【連載全20話】第17話 トヨタ・クラウン ハードトップ・・・懐かしい日本の2ドアハードトップ

昔に比べて少なくなった、国産の2ドアクーペ。なかでも過去の車型となってしまった“ピラーレスの2ドアハードトップ”を、週替わりで紹介します。

トヨタ・クラウン ハードトップ

1974年10月に登場した5代目クラウンは、個性的なスタイリングが市場に敬遠され伸び悩んだ先代の反省から、オーソドックスで落ち着いたデザインとなった。そのボディーのバリエーションには、先代からの4ドアセダン、2ドアハードトップ、5ドアワゴンに加えて、新たに4ドアピラードハードトップ(ドアはサッシュレスだがセンターピラーは残る)がラインナップされた。

これで3世代目となる2ドアハードトップは、クオーターピラーに俗に“オペラウィンドウ”と呼ばれる小窓が開けられたことが目新しかった。ハードトップというボディー形式と同様にアメリカ車からの流れだが、後席の閉塞(へいそく)感を和らげるとともに後方視界を改善する効果があるとされた。別体式のペリメーターフレームを持つ車体をはじめ基本構造は3代目以来のもので、パワーユニットは2リッター/2.6リッター直6 SOHC。2リッターにはシングルキャブおよびEFI仕様、2.6リッターはシングルキャブ仕様のみが設定された。

以後は排ガス対策を中心に小変更が加えられ、1978年2月のマイナーチェンジの際に2.6リッターにもEFI仕様を追加。1979年9月にはフルモデルチェンジが実施され、新たに登場した6代目にも2ドアハードトップが用意されたが、これがクラウンとしては最後の2ドアハードトップとなった。3代目から6代目まで4世代続いたクラウンの2ドアハードトップの市場は、1981年に登場した高級パーソナルカーのソアラへと受け継がれることになる。

[GAZOO編集部]

【連載全20話】懐かしい日本の2ドアハードトップ

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