三菱・トライトンは憧れなのか現実なのか
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三菱トライトンGSR
現地に行かなかったのでまた聞きの話になるけれど、東京オートサロン2024で展示された「トライトン」の前には、黒山の人だかりができたそうな。その山を築いた人々を勝手に分類してみると、以前からこの種のクルマに興味があり、その目で新型を確認したかった人。もしくは、たまたま会場で見かけて「けっこう良き」と足を止めた人に二分されるんじゃないかと思う。
僕は今回の撮影で、初めて目の当たりにした。かけがえなき第一印象は「アリ!」。いや本当に、ただいま13回目くらいの車検を受けている最中のわがオンボロが成仏する日がきたら、このトライトンに乗り換えるのも悪くないと思った。パンチのあるデザインだし、乗用車として使える装備は十二分に整っているし、「パジェロ」譲りとされる4WD機能も備わっている。何より、そんじょそこらにない荷台をこれ見よがしに広げている乗り物なんて、そう出会えるものじゃないから。
しかし、オートサロンのトライトンの前で黒山をつくった人々のほとんどは、実物を目にしただけで満足したのではないだろうか。
僕はそれを残念とは思わない。荒野が乏しい日本で5m超えの全長はもとより、これ見よがしの荷台を使いこなすこと自体、たぶん非現実的だから。そんなことは誰もが承知していただろう。そもそもショーは、非現実的な夢を見る場所なのだからと。
そんなはかない夢想から解き放たれてもなお、このピックアップトラックを手に入れたい思いが消えない人には、引用され過ぎたこの言葉を贈る。「憧れるのをやめましょう」。発言の主は、憧れたままでは敵を越えられないと諭すため、後に名言となるメッセージを口にした。おこがましくも僕は、そこにもう一言付け加えさせてもらう。
「憧れるのをやめましょう。そして現実を見ましょう」
果たしてトライトンが見せてくれそうな現実とは何か……。
(文:田村十七男)
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