりのひとつで、現在は製図用の2mm芯(3B)タイプシャープペンシルを使用中。ごしごし消しても消しゴムがちぎれにくい穴あきタイプの消しゴムもお気に入り品だそうです。

コ・ドラバッグ

なんでも出てくる4次元ポケット!?

コ・ドライバーがラリーに必要な様々なアイテムをまとめて持ち運ぶバッグを『コ・ドラバッグ』と呼びます。
レーシングギアメーカーから専用のものも用意されていますが、保井選手のように好みに合ったビジネスバッグを使いやすいように仕上げていくコ・ドライバーも多いようです。
果たしてバッグの中には何が入っているのか? 実際に保井選手が使っているコ・ドラバッグの中身を見せていただくと、ペースノートをはじめ、筆記用具や工具、さらには常備薬まで、さまざまなモノが収められていました!

主催者から配布されるロードブックは、アイテナリーと呼ばれる競技スケジュールのほかに、コースを示すコマ図やリタイア届け、異議申し立て時に提出するインクワイアリーシートなどが1冊にまとめられたもの。コース全体を把握しやすいマップが配布されることもあるそうです。

頭に装着するものや簡単に手で使えるものなど用途に合わせて複数のライトを用意。結束バンドは応急補修などに幅広く使える便利なアイテム。長年の経験に基づき、車載工具とは別にパッと取り出せるエアゲージや、路面温度を計測する非接触式温度計も携行しています。

ティッシュや絆創膏はともかく、酔い止めや下痢止めの薬なども入っていたのには驚き! あらゆる事態を想定してセットアップされたコ・ドラバッグは、まるで赤ちゃんとお出かけする時のお母さんのバッグのようですね。
ティッシュや絆創膏はともかく、酔い止めや下痢止めの薬なども入っていたのには驚き! あらゆる事態を想定してセットアップされたコ・ドラバッグは、まるで赤ちゃんとお出かけする時のお母さんのバッグのようですね。

ラリーコンピュータ

時間や燃費の管理もコ・ドラの務め!

ラリーコンピュータはコ・ドライバーが操作をおこない、自車の走行距離や平均速度から指定ペースとの差を自動的に計算して表示するためのアイテム。
もともとはチェックポイントまでの速度の正確さを競う『アベレージラリー』で重宝されていたアイテムですが、現在のスペシャルステージラリー(SSラリー)方式でも使用されています。
というのも、SSラリーも1日のスケジュールは分単位で決められていて、指定のスタート時刻を守らないとペナルティの対象となってしまうため、時間管理はとても大事なんです。

コ・ドライバーズウォッチ

必要な機能に特化した専用品もあり!

時間を管理するのもコ・ドライバーの重要な役割のひとつです。専用のラリーコンピュータ以外にも、より簡単に操作が可能で車外での作業時にも確認できる腕時計も重要なアイテム。メーカーによっては必要な機能を厳選したラリー専用腕時計も販売されているんです! 保井選手の場合は同じようなGショックを左右に2個装着。1つはタイマーとして、もうひとつは時間管理と電池切れなどの際の予備用です。最近ではスマホのタイマー機能を活用しているコ・ドライバーもいるそうですよ。

ペースノートを読んで走行をサポートするのはもちろん、時にはメカニック、時にはマネージャー、時には親!?のような存在となってドライバーを支えているコ・ドライバー。
この存在無くしてラリーを完走することは不可能と言えるでしょう。
11月に開催予定のラリージャパンでは、コ・ドライバーの持ち物や動向にも注目して観戦してみると、新しい発見があるかもしれませんよ!

<取材協力>
株式会社キャロッセ
https://www.cusco.co.jp/

[ガズー編集部]

ラリージャパンを1000倍楽しもう!特集

MORIZO on the Road