【動画】トヨタ・ハリアー ハイブリッドZ 試乗インプレッション 車両紹介編
都市型SUVとして、これまで4世代にわたって進化してきた「トヨタ・ハリアー」。今回はそのハイブリッドモデルをピックアップし、最新型ならではの特徴を解説する。
初代「トヨタ・ハリアー」が、北米をはじめグローバルでは「レクサスRX」として販売されていたことはご存じの通りである。2代目までは同じ状況が続いたが、日本でもレクサスが開業し、これを機にハリアーとは別立てとなったRXが導入されるようになると、不思議な現象が起こることになる。RXが順当に人気を獲得していく一方で、ハリアーも変わらず好調な販売を維持し続けたのだ。
もちろん価格が大幅に上昇したRXとは、そもそもユーザー層が異なったということもある。しかし何より大きかったのは、RXではなくハリアーにこそ乗りたいという層が、しっかりと形成されていたことだろう。結果としてトヨタはRXとは別にハリアーを日本専用モデルとして継続させることを決め、2013年に10年ぶりの新型を登場させた。案の定、それが大ヒットとなったことで、2020年、4代目ハリアーは生まれた。
「RAV4」の復活もあり、スペシャルティーカー的な方向性をさらに推し進めてきた新型ハリアー。よりスタイリッシュになった外観も目を引くが、個人的にはインテリアが見ていて楽しい。
乗馬用の鞍(くら)をイメージしたというセンターコンソールは革張りに見えるが、実際は合成皮革。本革をこの面積に使い、しかも曲面にはわせようとしたら品質管理含めて大変なことになるが、合成皮革なら実現は難しくないし、しかも今の合成皮革は本当によくできていて、安っぽさはみじんもない。ノーズ先端からなくなった代わり、ドア内張りにエンボス加工されたハリアーのマークも、やはり本革だったらとてもコストに見合わなかっただろう。
実は先代の前期型のインテリアは、合成皮革とウッド調パネルに囲まれた、いかにも日本車的な、かつてのトヨタ車的な“ぽく見える”空間だった。それが後期型では、本革や本木目を一部に採用することになるのだが、新型では考え方がさらに一歩進んで、本革や本木目ではなくても、それ以上の上質感を演出してみせた。これには「やるなあ」と嘆息させられた。“らしさ”が、しっかり進化しているのだ。
新型も引き続き人気で、現在も納車待ちの人が列をなしているという。見るほど、触れるほど、乗るほどに、それも納得の新型ハリアーである。
(文:モータージャーナリスト・島下泰久)
[ガズー編集部]
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