【トヨタ・クラウン クロスオーバー試乗】クラウンに求められるものとは(竹岡圭)

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正直なところ、これまでの「クラウン」は自分のクルマという感じを持っていませんでした。もう誤解を恐れずに言っちゃうと、自分のクルマとして買うことは絶対ないなと思っていたくらい。

でも、今回のクラウンはちょっと違ったんですよね。4車種(クロスオーバー/スポーツ/セダン/エステート)が一度に発表されて、この「クラウン クロスオーバー」以外のクルマも乗ってみたい♪ と思わせてくれるようなワクワク感があったんです。私のなかでは、「クラウンはトヨタがいろんな意味で本気でチャレンジしているクルマ」という意識があるのですが、今回はそれがわかりやすいカタチで顕著に表れていたような気がします。

一方で「これはクラウンじゃない」とか、「クラウン以外の名前で出せばよかった」とかいう言葉も耳にします。でもね、乗るとやっぱりクラウンなんです。

その証拠に、歴代クラウンに乗られてきた方と一緒に試乗する機会があったのですが、その方をクラウン クロスオーバーの後席に乗せたときに「これはやっぱりクラウンだね」とおっしゃったんですよ。

「空間がきちんと確保されていて、ちゃんと質感が保たれていて、静粛性も高く、視点があまり動かない。例えば新聞を読めるくらい、穏やかな時間が流れている。乗せてもらっていて一番体がラクなクルマ……」と。

そうしたポイントをお感じになったようなのですが、確かにクラウンは、ショーファーカーとしての機能もきちんと持ちながら、ドライバーズカーとしてしっかり運転できるクルマでなければならないという、厳しい要求に応えているクルマなんですよね。

となると余計に、ほか3つのクラウンがメチャクチャ気になってきます。今までどおり、クラウンに求められきた要求を満たすものになるのか。でもハッチバックだったらどうなっちゃうのか……? どこをクラウンの神髄として受け継いでいくのか……。

そうやって、みんなをずっとワクワクさせ続けるというのも、新しいクラウンの魅力なのかもしれませんね。

(文:モータージャーナリスト・竹岡 圭)

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